セクハラ禁止、初の条約化採択 ILO総会、各国の対策後押し/来年に詳細持ち越し

[海外]

国際労働機関(ILO)は年次総会最終日となる8日、セクハラや暴力など、職場での迷惑行為を禁止する初の国際条約制定を求めた委員会報告を採択した。性的被害を告発する「#MeToo」運動が広がる中、拘束力のある条約を目指す方針で一致し、各国のセクハラ対策を後押しする。

ただ、「労働者」として保護すべき対象の範囲などについて各国で折り合いがついておらず、条約案の詳細は来年の総会での採択に持ち越された。

関係筋によると、日本政府は条約制定にはおおむね賛成なものの、実際に批准できるよう、各国の実態に即した内容とすべきだと主張している。

委員会報告は、通勤時や休憩中も含めた業務中に「身体的、心理的、性的、経済的に損害を与える」恐れのある行為を「絶対に許容しない」ことや、予防措置の導入を提言。求職者や被解雇者も対象にすべての労働者を保護する必要があるとしている。

委員会のパトリー議長は「世界が注目しており、もはやこの問題を無視できない」と強調。一方で、「保護対象の定義が非常に曖昧」(英企業団体代表)と雇用者側の負担を懸念する声や、「文化の違いがあり、禁止行為を一律に決めるのは難しい」(ウガンダ政府代表)などと否定的な意見も相次いだ。

条約が成立しても、各国が国内法との整合性などを理由に批准しないことは可能。これまで採択された189のILO条約のうち、日本が批准したのは49にとどまる。

(ジュネーブ時事)
2018年6月8日