労働時間等設定改善指針の一部を改正する件(厚生労働三七五)
平成30年10月30日

厚生労働省告示 第三百七十五号

 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)第四条第一項の規定に基づき、労働時間等設定改善指針(平成二十年厚生労働省告示第百八号)の一部を次の表のように改正し、平成三十一年四月一日から適用する。

  平成三十年十月三十日

厚生労働大臣 根本  匠

(傍線部分は改正部分) 

改正後

改正前

 (略)

 (略)

 このような中で、労使の真摯な取組により労働時間の短縮は着実に進み、近年は、過去に労働時間短縮の目標として掲げられてきた年間総実労働時間1,800時間を下回る、おおむね1,700時間台前半で推移している。

 このような中で、労使の真しな取組により労働時間の短縮は着実に進み、近年は、過去に労働時間短縮の目標として掲げられてきた年間総実労働時間1,800時間にほぼ近い水準である、おおむね1,800時間台前半で推移している。

 しかしながら、その内実を見ると、全労働者平均の労働時間が短縮した原因は、主に、労働時間が短い者の割合が増加した結果であり、いわゆる正社員等については2,000時間前後で推移しており、依然として労働時間は短縮していない。一方、労働時間が長い者と短い者の割合が共に増加し、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」が進展している。また、年次有給休暇の取得率は5割を下回った状態である。さらに、長い労働時間等の業務に起因した脳・心臓疾患に係る労災認定件数は高水準で推移している。そして、急速な少子高齢化、労働者の意識や抱える事情の多様化等が進んでいる。

 しかしながら、その内実を見ると、全労働者平均の労働時間が短縮した原因は、主に、労働時間が短い者の割合が増加した結果であり、いわゆる正社員等については2,000時間前後で推移しており、依然として労働時間は短縮していない。一方、労働時間が長い者と短い者の割合が共に増加し、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」が進展している。また、年次有給休暇の取得率は低下傾向にある。さらに、長い労働時間等の業務に起因した脳・心臓疾患に係る労災認定件数は高水準で推移している。そして、急速な少子高齢化、労働者の意識や抱える事情の多様化等が進んでいる。

 (略)

 (略)

 さらに、憲章及び行動指針においては、事業主及びその団体(以下「事業主等」という。)並びに労働者の役割について、個々の企業の実情に合った効果的な進め方を互いに話し合い、生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革をはじめとする働き方の改革に自主的に取り組み、民間主導による仕事と生活の調和に向けた気運を醸成することが重要であることを示しているところである。

 さらに、憲章及び行動指針においては、事業主及びその団体(以下「事業主等」という。)並びに労働者の役割について、個々の企業の実情に合った効果的な進め方を互いに話し合い、生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革をはじめとする働き方の改革に自主的に取り組み、民間主導による仕事と生活の調和に向けた気運を醸成することが重要であることを示しているところである。

 また、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)が平成30年7月6日に公布され、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を推進するため、時間外労働の限度時間の設定等の措置を講ずることとされている。加えて、特に過労死等の防止については、過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)第4条第3項において、事業主は、国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための対策に協力するよう努めることとされており、同法第7条第1項の規定により定められた「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(平成30年7月24日閣議決定)において、労働時間等に関する数値目標等が定められているところである。

 

 (略)

 (略)

1 労働時間等の設定の改善に関する基本的考え方

1 労働時間等の設定の改善に関する基本的考え方

 (1) (略)

 (1) (略)

 (2) 労働時間の短縮の推進

 (2) 労働時間の短縮の推進

 労働者が健康で充実した生活を送るための基盤の一つとして、生活時間の十分な確保が重要であり、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、労働時間の短縮が欠かせない。このため、事業主は、今後とも、週40時間労働制の導入、年次有給休暇の取得促進及び時間外・休日労働の削減に努めることが重要である。

 労働者が健康で充実した生活を送るための基盤の一つとして、生活時間の十分な確保が重要であり、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、労働時間の短縮が欠かせない。このため、事業主は、今後とも、週40時間労働制の導入、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働の削減に努めることが重要である。

 (3)・(4) (略)

 (3)・(4) (略)

 (5) 他の法令、計画等との連携

 (5) 他の法令、計画等との連携

 この指針は、労働時間等の設定に係る他の法令、計画、指針等と矛盾するものではなく、それらを前提に、事業主等が留意すべき事項について定めるものである。したがって、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、憲章及び行動指針を踏まえて取り組むと

 この指針は、労働時間等の設定に係る他の法令、計画、指針等と矛盾するものではなく、それらを前提に、事業主等が留意すべき事項について定めるものである。したがって、事業主が労働時間等の設定の改善を図るに当たっては、憲章及び行動指針を踏まえて取り組むと

ともに、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第7条第1項に規定する行動計画策定指針、「少子化社会対策大綱」(平成27年3月20日閣議決定)等を踏まえた少子化対策等にも取り組むことが必要である。

ともに、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第7条第1項に規定する行動計画策定指針(平成21年国家公安委員会・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)、「子ども・子育てビジョン」(平成22年1月29日閣議決定)等を踏まえた少子化対策等にも取り組むことが必要である。

   (略)

   (略)

2 事業主等が講ずべき労働時間等の設定の改善のための措置

2 事業主等が講ずべき労働時間等の設定の改善のための措置

 事業主等は、労働時間等の設定の改善を図るに当たり、1の基本的考え方を踏まえつつ、労働者と十分に話し合うとともに、経営者の主導の下、に掲げる措置その他の労働者の健康と生活に配慮した措置を講ずるよう努めなければならない。

 事業主等は、労働時間等の設定の改善を図るに当たり、1の基本的考え方を踏まえつつ、労働者と十分に話し合うとともに、経営者の主導の下、以下に掲げる措置その他の労働者の健康と生活に配慮した措置を講ずるよう努めなければならない。

 (1) 事業主が講ずべき一般的な措置

 (1) 事業主が講ずべき一般的な措置

  イ 実施体制の整備

  イ 実施体制の整備

   (イ) (略)

   (イ) (略)

   (ロ) 労使間の話合いの機会の整備

   (ロ) 労使間の話合いの機会の整備

     (略)

     (略)

 こうした趣旨に基づき、法において企業内の労働時間等の設定の改善に係る実施体制の整備について事業主の努力義務が定められていることを踏まえ、事業主は、労働時間等設定改善委員会及び労働時間等設定改善企業委員会(以下「設定改善委員会等」という。)をはじめとする労使間の話合いの機会を整備すること。

 こうした趣旨に基づき、法において企業内の労働時間等の設定の改善に係る実施体制の整備について事業主の努力義務が定められていることを踏まえ、事業主は、労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話合いの機会を整備すること。

 また、このような労使間の話合いの機会を設けるに当たっては、次に掲げる事項に留意すること。

 なお、一定の要件を満たすことを条件に、衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすことができるので、その活用を図ること。

     設定改善委員会等の構成員について、労働者の抱える多様な事情が反映されるよう、性別、年齢、家族構成等並びに育児・介護、自発的な職業能力開発等の経験及び知見に配慮することが望ましいこと。

 また、このような労使間の話合いの機会を設けるに当たっては、委員会等の構成員について、労働者の抱える多様な事情が反映されるよう、性別、年齢、家族構成等並びに育児・介護、自発的な職業能力開発等の経験及び知見に配慮することが望ましい。

     設定改善委員会等の決議は、一定の要件を満たすことを条件に、労働基準法(昭和22年法律第49号)上の労働時間等に関する規定に係る特例が認められているので、必要に応じてその活用を図ること。

 

   (ハ)・(ニ) (略)

   (ハ)・(ニ) (略)

   (ホ) 労働時間等の設定の改善に係る措置に関する計画

   (ホ) 労働時間等の設定の改善に係る措置に関する計画

 労働時間等の設定の改善をより確実にするには、計画的な取組が望ましい。このため、事業主は、具体的な措置の内容、導入・実施の予定等に係る計画を作成し、これに基づいて、労働時間等の設定の改善を推進すること。この場合、労働時間等の設定の改善に係る措置についての具体的な目標を、それぞれの事情を踏まえつつ、自主的に設定することが望ましい。なお、計画の策定に当たっては、労使間の話合いの機会の重要性に鑑み、設定改善委員会等をはじめとする労使間の話合いの機会において労働者の意見を聴くなど、労働者の意向を踏まえたものとするようにすること。また、策定された計画については、随時、その効果を検証し、必要に応じて見直しを行うこと。

 労働時間等の設定の改善をより確実にするには、計画的な取組が望ましい。このため、事業主は、具体的な措置の内容、導入・実施の予定等に係る計画を作成し、これに基づいて、労働時間等の設定の改善を推進すること。この場合、労働時間等の設定の改善に係る措置についての具体的な目標を、それぞれの事情を踏まえつつ、自主的に設定することが望ましい。なお、計画の策定に当たっては、労使間の話合いの機会の重要性にかんがみ、労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話合いの機会において労働者の意見を聴くなど、労働者の意向を踏まえたものとするようにすること。また、策定された計画については、随時、その効果を検証し、必要に応じて見直しを行うこと。

  ロ 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間等の設定

  ロ 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間等の設定

    (略)

    (略)

 

 さらに、いわゆる短時間正社員のような柔軟な働き方の活用を図ること。

   年次有給休暇を取得しやすい環境の整備

   年次有給休暇を取得しやすい環境の整備

   (イ) 年次有給休暇の重要性

 労働者が心身の疲労を回復させ、健康で充実した生活を送るためには、原則として労働者がその取得時季を自由に設定できる年次有給休暇の取得が必要不可欠である。また、育児・介護等に必要な時間の確保にも資すると考えられる。特に、労働者が仕事を重視した生活設計をすることにより、労働が長時間に及ぶ場合においては、年次有給休暇の取得が健康の保持のために重要である。

 労働者が心身の疲労を回復させ、健康で充実した生活を送るためには、原則として労働者がその取得時季を自由に設定できる年次有給休暇の取得が必要不可欠である。また、育児・介護等に必要な時間の確保にも資すると考えられる。特に、労働者が仕事を重視した生活設計をすることにより、労働が長時間に及ぶ場合においては、年次有給休暇の取得が健康の保持のために重要である。

 しかしながら、年次有給休暇については、周囲に迷惑がかかること、後で多忙になること、職場の雰囲気が取得しづらいこと等を理由に、多くの労働者がその取得にためらいを感じている。逆に、その取得にためらいを感じない労働者がその理由として掲げているのは、職場の雰囲気が取得しやすいこと等となっている。

 しかしながら、年次有給休暇については、周囲に迷惑がかかること、後で多忙になること、職場の雰囲気が取得しづらいこと等を理由に、多くの労働者がその取得にためらいを感じている。逆に、その取得にためらいを感じない労働者がその理由として掲げているのは、職場の雰囲気が取得しやすいこと等となっている。

 年次有給休暇の取得は、企業の活力や競争力の源泉である人材がその能力を十分に発揮するための大きな要素であって、生産性の向上にも資するものであり、企業にとっても大きな意味を持つものである。さらに、その取得率が向上すれば、経済・雇用面への効果も期待できる。

 年次有給休暇の取得は、企業の活力や競争力の源泉である人材がその能力を十分に発揮するための大きな要素であって、生産性の向上にも資するものであり、企業にとっても大きな意味を持つものである。さらに、その取得率が向上すれば、経済・雇用面への効果も期待できる。

 このため、事業主は、年次有給休暇の完全取得を目指して、経営者の主導の下、取得の呼びかけ等による取得しやすい雰囲気づくりや、労使の年次有給休暇に対する意識の改革を図ること。

   (ロ) 年次有給休暇に対する意識の改革に向けた措置

 (イ)を踏まえ、事業主は、年次有給休暇の完全取得を目指して、経営者の主導の下、取得の呼びかけ等による取得しやすい雰囲気づくりや、労使の年次有給休暇に対する意識の改革を図ること。

 また、計画的な年次有給休暇の取得は、年次有給休暇取得の確実性が高まり、労働者にとっては予定通りの活動を行いやすく、事業主にとっては計画的な業務運営を可能にする等効用が高い。したがって、年次有給休暇の取得促進を図るためには、特に、計画的な年次有給休暇取得の一層の推進を図ることが重要である。計画的な年次有給休暇の取得には、労使間で1年間の仕事の繁閑や段取り及び当面達成すべき目標としての取得率の目安を話し合うことが必要であり、労使双方にとって合理的な仕事の進め方を理解し合うためにも有益な手段であると考えられる。事業主は、年次有給休暇の取得促進を図るため、業務量を正確に把握し、個人別年次有給休暇取得計画表の作成、年次有給休暇の完全取得に向けた取得率の目標設定の検討及び業務体制の整備、取得状況の把握を行うこと。その際、労働時間等設定改善委員会をはじめとする労使間の話合いの機会において年次有給休暇の取得状況を確認する制度を導入するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を検討すること。また、労働基準法(昭和22年法律第49号)第39条第6項に基づく年次有給休暇の計画的付与制度の活用を図ること。その際、連続した休暇の取得促進に配慮するとともに、当該制度の導入に向けた課題及び解決策について検討すること。

     年次有給休暇管理簿の作成・周知

 年次有給休暇の取得促進を図るに当たっては、労働者のみならず、当該労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者も当該労働者の年次有給休暇の取得状況を把握することが重要である。労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第24条の7の規定により、年次有給休暇管理簿の作成が義務付けられているところ、使用者は年次有給休暇管理簿を作成するのみならず、年次有給休暇管理簿の確認を行い、年次有給休暇の取得状況を労働者及び当該労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者に周知すること。

 また、労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が、取得が進んでいない労働者に対して、業務の負担軽減を図る等労務管理上の工夫を行い、年次有給休暇の取得につなげるなど、年次有給休暇の取得促進に年次有給休暇管理簿を活用すること。

     計画的な年次有給休暇の取得

 さらに、週休日と年次有給休暇とを組み合わせた2週間程度の連続した長期休暇の取得促進を図ること。その際、当該事業場の全労働者が長期休暇を取得できるような制度の導入に向けて検討するとともに、取得時期については、休暇中の渋滞、混雑の緩和、労働者の経済的負担の軽減などの観点から分散化を図り、より寛げる休暇となるよう配慮すること。

 計画的な年次有給休暇の取得は、年次有給休暇取得の確実性が高まり、労働者にとっては予定どおりの活動を行いやすく、事業主にとっては計画的な業務運営を可能にする等効用が高い。したがって、年次有給休暇の取得促進を図るためには、特に、計画的な年次有給休暇取得の一層の推進を図ることが重要である。

 計画的な年次有給休暇の取得には、労使間で1年間の仕事の繁閑や段取り及び当面達成すべき目標としての取得率の目安を話し合うことが必要であり、労使双方にとって合理的な仕事の進め方を理解し合うためにも有益な手段であると考えられる。

 これらに加え、年次有給休暇取得促進の観点から、労働基準法第39条第4項に基づく年次有給休暇の時間単位付与制度(以下「時間単位付与制度」という。)の活用や、半日単位での年次有給休暇の利用について、連続休暇取得及び1日単位の取得の阻害とならない範囲で、労働者の希望によるものであることを前提としつつ、検討すること。

 事業主は、業務量を正確に把握した上で、労働者ごとの基準日や年度当初等に聴取した希望を踏まえた個人別年次有給休暇取得計画表の作成、年次有給休暇の完全取得に向けた取得率の目標設定の検討及び業務体制の整備を行うとともに、取得状況を把握すること。あわせて、労働基準法第39条第6項の規定に基づく年次有給休暇の計画的付与制度の活用を図り、その際、連続した休暇の取得促進に配慮するとともに、当該制度の導入に向けた課題及び解決策について検討すること。

 また、仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、労働基準法第39条第1項及び第3項に規定する雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、同条第2項及び第3項に規定する年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤続期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること。

 また、設定改善委員会等をはじめとする労使間の話合いの機会において年次有給休暇の取得状況を確認する制度を導入するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を検討すること。

 さらに、地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう配慮すること。

 なお、同条第7項において、使用者は、原則として年次有給休暇の日数のうち5日(同条第5項又は第6項の規定により労働者の請求等に従って年次有給休暇を与えた場合にあっては、当該与えた有給休暇の日数分を除く。)については、時季を指定して与えることとされており、計画的な年次有給休暇の取得に係る取組は当該義務を果たすことにもつながるものであることから、十分に取り組むことが必要である。

 

     年次有給休暇の連続取得

 

 プラスワン休暇(週休日等に年次有給休暇を組み合わせた連続休暇をいう。)や週休日等と年次有給休暇とを組み合わせた1週間から2週間程度の連続した長期休暇の取得促進を図ること。その際、当該事業場の全労働者が長期休暇を取得できるような制度の導入に向けて検討するとともに、取得時期については、休暇中の渋滞、混雑の緩和、労働者の経済的負担の軽減などの観点から分散化を図り、より寛げる休暇となるよう配慮すること。

 

     年次有給休暇の時間単位付与制度等

 

 労働基準法第39条第4項の規定に基づく年次有給休暇の時間単位付与制度(以下「時間単位付与制度」という。)の活用や、半日単位での年次有給休暇の利用について、連続休暇取得及び1日単位の取得の阻害とならない範囲で、労働者の希望によるものであることを前提としつつ、検討すること。

 

     年次有給休暇の早期付与

 

 仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、労働基準法第39条第1項及び第3項に規定する雇入れ後初めて年次有給休暇を与えるまでの継続勤務期間を短縮すること、同条第2項及び第3項に規定する年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤続期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること。

 

     子どもの学校休業日等に合わせた年次有給休暇の取得促進

 

 地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう配慮すること。

 

  ニ 時間外・休日労働の削減

  ニ 所定外労働の削減

 時間外・休日労働は、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に行うものである。事業主は、その雇用する労働者の健康で充実した生活のため、労働時間に関する意識の改革、「ノー残業デー」又は「ノー残業ウィーク」の導入・拡充等により、今後とも時間外・休日労働の削減を図ること。特に、休日労働を避けること。また、時間外・休日労働を行わせた場合には、代休の付与等により総実労働時間の短縮を図ること。労働者が私生活を重視した生活設計をし、時間外・休日労働を望まない場合は、時間外・休日労働の削減について一層の配慮をすること。

 所定外労働は臨時、緊急の時にのみ行うものである。事業主は、その雇用する労働者の健康で充実した生活のため、労働時間に関する意識の改革、「ノー残業デー」、#「ノー残業ウィーク」の導入・拡充等により、今後とも所定外労働の削減を図ること。特に、休日労働を避けること。また、所定外労働を行わせた場合には、代休の付与等により総実労働時間の短縮を図ること。労働者が私生活を重視した生活設計をし、所定外労働を望まない場合は、所定外労働の削減について一層の配慮をすること。

 また、時間外労働についての上限は、労働基準法第36条第3項の規定に基づき原則として月45時間及び年360時間であり、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、上限は年720時間であり、その範囲内において①複数月の平均では休日労働を含んで80時間以内、②単月では、休日労働を含んで100時間未満、③同項の限度時間(以下「限度時間」という。)を超えることができる月数は、1年について6か月以内に限られ、これらに違反する場合は同法の規定による罰則の適用があることに留意すること。なお、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第323号)に基づき、時間外・休日労働について、次に掲げる事項に留意すること。

 なお、労働時間を延長する場合であっても、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成10年労働省告示第154号)を遵守すること。また、同基準第3条ただし書に規定する特別条項付き協定を結ぶ場合は、同基準の例外が認められる特別の事情とは臨時的なものに限ることを、その協定において明確にするとともに、限度時間を超える時間外労働をできる限り短くし、その時間の労働に係る割増賃金率について、法定割増賃金率を超える率とするよう努めること。

 さらに、週60時間以上の長時間労働者の割合が高水準となっており、特に30代男性で高くなっている。長時間労働により、健康を損なう者が出るとともに、肉体的、精神的な疲労によって労働者の生産性にも影響を及ぼすおそれがあり、また、男性の家事・育児時間が長時間労働等により短くなっていることから、このような長時間労働が恒常的なものにならないようにする等その抑制を図ること。

   (イ) 時間外・休日労働協定において限度時間を超えて労働させることができる場合を定めるに当たっては、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないこと。

   (ロ) 時間外・休日労働協定については、原則として限度時間を超えないものとされていることに十分留意し、業務の見直し等により、一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間等を限度時間にできる限り近づけるように努めなければならないこと。

 

   (ハ) 時間外・休日労働協定において限度時間を超えて労働時間を延長して労働させることができる時間に係る割増賃金の率を定めるに当たっては、法定割増賃金率を超える率とするように努めなければならないこと。

 

   (ニ) 時間外・休日労働協定において休日の労働を定めるに当たっては労働させることができる休日の日数をできる限り少なくし、及び休日に労働させる時間をできる限り短くするように努めなければならないこと。

 

  ホ (略)

  ホ (略)

  ヘ 多様な正社員、ワークシェアリング、テレワーク等の活用

  ヘ ワークシェアリング、在宅勤務、テレワーク等の活用

 事業主は、多様な働き方の選択肢を拡大するため、労働時間等が限定された多様な正社員として勤務する制度やワークシェアリングの導入に努めること。

 事業主は、多様な働き方の選択肢を拡大するワークシェアリングの導入に努めること。

 多様な正社員としての働き方は、育児・介護等の事情により長時間労働が困難な者について、就業機会の付与とその継続、能力の発揮を可能とする働き方である。

 

 その活用に当たっては、人事労務管理、経営状況等の事情も踏まえ、当該制度の導入の可否、制度の内容及び処遇については、各企業や事業場において労使で十分に話し合うことが必要である。

 

 また、テレワークは、職住近接の実現による通勤負担の軽減に加え、多様な働き方の選択肢を拡大するものであり、働く意欲を有する者が仕事と生活を両立させつつ、能力を発揮できるようにするためにも、その活用を図ること。

 また、在宅勤務やテレワークによる勤務は、職住近接の実現による通勤負担の軽減に加え、多様な働き方の選択肢を拡大するものであり、働く意欲を有する者が仕事と生活を両立させつつ、能力を発揮できるようにするためにも、その活用を図ること。

 その際には、厚生労働省労働基準局長及び雇用環境・均等局長が定めた「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」に基づき、適切な労務管理の下でのテレワークの実現を図ること。また、テレワークの制度を適切に導入するに当たっては、労使で認識に齟齬が生じないように、あらかじめ導入の目的、対象となる業務及び労働者の範囲、テレワークの方法等について、労使で十分に協議することが望ましいこと。さらに、実際にテレワークを行うか否かは本人の意思によることとすべきであること。

 なお、在宅で勤務するテレワークについては、厚生労働省労働基準局長が定めた「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」に基づき、適切な就業環境の下での在宅勤務の実現を図ること。

   終業及び始業の時刻に関する措置

  (新設)

   (イ) 深夜業の回数の制限

 

 深夜業(交替制勤務による夜勤を含む。以下同じ。)は、通常の労働時間と異なる特別な労働であり、労働者の健康の保持や仕事と生活の調和を図るためには、これを抑制することが望ましいことから、深夜業の回数を制限することを検討すること。

 

   (ロ) 勤務間インターバル

 

 勤務間インターバル(前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することをいう。以下同じ。)は、労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、労働者の健康の保持や仕事と生活の調和を図るために有効であることから、その導入に努めること。なお、当該一定時間を設定するに際しては、労働者の通勤時間、交替制勤務等の勤務形態や勤務実態等を十分に考慮し、仕事と生活の両立が可能な実効性ある休息が確保されるよう配慮すること。

 

   (ハ) 朝型の働き方

 

 一定の時刻以降に働くことを禁止し、やむを得ない場合は始業前の朝の時間帯に業務を処理する等のいわゆる朝型の働き方は、勤務間インターバルと同様の効果をもたらすと考えられることから、その導入を検討すること。

 

 なお、やむを得ず時間外労働を行った場合は、割増賃金を適切に支払わなければならないことに留意するとともに、時間外労働をできる限り短くするよう努めること。

 

   (略)

   (略)

 (2) 特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置

 (2) 特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置

 労働者各人の健康と生活に配慮するには、その前提として、事業主が、2(1)イ(イ)に記した労働時間等の実態を把握することに加え、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等を遵守しつつ、労働者各人について配慮すべき事情を、必要に応じて、把握すること

 労働者各人の健康と生活に配慮するには、その前提として、事業主が、2(1)イ(イ)に記した労働時間等の実態を把握することに加え、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57

号)、雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に

が望ましい。なお、このような労働者各人の事情を理由として、その労働者に対して不利益な取扱いをしないこと。

関する指針(平成16年厚生労働省告示第259号)等を遵守しつつ、労働者各人について配慮すべき事情を、必要に応じて、把握することが望ましい。なお、このような労働者各人の事情を理由として、その労働者に対して不利益な取扱いをしないこと。

  イ 特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者

  イ 特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者

    (略)

    (略)

 そして、労働者の健康を守る予防策として、厚生労働大臣が定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を踏まえたメンタルヘルスケアの実施とあわせ、疲労を蓄積させない又は疲労を軽減させるような労働時間等の設定を行うこと。特に、時間外・休日労働の削減に努めること。時間外・休日労働が多い労働者については、代休やまとまった休暇の付与等を行い、疲労の回復を図らせること。恒常的に時間外・休日労働が多い部署については、業務の見直しを行う他、配置転換を行う等により、労働者各人ごとの労働時間の削減を行うこと。

 そして、労働者の健康を守る予防策として、厚生労働大臣が定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を踏まえたメンタルヘルスケアの実施とあわせ、疲労を蓄積させない又は疲労を軽減させるような労働時間等の設定を行うこと。特に、所定外労働の削減に努めること。所定外労働が多い労働者については、代休やまとまった休暇の付与等を行い、疲労の回復を図らせること。恒常的に所定外労働が多い部署については、業務の見直しを行う他、配置転換を行う等により、労働者各人ごとの労働時間の削減を行うこと。

  ロ 子の養育又は家族の介護を行う労働者

  ロ 子の養育又は家族の介護を行う労働者

    (略)

    (略)

 特に、育児等を行う男性は、増加しているものの依然低水準にとどまり、また、出産後の女性が就業継続を希望しながら離職を余儀なくされる場合が見られる現状を踏まえ、男女が共に職業生活と家庭生活の両立を実現できるよう、一層の配慮をすること。

 特に、男性の育児等への参加が進んでおらず、また、出産後の女性が就業継続を希望しながら離職を余儀なくされる場合が見られる現状を踏まえ、男女が共に職業生活と家庭生活の両立を実現できるよう、一層の配慮をすること。

    (略)

    (略)

 さらに、時間単位付与制度の活用も含めた年次有給休暇の取得促進、時間外・休日労働の削減等により、子の養育又は家族の介護に必要な時間の確保を図ること。

 さらに、時間単位付与制度の活用も含めた年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減等により、子の養育又は家族の介護に必要な時間の確保を図ること。

    (略)

    (略)

  ハ~ヘ (略)

  ハ~ヘ (略)

  ト 地域活動等を行う労働者

  ト 地域活動等を行う労働者

 災害を受けた地域の復興支援等におけるボランティア活動や地域活動等の役割の重要性に鑑み、事業主は、地域活動、ボランティア活動等へ参加する労働者に対して、その参加を可能とするよう、特別な休暇の付与、時間単位付与制度の活用、労働者の希望を前提とした年次有給休暇の半日単位の付与等について検討するとともに、休暇等に係る制度を設けた場合にはその周知を図ること。

 事業主は、地域活動、ボランティア活動等へ参加する労働者に対して、その参加を可能とするよう、特別な休暇の付与、時間単位付与制度の活用、労働者の希望を前提とした年次有給休暇の半日単位の付与等について検討すること。

  チ (略)

  チ (略)

 (3) (略)

 (3) (略)

 (4) 事業主が他の事業主との取引上配慮すべき事項

 (4) 事業主が他の事業主との取引上配慮すべき事項

 個々の事業主が労働時間等の設定の改善に関する措置を講じても、親企業からの発注等取引上の都合により、その措置の円滑な実施が阻害されることとなりかねない。特に中小企業等において時間外・休日労働の削減に取り組むに当たっては、個々の事業主の努力では限界があることから、長時間労働につながる取引慣行の見直しが必要である。このため、事業主は、他の事業主との取引を行うに当たっては、例えば、次のような事項について配慮をすること。

 個々の事業主が労働時間等の設定の改善に関する措置を講じても、親企業からの発注等取引上の都合により、その措置の円滑な実施が阻害されることとなりかねない。このため、事業主は、他の事業主との取引を行うに当たっては、例えば、次のような事項について配慮をすること。

  イ~ハ (略)

  イ~ハ (略)