転勤拒否の解雇「無効」認めず 元NEC子会社社員敗訴/大阪地裁

[判例]

子どもの持病などの事情で転勤に応じず懲戒解雇されたのは違法として、NEC子会社に勤めていた大阪府の元社員の男性(55)が解雇無効と慰謝料100万円などの支払いを同社に求めた訴訟の判決が29日、大阪地裁であった。中山誠一裁判長は「配転命令には業務上の必要性があった」と述べ、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

原告側は、所属長に話すなど転勤できない事情を会社側に説明したと主張していた。中山裁判長は、原告が人事担当者との面談に応じなかったことを挙げ、「説明の機会を放棄した」と判断した。

判決によると、男性は2019年ごろ、大阪市内のオフィス閉鎖を踏まえ、関東転勤か早期退職を選ぶよう求められた。嘔吐症の持病のある長男(13)と体調不良の母(77)がいて転勤できないと拒否したところ、清掃会社への出向などを提案された上、転勤命令を受け、応じずに解雇された。

(時事通信)
2021年11月29日