アステラス製薬社員の自殺、労災認定 業務で心理的負荷、うつ病に/労基署

[行政]

アステラス製薬の男性社員=当時(33)=が2019年に自殺し、中央労働基準監督署(文京区)がうつ病が原因と労災認定したことが14日、分かった。遺族らが記者会見して明らかにした。

代理人弁護士によると、09年に入社した男性は、医薬情報担当者(MR)を経て、15年から医師向けの講演会などを運営する担当へ異動した。16年4月にうつ病と診断された後、19年12月、都内の自宅で自殺した。

労基署は、男性が経験のない業務に従事する中、発症5カ月前には約71時間の時間外労働をしたことで強い心理的負荷がかかり、うつ病を発症したと認定した。

「お前なんてクビと言われた」など、男性上司らからの叱責を訴えるメッセージも残っていたが、労基署はパワーハラスメントを認定しなかった。

男性の父親(68)=山口県=は会見で、「ハラスメントをした上司や職場に怒りがある。同じことが起きないよう改革して」と訴えた。

アステラス製薬の話 社員の自殺は事実で重く受け止めている。詳細はお答えできない。

(時事通信)
2022年1月14日