メールマガジン労働情報 No.1733

■□――【メールマガジン労働情報/No.1733】

経済・財政一体改革の重点課題(社会保障)等について議論/経済財政諮問会議 ほか

―2021年12月1日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】経済・財政一体改革の重点課題(社会保障)等について議論/経済財政諮問会議 ほか
【統計】10月の完全失業率2.7%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】院内保育所ではコロナ禍で時間外労働が増加/日本医労連調査 ほか
【動向】居酒屋など飲食店の人手不足、緊急事態宣言解除で急上昇/民間調査 ほか
【海外】初期職業訓練の近代化―公認職種の更新と訓練内容の刷新/ドイツ ほか
【イベント】「2022春闘セミナー」/日本生産性本部 ほか

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20211201.html

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズ No.217『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(労働者調査)』

 民間企業における人材育成と能力開発について、労働者を対象としたアンケート
調査を実施しました。その結果、13.6%が通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練・
研修(=OFF-JT)を「受講した」と回答、16.7%が仕事に関わる自己啓発(自発的に行う
教育訓練)を「行った」と回答しており、規模の大きい企業に勤める者ほどOFF-JTを
受講しており、自己啓発を行った割合も高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/217.html

◇調査シリーズ No.216『人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査(企業調査)』

 民間企業における人材育成と能力開発について、企業を対象としたアンケート
調査を実施しました。その結果、労働者の能力開発方針の決定主体について、
「企業主体で決定している」割合が59.1%と過半数を占め、「労働者個人主体で
決定している」とする35.0%を大きく上回っていること、規模別にみると、
いずれの規模でも半数以上は、「企業主体で決定している」と回答しているが、
規模の小さい企業では、規模の大きい企業に比べ、「労働者個人主体で決定している」
とする割合が高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/216.html

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集―』を刊行しました!

 本書は、既存の労働統計から新しい統計指標を計算する方法と結果を紹介する資料集です。
【A5判368頁 定価:1,650円(本体1,500円) 11月30日刊行】
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2021/index.html

◇『日本労働研究雑誌』2021年12月号発売中!
 特集「雇用関係と人材のマネジメントにおける現在地」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/12/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2021年12月号発売中!
 「コロナ禍での職場のメンタルヘルス」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2021/12/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2021年12月号を刊行!
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

◇労働政策フォーラム「新型コロナによる女性雇用・生活への影響と支援のあり方」の動画配信!
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210629/video/index.html

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【新型コロナウイルス感染症関連情報】
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☆新型コロナウイルス感染症関連情報

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
個人と企業を対象とした連続パネル調査の結果とその二次分析などについて掲載しています。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

 ▽最近の更新情報(11月30日更新)
  国内統計:完全失業率
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c06.html
  国内統計:有効求人倍率
  https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c07.html

新型コロナウイルス感染症関連情報の英語版はこちら
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【行政】
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●経済・財政一体改革の重点課題(社会保障)等について議論/経済財政諮問会議

 政府は11月25日、「第15回経済財政諮問会議」を開催し、経済・財政一体改革の
重点課題(社会保障)等について議論した。総理は、「メリハリのある診療報酬改定や
効率的な医療提供体制の整備」などを進めると述べた。好循環実現に向けての重点課題
である医療・介護の生産性向上と将来性ある市場創出に関しては、「ロボットや見守り
センサーを始め、デジタル技術を積極的に活用することで、人手不足の解消と供給力の
向上を同時に実現」するとし、「そうすれば、働く方々の収入も上がり、需要と供給が
共に増加する成長産業にもなっていく」などと述べた。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2021/1125/agenda.html
(経済・財政一体改革の重点課題(社会保障))
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2021/1125/shiryo_01-1.pdf
(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202111/25keizaishimon.html

●「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」(女性版骨太の方針)の策定に向けて議論/男女共同参画会議

 政府は11月29日、「第65回男女共同参画会議」を開催し、「女性活躍・男女共同参画の
重点方針2022」(女性版骨太の方針)の策定に向けて議論した。会議では、女性版骨太の
方針として、「女性の経済的な自立」、「女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現」、
「男性の家庭・地域社会における活躍」、「女性の登用目標達成(第5次男女共同参画
基本計画の着実な実行)」の4つの柱立てが示された。総理は、「賃上げ促進税制の
控除率の大胆な引き上げ、人への投資の抜本的な評価、民間の賃上げに先んじた法的価格の
見直しなど、分配戦略を強化し成長と分配の好循環による女性の所得向上」に取り組んでいく
などと述べた。
https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/gijisidai/ka65-s.html
(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202111/29danjyo.html

●「職場のハラスメント対策シンポジウム」を開催/厚労省

 厚生労働省は、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定めており、その一環として
12月10日、「職場のハラスメント対策シンポジウム」をオンラインで開催する。
基調講演「職場のハラスメントに関する実態調査の概要、企業に求められる今後の
対策について」、パネルディスカッション「2022年4月からの改正労働施策総合推進法の
全面施行に向けた中小企業における取組の推進について」などを行う。参加無料。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22307.html
(「職場のハラスメント撲滅月間」ポスター)
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/000856721.pdf

●「高年齢者活躍企業コンテスト」を実施/厚労省・JEED

 厚生労働省は、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)と共催で、2022年度
「高年齢者活躍企業コンテスト」を実施する。応募対象は、高年齢者が65歳以上
になっても働ける制度を導入した企業。高年齢者が働きやすい職場環境づくりや、
新たな職場・職務の創出など、年齢にかかわりなく生涯現役でいきいきと働くことが
できる環境等にするための改善策や創意工夫事例を募集する。応募期間は、
11月26日から2022年3月31日まで。優れた事例は、2022年10月に表彰を行う。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22193.html

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【統計】
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●10月の完全失業率2.7%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査

 総務省は11月30日、2021年10月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.7%で、前月に比べ0.1ポイントの低下。
完全失業者数は183万人(前年同月比32万人減)で、4カ月連続の減少。
就業者数は6,659万人(同35万人減)で、2カ月連続の減少、
雇用者数は5,982万人(同16万人減)で、7カ月ぶりの減少。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●10月の新規求人、「製造業」は前年同月比約36%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は11月30日、「一般職業紹介状況」を公表した。2021年10月の有効求人倍率
(季節調整値)は1.15倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.08倍で、
同0.02ポイント低下。新規求人(原数値)は、前年同月比で8.7%増。産業別では、
製造業(35.9%増)、教育・学習支援業(12.8%増)、情報通信業(11.1%増)、
サービス業(他に分類されないもの)(10.3%増)などで増加。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22271.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000855851.pdf

●基調判断「生産は足踏みをしている」で据え置き/10月鉱工業指数

 経済産業省は11月30日、2021年10月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を
公表した。生産指数(季節調整値)は90.5で、前月比1.1%の上昇。業種別では、
自動車工業、生産用機械工業、汎用・業務用機械工業等が上昇し、無機・有機化学工業、
鉄鋼・非鉄金属工業、電子部品・デバイス工業等が低下した。出荷は同2.0%の上昇、
在庫は同0.8%の上昇、在庫率は横ばい。基調判断は「生産は足踏みをしている」で
据え置き。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202110sj.pdf

●基調判断「足踏みを示している」へ下方修正/9月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は11月25日、2021年9月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差2.6ポイント低下の88.7(速報値は87.5)。
基調判断は、景気動向指数(CI一致指数)は、前月の「改善を示している」から
「足踏みを示している」へ下方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202109rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

●建設労働需給、10月は1.0%の不足/国交省

 国土交通省は11月25日、「建設労働需給調査」(2021年10月調査)結果を公表した。
左官、配管工など8職種の全国過不足率は1.0%の不足、前月と比べ0.0ポイントと
不足幅が均衡。職種別では、全職種で不足となっており、型わく工(建築)の
不足率2.8%が最も大きい。東北地域は0.0%の均衡、前月と比べ0.0ポイントと
不足幅が均衡。8職種の今後の労働者の確保に関する見通し(12月及び1月)は、
全国及び東北地域とも「普通」としている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00066.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/common/001442540.pdf

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【労使】
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●院内保育所ではコロナ禍で時間外労働が増加/日本医労連調査

 病院内で働く医療従事者の子どもを預かる院内保育所では、コロナ禍の勤務により、
時間外労働が昨年より増加した。また、約7割の施設で、精神的負担があったと
回答している―日本医労連(佐々木悦子委員長、約15万1,000人)の「2020年度院内保育所
実態調査」結果から、延長保育などを含めた長時間労働に対応しながら、コロナ禍の
最前線で働く医療従事者を支える院内保育所の状況が明らかとなった。日本医労連は、
医療従事者が子育てをしながら安心して働くことができる環境整備に向けて、院内保育所の
必要性を強調するとともに、保育所職員の処遇改善を求めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20211201.html

●11月の業況DI、全業種において業況は改善/日商LOBO調査

 日本商工会議所は11月30日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を
発表した。11月の業況DI(全産業合計)はマイナス21.1で、前月比7.8ポイントの上昇。
全業種において業況は改善している。時短要請や活動制限の緩和で客足が戻りつつある
外食・観光関連のサービス業や、民間工事が持ち直しつつある建設業などで業況改善の
動きがみられるが、製造業、卸売業を中心に、半導体不足や部品供給制約による
生産活動への影響が続き、幅広い業種で、鉄鋼などの原材料費や原油価格を含む
資源価格の上昇などのコスト増加が続いている。こうしたことから、「中小企業の
景況感はコロナ禍からの回復に向けた動きがみられるものの、力強さを欠く」としている。
https://www.jcci.or.jp/news/2021/1130110000.html

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【動向】
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●居酒屋など飲食店の人手不足、緊急事態宣言解除で急上昇/民間調査

 帝国データバンクは11月25日、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を発表した。
アルバイトやパートなどの非正社員が不足している企業は25.1%。業種別に見ると、
10月から営業時間の制限が段階的に解除となっている居酒屋など「飲食店」(63.3%)が最多、
次いで「繊維・繊維製品・服飾品小売」(47.1%)、「旅館・ホテル」(35.9%)など。
個人消費関連の業種で非正社員の人手不足感が10月に大きく上昇した。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p211105.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p211105.pdf

●ミドル世代が考える自身の専門分野、トップは「マネジメント」/民間調査

 エン・ジャパンは11月25日、ミドル世代(35歳以上)を対象とした「仕事の専門力」
調査結果を発表した。「仕事の専門力を持つことは必要」との回答は83%。
自身の持つ専門分野について聞いたところ、「マネジメント」(45%)が最多、
次いで「業務管理」(39%)、「営業戦略・営業企画」(30%)など。専門分野の
知見を得た経緯は、全年代で9割以上が「本業での実務経験」と回答。自身の専門力の
代替可能性について、「代替は不可能だと思う」割合は11%にとどまった。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2021/27826.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ドイツ>
▽初期職業訓練の近代化―公認職種の更新と訓練内容の刷新

 若者向けの初期職業訓練(デュアルシステム)は近年、時代の変化に対応するため
公認職種の更新や、訓練内容の見直しが進んでいる。8月1日からは、全ての初期職業訓練に
共通して学ぶべき「標準職業プロフィール項目(Standardberufsbildposisionen)」が刷新され、
訓練内容に「デジタル化した労働環境」という新分野が加わった。8月1日に規定された
8つの公認職種から順次拘束的に適用され、それ以外の訓練に対しては「勧告」として
訓練計画に盛り込むことを促す。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2021/11/germany_01.html

●フォーカス/JILPT

<フランス>
▽新型コロナと若年層

 フランスの2021年度の新学期は新型コロナ(変種デルタ)の第4波のなかで始まった
(フランスの学期は9月に始まり6月末に終了)。医療関係者などに慎重論がある中、
マクロン政権は、一定の安全衛生基準やマスクの着用を義務化したものの、平常通りに
学校や大学を再開させた(もっとも、大学で授業が本格的に開始されるのは10月からとなる)。
9月の中旬からは新型コロナの流行は収まる傾向にあるので、今のところ学校の再開は
正解であるようにみえる。
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2021/11/france.html

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【イベント】
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●「2022春闘セミナー」/日本生産性本部

 日本生産性本部は2022年1月21日、「2022春闘セミナー~ウィズ・コロナにおける
今次労使交渉をめぐる課題と展望~」をオンラインで開催する。2022年春季労使交渉
に関して、主要産別のトップリーダーから春季労使交渉に臨む考え方や方針、交渉の
焦点を聞く。対象は労使幹部・人事労務実務担当者。参加費44,000円。
https://www.jpc-net.jp/seminar/detail/005550.html

●「働く人のチャイルドプランサポート事業」のご案内/東京都

 東京都は、「働く人のチャイルドプランサポート事業」として不妊治療・不育症治療
に関する基礎的な知識や、仕事との両立に必要な人事労務上のポイントなど、従業員が
働きながら治療をするための知識とノウハウを提供する研修を動画にて配信している。
受講料無料。申込期間は2022年1月21日まで、配信期間は1月31日まで。
https://www.c-kensyu.metro.tokyo.lg.jp/