メールマガジン労働情報 No.1608

■□――【メールマガジン労働情報/No.1608】

「引上げ額の目安を示すことは困難」/厚労省中央最低賃金審議会 ほか

―2020年7月29日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「引上げ額の目安を示すことは困難」/厚労省中央最低賃金審議会 ほか
【統計】全国のホームレス数は3,992人、前年比557人減/厚労省 ほか
【労使】多くの学校が休校中に家庭学習課題の配布を実施/全教調査
【動向】ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与/民間調査 ほか
【海外】男女賃金格差、前年より1ポイント改善/ドイツ ほか

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20200729.html

【JILPTからのお知らせ】

◇『日本労働研究雑誌』2020年8月号発売中!
 [特集]学び直し

 人生100年時代を見据え、国の施策として若者や高齢者、社会人などに焦点を
あて、様々な学び直しに関する支援策が打ち出されています。学び直しに関する
施策の変遷やその課題、リカレント教育がもたらす経済への影響や、世界を取り巻く
状況が変化していく中での日本の教育の課題などについて、諸外国の動向を踏まえ、
多角的な視点から論じます。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/08/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2020年8・9月号発売中!
 「新型コロナウイルスの働く人への影響」

 新型コロナウイルスの感染拡大が、雇用情勢の急激な悪化をもたらしています。
5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%で、前月より0.3ポイント上昇し、
5月の有効求人倍率(同)は前月を0.12ポイント下回る1.20倍となりました。
前者は3カ月連続の悪化で3年ぶりの水準、後者の下落も5カ月連続で、
4年10カ月ぶりの水準でした。当機構が実施した調査や労働組合等への取材
などから、働く人の仕事や生活にどのような影響が出ているのかを見ます。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2020/08_09/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2020年8・9月号を刊行!

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生アルバイト等への経済的支援策について、
労働政策の変遷を踏まえて総括したコラムをお届けします。そのほか、70歳までの就業機会
確保措置を企業の努力義務とする「高年齢者雇用安定法」等の改正に関する記事、日本における
賃金と雇用形態との関係についての解説を掲載しています。また、統計欄では、新型コロナ
ウイルス感染症の拡大が雇用・就業等に与える影響を示す指標を拡大収録しています。
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

☆東京労働大学講座特別講座 受講者募集中(会場開催・ライブ配信)!

テーマ:「新型コロナウイルスと労働政策の未来」
日時:2020年8月20日(木曜)15時~17時
講師:濱口 桂一郎(労働政策研究・研修機構研究所長)
受講方法:会場受講及びライブ配信受講
会場:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール3A
定員:会場受講 50名(先着順)、ライブ配信受講 1,000名(先着順)
受講料:5,000円(会場受講、配信受講いずれも同額)
https://www.jil.go.jp/kouza/tokubetsu/20200820/index.html

☆東京労働大学講座総合講座について

 開講を延期していた令和2年度の総合講座については、オンライン講座として、
9月から12月にかけて実施します。近く、受講生の募集を開始する予定です。
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

☆労働図書館の開館時間について(8月3日から)

 労働図書館の開館時間は8月3日から、通常通り9時30分~17時といたします。
https://www.jil.go.jp/lib/info/20200728/index.html

【新型コロナウイルス感染症関連情報】

☆『「家計調査報告(2020年5月分)」にみる新型コロナウイルス感染症の影響』
 経済社会と労働部門 統括研究員(兼)調査部統計解析担当部長 下島 敦(7月22日)

 JILPTでは、現在、「新型コロナウイルス感染症関連情報」として、「新型コロナが
雇用・就業・失業に与える影響」を継続的にみていくための諸統計指標を当機構の
ホームページに掲載し、関係者をはじめ一般国民の便宜に資するよう努めている。
去る7月7日に「家計調査報告(2020年5月分)」(総務省)が公表され、
当該ホームページにおいても関連図表の更新を行っているが、二人以上の世帯
のうち勤労者世帯の家計における「実収入」や「消費支出」に係る対前年同月
名目増減率の直近の動向は、明らかに新型コロナの影響を受けていると思われる
極端な動きを示している。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/pt/docs/200722pt-report.pdf

 JILPTでは、「新型コロナウイルス感染症関連情報」のホームページを開設し、
緊急コラムや新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響(国内統計、国際比較統計)、
国内及び諸外国の動向について掲載するとともに、政府や労使団体等が提供している
雇用・労働関連支援情報をご案内しています。
 日本の状況や対応を海外に発信するため、特設ページの英語版も開設しました。
順次、掲載情報を追加していく予定です。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html
(英語版)
https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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【JILPT研究成果情報】
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◇記者発表「新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果

 JILPTは16日、「新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」
(一次集計)結果を記者発表しました。感染症の影響により、「正社員・正規従業員」の
雇用調整を実施した企業割合は、2月の19.5%から5月に55.1%まで上昇しました。
5月の雇用調整の方法は、「残業の削減」(36.6%)、「所定労働時間の短縮」(20.0%)、
「一時休業(一時帰休)」(18.2%)などによるものであり、解雇、雇い止めの割合は
低い水準にとどまっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20200716.pdf

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【図書館だより/JILPT労働図書館】
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●労働図書館新着情報(2020年8・9月の図書紹介)

 JILPT労働図書館で受け入れた主な新着図書を、コメント付きで紹介します。
・野村 浩子著『女性リーダーが生まれるとき』 光文社
・菅野 和夫著『労働法の基軸』 有斐閣

・NHKスペシャル取材班著『ミッシングワーカーの衝撃』NHK出版
・今野 晴貴著『ストライキ2.0』 集英社
https://www.jil.go.jp/lib/tayori/2020/202008_09/index.html

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【行政】
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●「引上げ額の目安を示すことは困難」/厚労省中央最低賃金審議会

 厚生労働省は22日、「第57回中央最低賃金審議会」を開催し、今年度の地域別
最低賃金額改定の目安について答申を取りまとめた。答申のポイントは、「感染症
拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難
であり、現行水準を維持することが適当」とし、「地方最低賃金審議会において、
見解を十分に参酌しつつ、地域の経済・雇用の実態を見極め、地域間格差の縮小を求める
意見も勘案しつつ、適切な審議が行われることを希望」するとしている。1円以上の
有額の目安を示さなかったのは、2009年度以来であり、目安が時間額に統一された
2002年度以降5回目となる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12604.html
(小委員会報告)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000651882.pdf
(連合事務局長談話)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1111
(日商会頭コメント)
https://www.jcci.or.jp/news/2020/0722203600.html

●経済の基調判断、「感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」に上方修正/7月・月例経済報告

 政府は22日、7月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「景気は、新型
コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ
持ち直しの動きがみられる」と上方修正した。個別の判断では、雇用情勢は
「感染症の影響により、弱い動きとなっている」で据え置いたが、個人消費
「このところ持ち直している」、生産「総じてみれば、減少しているものの、
このところ一部に持ち直しの兆しもみられる」、輸出「下げ止まりつつある」、
業況判断「厳しさは残るものの、改善の動きがみられる」などで上方修正した。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/0722getsurei/main.pdf
(関係閣僚会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/07kaigi.pdf

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【統計】
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●全国のホームレス数は3,992人、前年比557人減/厚労省

 厚生労働省は22日、「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果」
を公表した。確認されたホームレス数は3,992人(男性3,688人、女性168人、
不明136人)で、前年と比べて563人(12.4%)減少。東京都23区及び指定都市で
全国のホームレス数の8割弱を占める。巡回での目視調査(2020年1月)により
255市区町村で確認された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12485.html
(調査結果別紙)
https://www.mhlw.go.jp/content/12003000/000649857.pdf

●要介護(要支援)認定者数668.6万人/5月介護保険事業状況報告

 厚生労働省は22日、「介護保険事業状況報告」(2020年5月暫定版)を公表した。
2020年5月末現在、要介護(要支援)認定者数は668.6万人で、うち男性211.1万人、
女性457.5万人。第1号被保険者(3,560万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は
約18.4%。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/dl/2005a.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/2005.html

●2020年7月の総人口、前年同月比30万人減/総務省人口推計

 総務省は20日、人口推計の2020年7月概算値及び2020年2月確定値を公表した。
20年7月1日現在の総人口(概算値)は1億2,596万人で、前年同月比30万人(0.24%)
の減少。20年2月1日現在の総人口(確定値)は1億2,600万4,000人で、同30万5,000人
(0.24%)の減少。年齢階層別では、65歳以上人口が同31万1,000人(0.87%)増加し、
他の階層は減少。
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

●基調判断「悪化を示している」で据え置き/5月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は27日、2020年5月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差6.7ポイント低下の73.4(速報値は74.6)。
基調判断は、景気動向指数(CI一致指数)は、「悪化を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/revision.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

●建設労働需給、5月は0.1%の不足、6月は0.5%の不足/国交省

 国土交通省は27日、「建設労働需給調査」(2020年6月調査)結果を公表した。
左官、配管工など8職種の全国過不足率は、5月は0.1%の不足、6月は0.5%の不足。
職種別では、鉄筋工(建築)以外の職種で不足となっており、型わく工(建築)の
不足率1.7%が最も大きい。全国における8職種の今後の労働者の確保に関する
見通しは「普通」としている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo14_hh_000919.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/common/001355432.pdf

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【労使】
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●多くの学校が休校中に家庭学習課題の配布を実施/全教調査

 9割以上の学校が休校中に家庭学習課題の配付を行っていた一方、オンライン
学習の実施は半数以下にとどまった――。全日本教職員組合(全教、小畑雅子委員長、
約6万3,000人)の「新型コロナ感染拡大にともなう子どもと学校実態調査アンケート」で、
こうした感染拡大が子どもたちと学校・教職員へ与える影響が明らかになった。
集計されたデータからは、新型コロナウイルスの影響で遅れた学習の回復や開校後の
感染拡大防止に向けた学校の取り組みの状況がうかがえる。全教は3密を防ぐための
少人数学級の実現や、教職員への感染拡大防止に向けた対策を求めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20200729.html

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【動向】
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●ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与/民間調査

 NTTデータ経営研究所、JTB、日本航空は27日、新しい仕事のスタイルである
「ワーケーション」(リゾート地など普段の職場とは異なる場所で働く仕組み)
の効果検証実験結果を発表した。ワーケーションを経験することで、(1)仕事と
プライベートの切り分けが促進される、(2)情動的な組織コミットメント(所属意識)
を向上させる、(3)実施中に仕事のパフォーマンスが参加前と比べて20%程度
上がるだけでなく、終了後も5日間は効果が持続するなど、生産性・心身の健康に
ポジティブな効果があることが分かったとしている。
(NTTデータ経営研究所)
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200727.html
(JTB)
https://press.jtbcorp.jp/jp/2020/07/ワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施.html
(日本航空)
https://press.jal.co.jp/ja/release/202007/005694.html

●新型コロナウイルス感染症が働く人の意識に及ぼす影響の継続調査結果を発表/民間調査

 日本生産性本部は21日、「新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に
及ぼす影響の継続調査」(第2回「働く人の意識調査」)結果を発表した。
ワークシェアリングについて、「給与を減らしてでも、雇用を維持するべきだ」
(是認・40.5%)、「給与は減らさず、雇用を削減するべきだ」(否認・19.5%)。
また、テレワークの実施率は前回(5月)調査の31.5%から20.2%へと減少し、
オフィスへの回帰が進行している。
https://www.jpc-net.jp/research/detail/004518.html
(調査結果レポート)
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/attachment1_20200721.pdf

●非正規就労者で「70歳を超えても現在の職場で継続して働きたい」人は20%超/民間調査

 マイナビは28日、40代~70代を対象とした「ミドルシニア/シニア層の
非正規雇用就労者実態調査」結果を発表した。キャリアとして就労を希望する
年齢を聞いたところ、「70歳まで働きたい」(25.1%)、「70歳を超えても働きたい」
(23.4%)。就労の目的は、「自分の生活費のため」(53.4%)が最多。年代別では、
40代は「貯金」(46.0%)など将来の備えのため、60代以降では「健康維持」
「人との交流・出会い」「充実感ややりがい」等、お金以外の項目が高くなる
傾向が見られたとしている。
https://www.mynavi.jp/news/2020/07/post_24019.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ドイツ>
▽男女賃金格差、前年より1ポイント改善

 3月に発表された連邦統計局の資料によると、昨年(2019年)の男女賃金格差は20%で、
前年より1ポイント改善した。最新の調査(VSE)をもとに算出したもので、男性の
1時間当たりの平均賃金が22.16ユーロであったのに対して、女性は同17.72ユーロと、
4.44ユーロ(前年は4.51ユーロ)少なかった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2020/07/germany_02.html

<フランス>
▽職場でのウイルス感染拡大防止のための実施要領と企業の対応

 フランスでは、新型コロナウイルス感染拡大の対策として、3月17日から全土で
移動制限の措置が実施されていたが、感染の状況に好転の兆しが見えてきたため、
5月11日から段階的に解除していくことになった。経済活動の本格的再開に先立って
労働省は、職場において労働者の安全を確保するため事業主がすべき対策について
まとめた実施要領を公表した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2020/07/france_01.html

▽破棄院、ウーバーと運転手の間に雇用関係を認める判決

 スマートフォンのアプリを用いた配車サービスを提供するウーバー社とその元運転手
の間で雇用関係を争う裁判の破棄院(最高裁)判決が、2020年3月4日に下された。
雇用関係にはないと主張するウーバーに対して、運転手は独立自営労働者とみなす
ことはできず、雇用労働者であると認める判決だった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2020/07/france_02.html