タイトル:労働者派遣事業等に係る苦情相談結果集計報告

     ─平成10年度労働者派遣事業適正運営推進月間における労働者派遣

     事業、労働者募集広告、有料職業紹介事業等に係る苦情・相談について─

発  表:平成10年11月27日

担  当:職業安定局民間需給調整事業室

                 電 話 03-3593-1211(内線5747)

                     03-3502-6479(夜間直通)



T 概況





 労働者派遣事業、労働者募集広告、有料職業紹介事業等に係る苦情・相談につい

ては、7月の労働者派遣事業適正運営推進月間に、全都道府県において苦情相談窓

口を設置している。本年は、7月1日から31日までの間、403件の苦情及び相

談がこの苦情相談窓口に寄せられた。

 その内訳は、労働者派遣事業に関するもの285件、労働者募集広告に関するも

の33件、有料職業紹介事業に関するもの24件、その他61件であった。

〔苦情及び相談件数〕  
  合 計 労働者派遣
事業関係
労働者募集
広告関係
有料職業紹
介事業関係
その他
10年度件数 403件 285件 33件 24件 61件
9年度件数 408件 289件 29件 17件 73件








U 苦情・相談の内容







1 労働者派遣事業に関するもの


 (1) 労働者派遣事業に係る苦情・相談の内容及び件数は、次表のとおりであ

    る。
苦情・相談の内容 10年度
件数
9年度
件数
@派遣の適用対象業務外の作業 38 39
A解雇(労働者派遣契約の解除を含む。) 33 32
B賃金関係 16 18
C就業条件の明示 14 17
D労働・社会保険 12 11
E労働時間
Fその他 185 183


 (注) 1件の苦情・相談で複数の項目にわたるものがあるので、各項目の件数

    の合計と苦情・相談の件数は一致しない。


 (2) 苦情・相談の内容項目別具体例

     @ 派遣の適用対象業務外の作業

       ・ 派遣元事業所から「事務用機器操作の業務」以外に電話の応対等

        の業務も行うように言われた。

       ・ 「ファイリングの業務」で派遣されているが、専らコピー取りや

        雑用の仕事を命じられた。

     A 解雇(労働者派遣契約の解除を含む。)

       ・ 6月末までの契約であるにも関わらず、4日間働いただけで契約

        を解除された。

       ・ 突然、派遣契約を解除され就業できなくなったが、派遣元事業所

        できちんとした対応をしてくれない。

     B 賃金関係

       ・ 派遣元事業所から「今日で辞めてもらう」と言われ、解雇された

        が、解雇予告手当を支払ってもらえない。

       ・ 派遣後2週間で退職したが、派遣先から派遣料金をもらっていな

        いとの理由から賃金が未だに支払われていない。

     C 就業条件の明示

       ・ 派遣先を紹介されたが、就業条件は口頭で説明されたのみであり

        、きちんと明示されていない。

     D 労働・社会保険

       ・ 派遣会社を退職し、派遣元事業所に離職票の交付を申し出たが、

        対応してくれず雇用保険を受給できない。

       ・ 派遣元事業主に労働・社会保険の加入を申し出ているが、手続き

        をしてくれない。

     E 労働時間関係

       ・ 10日の有給休暇があるはずであるが、有給休暇の取得を申し出

        た際に、有給休暇は取得できないと言われた。

     F その他

       ・ 派遣元事業所が、派遣先に対して派遣労働者の履歴書を渡してい

        る。

       ・ 派遣先事業所から、さらに他の派遣先に派遣された。

       ・ 形の上では請負になっているが、実際は労働者派遣となっている

        。

       ・ 派遣先の正社員が利用できる施設を利用することができない。

       ・ 登録したが、いつまで経っても派遣先を紹介してくれない。

       ・ 派遣先での業務の指示者との人間関係に問題がある。







  (3) 労働者派遣事業に関する苦情・相談の相談対象者別件数は次表のとおり

     である。
  合 計 労働者 派遣元 派遣先
10年度苦情・相談件数 285件 115件 142件 28件
9年度苦情・相談件数 289件 113件 145件 31件






2 労働者募集広告に関するもの



 (1) 労働者募集広告に係る苦情・相談の内容別件数は、次表のとおりであ

    る。
苦情・相談の内容 10年度
件数
9年度
件数
労働条件の相違 17 14
その他 16 15
合計 33 29




 (2) 労働者募集広告に関する苦情・相談内容のうち、比較的多かったのは、

    昨年と同様、労働者募集広告に示された労働条件と実際の労働条件が異な

    るというものである。

     「その他」としては、求人広告に掲載されている内容が不明確である等

    の苦情・相談である。



 (3) 苦情・相談に係る募集媒体の内訳としては、就職情報誌18件、チラ

    シ(新聞折り込み、街頭配布等)8件、新聞求人広告7件となっている。







3 有料職業紹介事業に関するもの



 (1) 有料職業紹介事業に係る苦情相談の内容別件数は、次表のとおりである

    。
苦情・相談の内容 10年度
件数
9年度
件数
労働条件の明示 14 10
その他 10
合計 24 17




 (2) 有料職業紹介事業に関する苦情・相談内容のうち、比較的多かったのは

    、昨年と同様、給与等について紹介を受ける際に提示された労働条件と実

    際の労働条件が異なるというものである。「その他」としては、求職者の

    紹介を依頼したが、全く紹介してもらえない等の苦情・相談がみられた。







4 その他



 その他、上記の1〜3に該当しない苦情・相談が61件あった。具体的には、一

般の労働者の解雇や賃金不払いに関するものが多かった。

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