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(別紙) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法 律等の一部を改正する法律案要綱
* 原文は縦書き
第一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関す る法律の一部改正 一 業務の範囲 (一) 何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行って はならないものとすること。(第四条第一項関係) イ 港湾運送業務(港湾労働法第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同 条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業 務として政令で定める業務をいう。) ロ 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破 壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。) ハ 警備業法第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確 保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させること が適当でないと認められる業務として政令で定める業務 (二) 労働大臣は、(一)のハの政令の制定又は改正の立案をしようとするとき は、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものと すること。(第四条第二項関係) 二 許可等の手続の簡素化等 (一) 一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記 載事項の簡素化 一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記 載事項のうち事業対象業務の種類については、記載を要しないものとするこ と。(第五条第二項及び第十六条第一項関係) (二) 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由の追加 次に掲げる者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の 欠格事由として追加するものとすること。(第六条関係及び第十七条関係) イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、又は刑法 の傷害等の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり 、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 ロ 健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働 保険の保険料の徴収等に関する法律又は雇用保険法の一定の規定により罰金 の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日 から起算して五年を経過しない者 (三) 一般労働者派遣事業の許可の基準の見直し 一般労働者派遣事業の許可の基準のうち、労働力の需給の適正な調整の促 進のために必要かつ適切であることについて、専ら労働者派遣の役務を特定 の者に提供することを目的として行われるもの(雇用の機会の確保が特に困 難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認め られる場合として労働省令で定める場合において行われるものを除く。)で ないことに限定するものとすること。(第七条第一項関係) (四) 労働者派遣事業に係る変更の手続の簡素化 派遣元事業主が事業所の所在地を変更しようとするときは、遅滞なく、そ の旨を労働大臣に届け出るものとし、労働大臣の許可を受けること又はあら かじめ労働大臣に届け出ることを要しないものとすること。(第十一条第一 項及び第十九条第一項関係) 三 秘密の保持 派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場 合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らして はならないものとすること。派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業 者でなくなった後においても、同様とするものとすること。(第二十四条の三 関係) 四 労働者派遣の期間等 (一) (三)に抵触することとなる最初の日の通知 (三)のイ、ロ及びハの業務以外の業務について派遣元事業主から新たな 労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、当 該労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、当該派遣元事業主に対 し、当該労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について(三 )に抵触することとなる最初の日を通知しなければならないものとすること 。(第二十六条第五項関係) (二) 労働者派遣の期間 派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供 を受けたならば(三)に抵触することとなる場合には、当該抵触することと なる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならないものとすること。 (第三十五条の二関係) (三) 労働者派遣の役務の提供を受ける期間 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務( 次に掲げる業務を除く。六において同じ。)について、派遣元事業主から一 年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものと すること。(第四十条の二第一項関係) イ 次の(イ)又は(ロ)に該当する業務であって、当該業務に係る労働者派 遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用 の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして 政令で定める業務 (イ) その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は 経験を必要とする業務 (ロ) その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊 性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務 ロ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間 内に完了することが予定されているもの ハ 派遣先に雇用される労働者が産前産後休業及び育児休業をする場合におけ る当該労働者の業務その他これに準ずる場合として労働省令で定める場合に おける当該労働者の業務 (四) 労働大臣は、(三)のイの政令の制定若しくは改正の立案をし、又は(三 )のハの労働省令の制定若しくは改正をしようとするときは、あらかじめ、 中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第四 十条の二第二項関係) (五) 公表等 労働大臣は、(三)に違反している者に対し、指導又は助言をした場合に おいて、その者がなお(三)に違反しており、又は違反するおそれがあると 認めるときは、当該者に対し、(三)に違反する派遣就業を是正するために 必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置を とるべきことを勧告することができるものとし、これに従わなかったときは 、その旨を公表することができるものとすること。(第四十九条の二関係) 五 適正な派遣就業の確保等 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣就業 が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所、給 食施設等の施設であって現に当該派遣先に雇用される労働者が通常利用している ものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように努めなければならな いものとすること。(第四十条第二項関係) 六 派遣労働者の雇用 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務につい て派遣元事業主から継続して一年間労働者派遣の役務の提供を受けた場合におい て、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該一年間が経過した 日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に継続して一年間従 事した派遣労働者であって次のいずれにも適合するものを、遅滞なく、雇い入れ るように努めなければならないものとすること。(第四十条の三関係) (一) 当該一年間が経過した日の前日までに、当該派遣先に雇用されて当該同一 の業務に従事することを希望する旨を当該派遣先に申し出たこと。 (二) 当該一年間が経過した日から起算して七日以内に当該派遣元事業主との雇 用関係が終了したこと。 七 派遣労働者の就業条件の確保のための措置 (一) 労働大臣に対する申告 イ 労働者派遣をする事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者がこの法 律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、派遣 労働者は、その事実を労働大臣に申告することができるものとすること。( 第四十九条の三第一項関係) ロ 労働者派遣をする事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者は、イの 申告をしたことを理由として、派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱 いを してはならないものとすること。(第四十九条の三第二項関係) (二) 相談及び援助 公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応 じ、及び必要な助言その他の援助を行うことができるものとすること。(第 五十二条関係) (三) 労働者派遣事業適正運営協力員 イ 労働大臣は、社会的信望があり、かつ、労働者派遣事業の運営及び派遣労 働者の就業について専門的な知識経験を有する者のうちから、労働者派遣事 業適正運営協力員を委嘱することができるものとすること。(第五十三条第 一項関係) ロ 労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣事業の適正な運営及び適正 な派遣就業の確保に関する施策に協力して、労働者派遣をする事業主、労働 者派遣の役務の提供を受ける者、労働者等の相談に応じ、及びこれらの者に 対する専門的な助言を行うものとすること。(第五十三条第二項関係) ハ 労働者派遣事業適正運営協力員は、正当な理由がある場合でなければ、そ の職務に関して知り得た秘密を他に漏らしてはならないものとすること。労 働者派遣事業適正運営協力員でなくなった後においても、同様とするものと すること。(第五十三条第三項関係) ニ 労働者派遣事業適正運営協力員は、その職務に関して、国から報酬を受け ないものとするとともに、予算の範囲内において、その職務を遂行するため に要する費用の支給を受けることができるものとすること。(第五十三条第 四項及び第五項関係) 八 罰則等 七(一)ロに違反した者に対し所要の罰則を科す等罰則その他所要の規定の整 備を行うものとすること。 九 業務の範囲に係る経過措置 (一) 何人も、第一の一の(一)に規定するほか、物の製造の業務(物の溶融、 鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に 係る業務をいう。)であって、その業務に従事する労働者の就業の実情並び に当該業務に係る派遣労働者の就業条件の確保及び労働力の需給の適正な調 整に与える影響を勘案して労働省令で定めるものについては、当分の間、労 働者派遣事業を行ってはならないものとすること。(附則第四項関係) (二) 労働大臣は、(一)の労働省令の制定又は改正をしようとするときは、あ らかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとするこ と。(附則第五項関係) 第二 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正 一 高年齢者に係る労働者派遣事業の特例を廃止するものとすること。(第十一条 の三及び第十一条の四関係) 二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。 第三 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一 部改正 一 育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例を廃止するも のとすること。(第四十六条の二及び第四十六条の三関係) 二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。 第四 施行期日等 一 この法律は、平成十一年七月一日から施行するものとすること。ただし、組織 的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の施行の日が平成十一年七月 一日後となる場合には、二の一部については、同法の施行の日から施行するもの とすること。(附則第一条関係) 二 この法律の施行に関し必要となる経過措置等を定めるとともに関係法律の規定 の整備を行うものとすること。(附則第二条から第八条まで、第十条及び第十一 関条係) 三 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正 後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関 する法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定につい て検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。(附則 第九条関係)