タイトル:「派遣労働者数は約72万人、年間売上高は引き続き増加傾向」

        〜労働者派遣事業の平成8年度事業報告の集計結果について〜





発  表:平成10年2月16日

担  当:職業安定局民間需給調整事業室

              電 話 03-3593-1211(内線5744)

                  03-3502-6479(夜間直通)









 労働者派遣事業の事業運営状況については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及

び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に基づき、各派遣元事業所から当該事

業所の事業年度毎に労働者派遣事業報告書が労働大臣に提出されているところである。

このたび、平成8年度中(平成9年3月末日まで)に事業年度が終了した派遣元事業所

(一般労働者派遣事業2,354事業所、特定労働者派遣事業7,165事業所)の事業運営状況

について取りまとめたので、その概要を公表する。


 [概  要]


  1 派遣労働者数(※) ・・・ 約72万人(対前年度比18.3%増)

    ・平成5年度に昭和61年の法施行以来初めて対前年度比減(12.1%減)となっ

     たが、平成6年度以降再び対前年度比増に転じており、今回初めて70万人

     を超えた。

  (1)一般労働者派遣事業・・・常用雇用労働者    82,886人(対前年度比13.4%増)

                登  録  者    572,421人(  同  22.0%増)

          (常用雇用以外の労働者(常用換算)146,703人(  同  30.7%増))

  (2)特定労働者派遣事業・・・常用雇用労働者    68,941人(  同   1.0%減)


  2 派遣先件数 ・・・ 221,885件(対前年度比22.0%増)     ・前年度に続いて対前年度比増となり、初めて20万件を超えた。   (1)一般労働者派遣事業・・・198,197件(対前年度比24.8%増)   (2)特定労働者派遣事業・・・ 23,688件(  同   3.0%増)
  3 年間売上高 ・・・ 総額1兆1,827億円(対前年度比16.3%増)     ・平成4年度以降は対前年度比減となっていたが、平成7年度以降増加に転じ      ている。
  4 派遣料金(8時間換算)   (1)一般労働者派遣事業・・・28,135円(通訳・翻訳・速記)〜12,114円(建築物清掃)   (2)特定労働者派遣事業・・・28,530円(ソフトウェア開発)〜10,696円(建築物清掃)     ・平成7年度と比較すると、一般労働者派遣事業では、放送機器等操作(10.2%)      で上昇している。また、特定労働者派遣事業では、添乗(5.0%)、取引文書      作成(4.9%)、デモンストレーション(4.7%)で上昇している。

(※) 「派遣労働者数」は、ここでは一般労働者派遣事業における登録者数及び常用雇   用労働者数並びに特定労働者派遣事業における派遣労働者数の合計とした。 (注1) 一般労働者派遣事業とは、特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業(主と     して、登録型の労働者を派遣する事業)であり、許可制となっている。 (注2) 特定労働者派遣事業とは、その事業の派遣労働者が常用雇用労働者のみであ     る労働者派遣事業であり、届出制となっている。  1 集計事業所数   平成8年度中に事業年度が終了し報告書を提出した派遣元事業所数は、一般労働者  派遣事業は2,354事業所(うち派遣実績のあった事業所が2,228所)、特定労働者派遣  事業は7,165事業所(うち派遣実績のあった事業所が4,356所)、全体では9,519事業  所(うち派遣実績のあった事業所が6,584所)となり、平成7年度に引き続き対前年  度比増となった。平成7年度と比較すると、一般労働者派遣事業で11.8%、特定労働  者派遣事業で3.6%それぞれ増加している(表1)。  2 派遣労働者数等   (1) 実際に派遣された派遣労働者の数は、一般労働者派遣事業では、常用雇用労    働者が82,886人(派遣実績のあった1派遣元事業所当たり37.2人)、常用雇用以    外の労働者が常用換算(常用雇用以外の労働者の年間総労働時間数の合計を常用    雇用労働者の1人当たりの年間総労働時間数で割ったもの。)で146,703人(派    遣実績のあった1派遣元事業所当たり65.8人)であり、平成7年度と比較すると、    常用雇用労働者で13.4%、常用雇用以外の労働者で30.7%の対前年度比増となっ    ている。また、登録者は572,421人(報告のあった1派遣元事業所当たり243.2     人)で、対前年度比22.0%増となっている。     一方、特定労働者派遣事業では、常用雇用労働者が68,941人(派遣実績のあっ    た1派遣元事業所当たり15.8人)で対前年度比1.0%減となっている。     なお、1派遣元事業所当たりの数を平成7年度と比較すると、一般労働者派遣    事業における常用雇用労働者は36.2人から37.2人へと2.8%増、常用雇用以外の    労働者は55.6人から65.8人へと18.3%増となっており、登録者は223.0人から24    3.2人へと9.1%増加している。また、特定労働者派遣事業における常用雇用労働    者では16.2人から15.8人と0.4%減となっている。   (2) 適用対象業務の種類別にみると、一般労働者派遣事業においては、常用雇用    労働者では事務用機器操作、財務処理、ファイリングの順、常用雇用以外の労働    者では事務用機器操作、財務処理、取引文書作成の順、登録者では事務用機器操    作、ファイリング、取引文書作成の順でそれぞれ多くなっている。また、特定労    働者派遣事業においては、ソフトウェア開発、事務用機器操作、機械設計の順で    多くなっている(表3)。  3 派遣先件数   (1) 労働者派遣の役務の提供を受けた者の数(派遣先件数)は、一般労働者派遣    事業については198,197件(派遣実績のあった1派遣元事業所当たり89.0件)で    あり、対前年度比24.8%増となっている。また、特定労働者派遣事業については    23,688件(派遣実績のあった1派遣元事業所当たり5.4件)と対前年度比3.0%増    となっている。この結果、全体としては221,885件と対前年度比22.0%増となっ    ている。     なお、1派遣元事業所当たりの数を平成7年度と比較すると、一般労働者派遣    事業については78.7件から89.0件へと13.1%増、特定労働者派遣事業については    5.4件で変わっていない。   (2) 適用対象業務の種類別にみると、一般労働者派遣事業では、事務用機器操作    (82,083件)、財務処理(23,194件)、取引文書作成(22,208件)の順で多く、また、    特定労働者派遣事業では、ソフトウェア開発(7,071件)、事務用機器操作(6,542    件)、機械設計(4,535件)の順で多くなっている。  4 売上高の状況   (1) 労働者派遣事業の売上高は、一般労働者派遣事業では7,751億円(派遣実績の    あった1派遣元事業所当たり3億4,789万円)、特定労働者派遣事業では4,076億    円(派遣実績のあった1派遣元事業所当たり9,358万円)の合計1兆1,827億円と    なっている。   (2) 売上高を平成7年度と比較すると、全体で16.3%増と昨年度に引き続き増加    した。また、一般労働者派遣事業については、対前年度比23.6%増と大きく増加    している。特定労働者派遣事業については、対前年度比4.4%増と昨年度に引き    続き増加となった。     1派遣元事業所当たりでは、一般労働者派遣事業では12.0%増で昨年度に引き    続き増加した。特定労働者派遣事業では2.8%増と5年ぶりの増加となった      (表5)。   (3) 売上高ランク別では、一般労働者派遣事業については、売上高1億円以上の    事業所が半数以上を占め、特定労働者派遣事業については、売上高1億円以上の    事業所は約2割であり、1,000万円以上5,000万円未満の事業所が4割となってい    る。  5 海外派遣の状況    海外派遣を行った派遣元事業所は30事業所であり、海外派遣された派遣労働者   は47人となっている(表7)。  6 派遣料金(8時間換算額)   (1) 一般労働者派遣事業の派遣料金は、通訳・翻訳・速記が28,135円で最も高く、    次いで放送機器等操作(23,908円)、OAインストラクション(23,377円)、ソフト    ウェア開発(22,822円)、放送番組等演出(21,359円)の順で高くなっている。平成    7年度と比較して3%以上上昇したのは、放送機器等操作(10.2%)、建築設備    運転、点検、整備(3.2%)、逆に3%以上低下したのは、放送番組等演出(4.2%    減)となっている。   (2) 特定労働者派遣事業の派遣料金は、ソフトウェア開発が28,530円で最も高く、    次いで通訳・翻訳・速記(25,493円)、機械設計(25,211円)、デモンストレーショ    ン(24,991円)の順で高くなっている。平成7年度と比較して3%以上上昇したの    は、添乗(5.0%)、取引文書作成(4.9%)、デモンストレーション(4.7%)、ソフ    トウェア開発(3.8%)、逆に3%以上低下したのは、建築設備運転、点検、整備    (6.5%減)、財務処理(4.0%減)となっている。  7 地域ブロック別の状況   (1) 実際に派遣された派遣労働者の数は、一般労働者派遣事業においては、常用    雇用労働者で南関東48.4%、近畿16.9%、東海8.5%の順、常用雇用以外の労働    者で南関東52.3%、近畿19.1%、東海7.7%の順、特定労働者派遣事業において    は、南関東51.5%、東海12.4%、近畿11.1%の順で多く、いずれも南関東が半数    近くを占めている(表2)。   (2) 派遣先件数では、一般労働者派遣事業においては、南関東50.5%、近畿18.8    %、東海8.6%の順、特定労働者派遣事業においては、南関東52.4%、近畿12.3    %、東海9.9%の順で多く、いずれも南関東が半数以上を占めている(表4)。   (3) 売上高では、一般労働者派遣事業においては、南関東57.1%、近畿17.6%、    東海7.6%の順、特定労働者派遣事業においては、南関東54.6%、東海13.0%、    近畿10.4%の順で多く、いずれも南関東が5割以上を占めている(表6)。 (参考)適用対象業務(平成2年政令第267号より抜粋)



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