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(別 紙)

雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案要綱



第1 雇用保険法の改正

 1 目的の改正

 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進するため、失業等給付を行うものとすること。(雇用保険法第1条関係)


 2 高年齢求職者給付金の改正

(1) 高年齢求職者給付金の額の改正

 高年齢求職者給付金の額を、被保険者であった期間に応じて次の表に定める日数分の基本手当の額に相当する額とするものとすること。(雇用保険法第37条の4関係)

(短時間労働被保険者以外の被保険者)
被保険者であった期間 高年齢求職者給付金の額
5年以上
1年以上5年未満
1年未満
75日分(150日分)
60日分(120日分)
30日分 (50日分)

(短時間労働被保険者)
被保険者であった期間 高年齢求職者給付金の額
1年以上 50日分(100日分)
1年未満 30日分 (50日分)
(注) ( )内は現行

(2) 高年齢求職者給付金に要する費用に係る国庫負担の廃止

 高年齢求職者給付金に要する費用に係る国庫負担は、平成10年度から廃止するものとすること。(雇用保険法第66条関係)


 3 教育訓練給付制度の創設

 被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下「一般被保険者」という。)又は一般被保険者であった者(教育訓練を開始した日が直前の一般被保険者でなくなった日から労働省令で定める期間内にあるものに限る。)が、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合に、当該教育訓練を開始した日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者(高年齢継続被保険者を除く。以下3において同じ。)として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に被保険者であったことがある者については、次の(1)及び(2)の期間を除いて当該雇用された期間と当該被保険者であった期間を通算した期間)が5年以上であるときに、当該教育訓練の受講のために支払った費用(労働省令で定める範囲内のものに限る。)の額に100分の80を乗じて得た額(その額が労働省令で定める額を超えるときは、その定める額)の教育訓練給付金を支給するものとすること。
 ただし、教育訓練給付金の額として算定された額が労働省令で定める額を超えないときは、教育訓練給付金は支給しないものとすること。(雇用保険法第60条の2関係)


(1)当該教育訓練を開始した日まで被保険者として雇用された期間又は当該被保険者であった期間に係る被保険者となった日の直前の被保険者でなくなった日が当該被保険者となった日前1年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなった日前の被保険者であった期間

(2)当該教育訓練を開始した日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該給付金に係る教育訓練を開始した日前の被保険者であった期間


 4 介護休業給付制度の創設

 一般被保険者が、労働省令で定めるところにより、その配偶者、父母及び子等並びに配偶者の父母(以下「対象家族」という。)を介護するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間(当該休業を開始した日又は各月においてその日に応当し、かつ、被保険者である期間内にある日(以下「休業開始応当日」という。)の各前日から各前月の休業開始応当日までさかのぼった各期間のうち賃金の支払の基礎となった日数が11日以上であるもの)が通算して12箇月以上であったときに、当該休業の期間(当該対象家族を介護するための休業を開始した日から起算して3月を経過する日までの期間に限る。)内において、支給単位期間(当該休業を開始した日又は休業開始応当日から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月にあっては、休業を終了した日)までの各期間)について、当該被保険者が当該休業を開始した日に離職して受給資格者となったものとみなしたときに算定されることとなる賃金日額(以下「休業開始時賃金日額」という。)に30を乗じて得た額の100分の25に相当する額の介護休業給付金を支給するものとすること。
 ただし、支給単位期間において当該被保険者に事業主から賃金が支払われた場合において、当該賃金の額と支給単位期間における支給額との合計額が休業開始時賃金日額に30を乗じて得た額の100分の80に相当する額を超えるときは、その超える額を支給額から減じて得た額を支給するものとし、その超える額が支給額を超えるときは、支給しないものとすること。
 また、被保険者が対象家族を介護するための休業について介護休業給付金の支給を受けたことがある場合において当該被保険者が当該休業を開始した日から起算して3月を経過する日後に当該対象家族を介護するための休業をしたときは、介護休業給付金は、支給しないものとすること。(雇用保険法第61条の7関係)


 5 国庫負担に関する改正

 失業等給付に要する費用に係る国庫の負担額は、平成10年度以後当分の間については、現在国庫が負担することとされている額の7割に相当する額とするものとすること。(雇用保険法附則第23条関係)


 6 その他

 その他所要の規定の整備を行うものとすること。


第2 船員保険法の一部改正

 1 保険給付の内容の改正

 船員保険法は、職業に関する教育訓練の受講に関しても保険給付を行うものとすること。(船員保険法第1条関係)


 2 失業保険金の所定給付日数等の改善

(1)失業保険金の所定給付日数の改善

 失業保険金の所定給付日数を、その支給を受けることができる者の離職の日の年齢及び算定基礎期間に応じて、次の表に定めるとおりとするものとすること。(船員保険法第33条ノ12関係)

    算定基礎期間
年齢等
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日
(90日)
90日
(90日)
150日
(120日)
───
30歳以上
45歳未満
90日
(90日)
150日
(150日)
180日
(180日)
180日
45歳以上
60歳未満
180日
(180日)
200日
(200日)
240日
(240日)
270日
就職困難者 45歳未満 240日
(240日)
45歳以上
60歳未満
270日
(240日)
(注)( )内は現行

(2) 特例個別延長給付の支給日数の改善

 特例個別延長給付の支給日数を次の表に定めるとおりとするものとすること。(船員保険法第33条ノ12ノ3関係)

    算定基礎期間
年齢
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
30歳未満 60日
(30日)
60日
(30日)
(注)( )内は現行

(3) 再就職手当の改善

 再就職手当の額を定める範囲の上限を失業保険金の日額の70日から90日に引き上げる。(船員保険法第33条ノ15ノ2関係)


 3 高齢求職者給付金の額の改正

 高齢求職者給付金の額を、算定基礎期間に応じて次の表に定める日数分の失業保険金の額に相当する額とするものとすること。(船員保険法第33条ノ16ノ3関係)

算定基礎期間高齢求職者給付金の額
5年以上
1年以上5年未満
1年未満
60日分(120日分)
50日分(100日分)
30日分(50日分)
(注) ( )内は現行


 4 教育訓練給付制度の創設

 被保険者又は被保険者であった者(教育訓練を開始した日が直前の被保険者でなくなった日から厚生省令で定める期間内にあるものに限る。)が、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として社会保険庁長官が指定する教育訓練を受け、修了した場合に、当該教育訓練の受講に係る費用(厚生省令で定める範囲内のものに限る。)の額に100分の80を乗じて得た額(その額が厚生省令で定める額を超えるときは、その定める額)の教育訓練給付金を支給するものとすること。
 ただし、当該被保険者又は被保険者であった者が当該教育訓練を開始した日以前において、次の(1)及び(2)の期間を除いて通算した被保険者であった期間が5年に満たないときは、教育訓練給付金は支給しないものとすること。(船員保険法第33条ノ16ノ4関係)

(1) 当該教育訓練を開始した日まで被保険者として使用された期間又は直前の被保険者であった期間に係る被保険者となった日の直前の被保険者でなくなった日が当該被保険者となった日前1年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなった日前の被保険者であった期間

(2) 当該教育訓練を開始した日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該教育訓練給付金に係る教育訓練を開始した日前の被保険者であった期間


 5 介護休業給付制度の創設

 被保険者が、厚生省令で定めるところにより、その配偶者、父母及び子等並びに配偶者の父母(以下「対象家族」という。)を介護するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間(当該休業を開始した日又は各月においてその日に応当する日(以下「休業開始応当日」という。)の各前日から各前月の休業開始応当日までさかのぼった各期間)が通算して12月以上であったときに、当該休業の期間(当該対象家族を介護するための休業を開始した日から起算して3月を経過する日までの期間に限る。)内において、支給単位期間(当該休業を開始した日又は休業開始応当日から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月にあっては、休業を終了した日)までの各期間)について、当該被保険者が当該休業を開始した日に離職して受給資格者となったものとみなしたときに算定されることとなる給付基礎日額(以下「休業開始時給付基礎日額」という。)に30を乗じて得た額の100分の25に相当する額の介護休業給付金を支給するものとすること。
 ただし、支給単位期間において当該被保険者に船舶所有者から報酬が支払われた場合において、当該報酬の額と支給単位期間における支給額との合計額が休業開始時給付基礎日額に30を乗じて得た額の100分の80に相当する額を超えるときは、その超える額を支給額から減じて得た額を支給するものとし、その超える額が支給額を超えるときは、支給しないものとすること。
 また、被保険者が対象家族を介護するための休業について介護休業給付金の支給を受けたことがある場合において当該被保険者が当該休業を開始した日から起算して3月を経過する日後に当該対象家族を介護するための休業をしたときは、介護休業給付金は、支給しないものとすること。(船員保険法第38条関係)


 6 国庫負担に関する改正

(1) 高齢求職者給付金に要する費用に係る国庫負担の廃止

 高齢求職者給付金に要する費用に係る国庫負担は、平成10年度から廃止するものとすること。(船員保険法第58条関係)


(2)失業等給付に要する費用に係る国庫負担に関する暫定措置

 失業等給付に要する費用に係る国庫の負担額は、平成10年度以後当分の間、求職者等給付については、国庫が負担することとされている額の10分の8に相当する額と、雇用継続給付については、国庫が負担することとされている額の100分の56に相当する額とするものとすること。(船員保険法附則第29項関係)

(3)国庫が(2)に規定する額を負担する会計年度については、当該年度に支給した求職者等給付の総額の(4分の3に相当する額が、徴収した保険料の総額のうち求職者等給付の支給に要する費用に充てるべき額を超える場合、国庫が求職者等給付の総額の3分の1までを負担する規定は適用しないものとすること。(船員保険法附則第30項関係)


 7 その他

 その他所要の規定の整備を行うものとすること。


第3 その他


 1 施行期日
 この法律は、公布の日から施行するものとすること。ただし、第1の1、第1の3、第2の1及び第2の4については平成10年12月1日から、第1の2(1)、第1の4、第2の2、第2の3及び第2の5については平成11年4月1日から施行するものとすること。(附則第1条関係)


 2 経過措置

 この法律の施工に関し必要な経過措置を定めるものとすること。(附則第2条から第11条まで関係)



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