トップページ


 

I 概況


 労働者派遣事業、労働者募集広告、有料職業紹介事業等に係る苦情・相談については、7月の労働者派遣事業適正運営推進月間に、全都道府県において苦情相談窓口を設置している。本年は、7月1日から31日までの間、408件の苦情及び相談がこの苦情相談窓口に寄せられた。
 その内訳は、労働者派遣事業に関するもの289件、労働者募集広告に関するもの29件、有料職業紹介事業に関するもの17件、その他73件であった。


〔苦情及び相談件数〕

  合 計 労働者派遣
事業関係
労働者募集
広告関係
有料職業紹
介事業関係
その他 
9年度件数 408件 289件 29件 17件 73件
8年度件数 385件 274件 19件 92件
(注)  有料職業紹介事業については、平成8年度までは「その他」の中に含めていた。



 

II 苦情・相談の内容

  1. 労働者派遣事業に関するもの

    (1)労働者派遣事業に係る苦情・相談の内容及び件数は、次表のとおりである。

    苦情・相談の内容 9年度件数 8年度件数
    1派遣の適用対象業務外の作業 39 32
    2解雇(労働者派遣契約の解除を含む。) 32 28
    3賃金関係 18 13
    4就業条件の明示 17 16
    5労働・社会保険 11
    6労働時間
    7その他 183 179
    (注)  1件の苦情・相談で複数の項目にわたるものがあるので、各項目の件数の合計と苦情・相談の件数は一致しない。


    (2)苦情・相談の内容項目別具体例

      1)派遣の適用対象業務外の作業
    • 財務処理業務ということで派遣されたが、派遣先では専らコピー取り、文書の受け渡しの仕事を命じられた。
    • 派遣会社に登録したところ、派遣先では、派遣先の社員と同様にどんな業務でも行うように言われた。

      2)解雇(労働者派遣契約の解除を含む。)
    • 派遣期間の途中であるにもかかわらず、派遣先から「明日から来なくてよい」と言われ、派遣元に休業手当を請求したが、払ってもらえない。
    • 派遣元のスキルチェックを受けた上で登録していたのに、ある派遣先に派遣されたところ、派遣先からスキルが合わないからという理由で派遣契約を解除され、解雇された。


      3)賃金関係

    • 派遣契約の中途解約に伴い、突然解雇されたが、解雇予告手当を支払ってもらえない。
    • 派遣先で2か月と10日間就労した後、自己都合により退職したところ、最後の給料が支払われたが、自分が考えているより少ない金額であった。


      4)就業条件の明示

    • 勤務時間の変更により就業条件が変更になったにもかかわらず、就業条件の明示がなされなかった。
    • OA機器操作業務を行うということで派遣されたが、派遣先における実際の就業に当たり、派遣先からは、翻訳の業務を行うよう言われた。


      5)労働・社会保険

    • 雇用契約終了後、派遣元に離職票を請求したが、なかなか交付してくれない。
    • 派遣元に社会保険への加入手続をするよう依頼したところ、派遣元の担当者に断られた。


      6)労働時間

    • 有給休暇を請求したが、派遣元から派遣労働者に有給休暇はないと言われ、断られた。
    • 過去の雇用実績からすると10日あるはずの有給休暇が5日しか与えられなかった。


      7)その他

    • 派遣元と雇用契約を締結する前に、派遣先に呼ばれ、事前に面接を受けた。
    • 派遣先が派遣元を通さずに勝手に労働時間の変更を要求してきた。
    • 派遣先事業所からさらに他の事業所に派遣された。
    • 派遣元責任者に派遣先の実情について相談しても、真剣にとりあってくれなかった。
    • 派遣される以前に、派遣元から派遣先に履歴書が渡されていた。
    • 登録の際には、派遣就業するに先立って派遣先のニーズに合った教育訓練を受けることができると言われていたのに、実際に派遣就業するに先立って派遣元に教育訓練を受けたい旨申し出たところ、断られた。


    (3)労働者派遣事業に関する苦情・相談の相談対象者別件数は次表のとおりである。

      合 計 労働者 派遣元 派遣先
    9年度苦情・相談件数 289件 113件 145件 31件
    8年度苦情・相談件数 274件 105件 143件 26件


     



  2. 労働者募集広告に関するもの


    (1)労働者募集広告に係る苦情相談の内容別件数は、次表のとおりである。

    苦情・相談の内容 9年度件数 8年度件数
    労働条件の相違 14
    就業場所の明示
    その他 12
    合計 29 19



    (2) 労働者募集広告に関する苦情相談内容は多岐にわたるが、比較的多かったのは、昨年と同様、給与支給や職種等について労働者募集広告に書かれた労働条件と実際の労働条件が違うというものである。
     「その他」としては、求人広告欄に掲載されている業務内容に不明な点が多い、等の苦情・相談である。

    (3) 苦情・相談に係る募集媒体の内訳としては、就職情報誌16件、チラシ(新聞折り込み、街頭配布等)7件、新聞求人広告6件となっている。


     


  3. 有料職業紹介事業に関するもの


    (1)有料職業紹介事業に係る苦情相談の内容別件数は、次表のとおりである。

    苦情・相談の内容 9年度件数
    労働条件の明示 10
    その他     7
    合計 17
    (注)  有料職業紹介事業については、平成9年度から項目を立てて集計を開始。


    (2) 有料職業紹介事業に関する苦情相談内容のうち、比較的多かったのは、給与支給や職種等について紹介を受けるに当たって示された労働条件と実際の労働条件が違うというものである。
     「その他」としては、1求職登録しているが希望した職種で紹介してもらえない、2求職登録をしようとしている事業所が許可を受けているかどうか、等の苦情・相談である。



     

  4. その他

     その他、上記の1〜3に該当しない苦情・相談が73件あった。具体的には、一般の労働者の解雇や賃金不払いに関するものが多かった。



                        I 概況II 苦情相談の内容

                            トップページ