II 調査結果の概要 第1 身体障害者就業実態調査 1 就業の状況 (1) 全国の15歳以上64歳以下の身体障害者は、124万6千人と推計される。 このうち、就業している者が52万人(41.7%)、就業していない者が 70万7千人(56.7%)となっている。
表1−1 障害程度別・身体障害者就業状況 |
障害程度 | 総計 | 就業者 | 不就業者 | 無回答 |
計 | 1,246 (100.0) |
520 (41.7) |
707 (56.7) |
19 (1.5) |
重度 | 588 (100.0) |
194 (33.0) |
388 (66.0) |
6 (1.0) |
非重度 | 577 (100.0) |
299 (51.8) |
275 (47.7) |
3 (0.5) |
その他 | 81 (100.0) |
27 (33.3) |
44 (54.3) |
10 (12.3) |
(2) 年齢階級別に就業の状況をみると、20〜59歳層で、就業者の割合が年 齢計での割合(41.7%)を上回っており、特に、25〜29歳、35〜49歳層 で就業者の割合が高くなっている。
表1−2 年齢階級別・身体障害者就業状況
(単位:千人、%) |
年齢階級 | 総計 | 就業者 | 不就業者 | 無回答 | ||
計 | 1,246 | 100.0 | 41.7 | 56.7 | 1.5 | |
15〜19歳 | 22 | 100.0 | 13.6 | 77.3 | 4.5 | |
20〜24歳 | 32 | 100.0 | 46.9 | 53.1 | 0.0 | |
25〜29歳 | 40 | 100.0 | 57.5 | 40.0 | 2.5 | |
30〜34歳 | 46 | 100.0 | 45.7 | 54.3 | 0.0 | |
35〜39歳 | 60 | 100.0 | 53.3 | 45.0 | 1.7 | |
40〜44歳 | 77 | 100.0 | 50.6 | 49.4 | 1.3 | |
45〜49歳 | 119 | 100.0 | 52.1 | 47.1 | 1.7 | |
50〜54歳 | 226 | 100.0 | 49.6 | 48.2 | 2.2 | |
55〜59歳 | 249 | 100.0 | 45.4 | 53.8 | 0.8 | |
60〜64歳 | 343 | 100.0 | 27.1 | 71.7 | 0.9 | |
無回答 | 31 | 100.0 | 19.4 | 67.7 | 12.9 |
2 就業者の状況 (1) 身体障害者の就業状況を職種別にみると、専門的・技術的職業、生産 工程・労務、事務で割合が高い。これを障害程度別にみると、重度では 専門的・技術的職業、事務が、非重度では生産工程・労務、専門的・技 術的職業で割合が高くなっている。
表1−3 障害程度別・職種別身体障害者就業状況
(単位:千人) |
障害程度 | 就業者計 | 農林 漁業 |
事務 | 管理 | 販売 | あんま・ マッサージ・ はり・ きゅう |
計 | 520 (100.0) |
29 (5.6) |
76 (14.6) |
32 (6.2) |
30 (5.8) |
17 (3.3) |
重度 | 194 (100.0) |
9 (4.6) |
30 (15.5) |
11 (5.7) |
11 (5.7) |
16 (8.2) |
非重度 | 299 (100.0) |
18 (6.0) |
43 (14.4) |
20 (6.7) |
18 (6.0) |
0 (0.0) |
その他 | 27 (100.0) |
2 (7.4) |
3 (11.1) |
1 (3.7) |
1 (3.7) |
0 (0.0) |
障害程度 | 専門的・ 技術的 職業 |
サービス 職業 |
生産工程・ 労務 |
その他 | 無回答 |
計 | 82 (15.8) |
54 (10.4) |
81 (15.6) |
67 (12.9) |
52 (10.0) |
重度 | 31 (16.0) |
19 (9.8) |
23 (11.9) |
23 (11.9) |
20 (10.3) |
非重度 | 49 (16.4) |
33 (11.0) |
54 (18.1) |
39 (13.0) |
25 (8.4) |
その他 | 2 (7.4) |
2 (7.4) |
4 (14.8) |
6 (22.2) |
7 (25.9) |
(2) 身体障害者の就業状況を就業形態別にみると、常用雇用されて就業し ている者が41.2%、常用雇用以外の形態で就業している者が54.8%とな っている。障害程度別にみると、常用雇用されて就業する者は、重度で は36.6%、非重度では45.8%と、非重度の方が雇用されて就業する者の 割合が多くなっている。 また、常用雇用以外の形態で就業している者では、自営34.4%、会社 ・団体の役員19.3%で割合が高くなっており、障害程度別でもそれぞれ 自営及び会社・団体の役員の割合が高い。
表1−4 障害程度別・就業形態別身体障害者就業状況
(単位:千人) |
障害 程度 |
就業者 計 |
常用 雇用 |
常用 雇用 以外 |
無回答 | ||||||||
自営 | 家族 従業者 |
会社、 団体の 役員 |
臨時雇 ・ 日雇 |
内職 | 授産 施設等 |
作業所 等 |
その他 | |||||
計 | 520 (100.0) |
214 (41.2) |
285 (54.8) |
98 (34.4) |
27 (9.5) |
55 (19.3) |
36 (12.6) |
12 (4.2) |
13 (4.6) |
13 (4.6) |
31 (10.9) |
21 (4.0) |
重度 | 194 (100.0) |
71 (36.6) |
115 (59.3) |
45 (39.1) |
11 (9.6) |
20 (17.4) |
11 (9.6) |
4 (3.5) |
4 (3.5) |
7 (6.1) |
13 (11.3) |
7 (3.6) |
非重度 | 299 (100.0) |
137 (45.8) |
153 (51.2) |
50 (32.7) |
14 (9.2) |
31 (20.3) |
24 (15.7) |
7 (4.6) |
4 (2.6) |
6 (3.9) |
17 (11.1) |
10 (3.3) |
その他 | 27 (100.0) |
6 (22.2) |
17 (63.0) |
3 (17.6) |
1 (5.9) |
4 (23.5) |
1 (5.9) |
1 (5.9) |
4 (23.5) |
1 (5.9) |
2 (11.8) |
4 (14.8) |
(3) 常用雇用されている者について、1週間あたりの就業時間をみると、 90.2%が30時間以上で雇用されている。障害程度別にみても、若干重度 で30時間未満で雇用される者の割合が高くなるものの、重度、非重度と もに30時間以上で雇用されている者の割合が高い。
表1−5 障害程度別・1週間あたりの就業時間別身体障害者常用雇用状況 (単位:千人) |
障害程度 | 常用雇用計 | 30時間以上 | 30時間未満 | 無回答 |
計 | 214 (100.0) |
193 (90.2) |
20 (9.3) |
1 (0.5) |
重度 | 71 (100.0) |
62 (87.3) |
9 (12.7) |
1 (1.4) |
非重度 | 137 (100.0) |
127 (92.7) |
10 (7.3) |
0 (0.0) |
その他 | 6 (100.0) |
5 (83.3) |
1 (16.7) |
0 (0.0) |
3 不就業者の状況 (1) 不就業者の就業経験の有無をみると、就業経験ありの者が46.8%とな っている。障害程度別にみると、就業経験ありの者は重度では39.2%、 非重度では58.2%となっている。
表1−6 障害程度別、就業経験の有無別身体障害者不就業者の状況
(単位:千人) |
障害程度 | 不就業者計 | 就業経験 あり |
就業経験 なし |
無回答 |
計 | 707 (100.0) |
331 (46.8) |
346 (48.9) |
30 (4.2) |
重度 | 388 (100.0) |
152 (39.2) |
222 (57.2) |
14 (3.6) |
非重度 | 275 (100.0) |
160 (58.2) |
105 (38.2) |
10 (3.6) |
その他 | 44 (100.0) |
19 (43.2) |
19 (43.2) |
7 (15.9) |
(2) 就業経験ありの者について、前職の離職理由をみると、病気42.3%、 定年12.4%、その他11.5%で割合が高くなっている。障害程度別に見る と、重度、非重度ともに病気の割合が高いが、重度では病気が占める割 合が非重度よりも高く、一方、非重度では定年、倒産、人員整理の占め る割合が重度より高くなっている。
表1−7 障害程度別、前職の離職理由 (単位:千人) |
障害程度 | 就業経験 あり計 |
倒産、 人員整理 |
事業不振 | 能力が 生かせない |
人間関係が うまく いかない |
通勤が 負担 |
計 | 331 (100.0) |
30 (9.1) |
7 (2.1) |
8 (2.4) |
15 (4.5) |
6 (1.8) |
重度 | 152 (100.0) |
11 (7.2) |
4 (2.6) |
3 (2.0) |
5 (3.3) |
2 (1.3) |
非重度 | 160 (100.0) |
17 (10.6) |
3 (1.9) |
5 (3.1) |
8 (5.0) |
4 (2.5) |
その他 | 19 (100.0) |
1 (5.3) |
1 (5.3) |
0 (0.0) |
1 (5.3) |
0 (0.0) |
障害程度 | 賃金、労働時間 が不満足 |
病気 | 結婚・ 育児 |
定年 | その他 | 無回答 |
計 | 3 (0.9) |
140 (42.3) |
19 (5.7) |
41 (12.4) |
38 (11.5) |
23 (6.9) |
重度 | 2 (1.3) |
78 (51.3) |
9 (5.9) |
11 (7.2) |
17 (11.2) |
10 (6.6) |
非重度 | 1 (0.6) |
55 (34.4) |
10 (6.3) |
28 (17.5) |
19 (11.9) |
11 (6.9) |
その他 | 0 (0.0) |
8 (42.1) |
1 (5.3) |
2 (10.5) |
2 (10.5) |
2 (10.5) |
(注) 不就業者のうち、就業経験がある者の一番最近の仕事をやめた理由。