II 職業安定法関係 3 その他(職業紹介関係) (1)求人・求職申込みの受理原則に関し、職業紹介事業者が取り扱う職種の範囲 等の限定については、これを機動的に行いやすくするため、現行の申出に基づ き厚生労働大臣が定める制度から届出制とすることが適当である。 (2)有料職業紹介事業者の保証金制度については、利用実績がないこと等を考慮 し、廃止することが適当である。 (3)兼業禁止規制については、兼業禁止に係るILO勧告(第42号。1933年採択。) が、その後の状況の変化等にかんがみ撤回されたこと等を考慮して、これを廃 止することとし、許可基準について必要な見直しを行うことが適当である。 (4)職業紹介責任者については、業務を統括する者であることを明確にした上で、 選任要件を見直すことが適当である。また、職業紹介責任者の変更手続の簡素 化、職業紹介責任者講習の見直し(講習の有効期間の5年への延長、再講習に ついて講習時間数の短縮)を図ることが適当である。 4 労働者の募集関係 (1)具体的な規制制度の見直しの視点として、「許可制から届出制への移行」に ついて検討したところ、委託募集を行う事業主及び募集の委託を受ける者等に ついては、いわゆる手配師による中間搾取等の弊害を排除し、労働者保護を図 る観点から、その適格性を事前にチェックする必要があり、原則として許可制 を維持することが必要であるが、無報酬で行う委託募集については、こうした 弊害が少ないと考えられ、これを届出制で行うことができるようにすることが 適当である。 (2)厚生労働大臣による募集の制限、募集に応じた労働者からの報酬受領の禁止 等の募集に係る規制については、適正な労働者の募集を担保するため、原則と して維持すべきであるが、労働者の募集を行おうとする者が、通勤可能な地域 から労働者を募集するよう努める旨を規定した募集地域の原則については、情 報化の進展や交通事情が大きく変化した今日においては、法律上の努力義務規 定として維持する意義が薄くなっていることを考慮し、これを撤廃することが 適当である。 (3)現下の厳しい雇用失業情勢の中、募集・採用において事業主が不合理な理由 による年齢制限を行うことのないよう、雇用対策法及び告示(「労働者の募集 及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることについて事業主 が適切に対処するための指針」)に基づく指導の徹底を図ることが適当である。