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第9次雇用対策基本計画(抄)
平成11年8月13日
閣議決定
9 国際化への対応
(4)外国人労働者対策
経済社会のグローバル化に伴い、我が国の企業、研究機関等においては、世界で
通用する専門知識、技術等を有し、異なる教育、文化等を背景とした発想が期待で
きる専門的、技術的分野の外国人労働者に対するニーズが一層高まっている。この
ような状況の中で、我が国の経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、専
門的、技術的分野の外国人労働者の受入れをより積極的に推進する。
また、我が国の経済、社会等の状況の変化に応じて在留資格及び在留資格に関す
る審査基準によって規定される外国人労働者を受け入れる範囲については今後も見
直すこととする。ただし、受入れ国としてみた日本には、周辺に巨大な人口を有し、
かつ経済的に発展途上にある国が多いことから、巨大な潜在的流入圧力が存在して
いることに留意すべきである。このため、我が国の産業及び国民生活に与える影響
その他の事情を勘案しつつ、雇用情勢の悪化等我が国の労働市場の状況を反映して
的確かつ機動的に入国者数を調節できるような受入れの在り方についても検討する
必要がある。
なお、いわゆる単純労働者の受入れについては、国内の労働市場にかかわる問題
を始めとして日本の経済社会と国民生活に多大な影響を及ぼすとともに、送出し国
や外国人労働者本人にとっての影響も極めて大きいと予想されることから、国民の
コンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応することが不可欠である。
また、単に少子・高齢化に伴う労働力不足への対応として外国人労働者の受入れ
を考えることは適当でなく、まず高齢者、女性等が活躍できるような雇用環境の改
善、省力化、効率化、雇用管理の改善等を推進していくことが重要である。
以上の基本方針に基づき、我が国における外国人労働者の就労環境の一層の整備
を図る。そのため外国人労働者の雇用の動向の把握に努めるとともに、公共職業安
定機関の外国人求職者等に関する職業紹介、職業相談機能・体制の一層の整備・充
実に努め、また、雇用管理の改善を図るための事業主への指導、援助等の一層の充
実を図る。特に、留学生については、専門的、技術的分野の外国人労働者の積極的
な受入れを推進する観点から、就職支援等の充実を図る。日系人労働者については、
違法なブローカーの活動等により雇用面のトラブルが生じやすい点にかんがみ、公
的就労経路の充実、雇用管理の改善等により、日系人の適正な雇用が確保されるよ
う努める。
不法就労対策については、関係行政機関との連携、協力の下、人権擁護に留意し
つつ、悪質な仲介業者や事業主の取締りの強化、事業主への啓発・指導等、的確な
措置を講ずるとともに、我が国での適正な就労を促進するため、不法就労外国人を
多く送り出している国等において、我が国の外国人労働者受入れ方針、制度等に関
する周知、啓発を推進する。
また、労働基準関係法令等に基づき外国人労働者の労働条件及び安全衛生の確保
を図る。
さらに、秩序ある国際労働力移動を実現するため、関係国際機関、各国政府との
国際労働力移動に関する情報交換の促進、連携の強化に努める。
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