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(別紙5)





 労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることに

ついて事業主が適切に対処するための指針案





 第一 趣旨



  この指針は、雇用対策法第七条に定める事項に関し、事業主が適切に対処するこ

 とができるよう、我が国の雇用慣行、近年における年齢別にみた求人及び求職の状

 況、特に中高年齢者の再就職をめぐる実態等を考慮して、必要な事項を明らかにす

 るとともに、事業主が労働者の募集及び採用について講ずべき措置について定めた

 ものである。





 第二 事業主が労働者の募集及び採用に当たって講ずべき措置



  事業主は、労働者の募集及び採用に当たって、次に掲げる措置を講ずるように努

 めること。



  一 第三に該当する場合を除き、労働者の年齢を理由として、募集又は採用の対

   象から当該労働者を排除しないこと。



  二 事業主が職務に適合する労働者を雇い入れ、かつ、労働者がその有する能力

   を有効に発揮することができる職業を選択することが容易になるよう、職務の

   内容、当該職務を遂行するために必要とされる労働者の適性、能力、経験、技

   能等の程度その他の労働者が応募するに当たり必要とされる事項をできる限り

   明示すること。





 第三 年齢制限が認められる場合(労働者がその有する能力を有効に発揮するため

   に必要であると認められる場合以外の場合)

    事業主が行う労働者の募集及び採用が次の一から十までのいずれかに該当す

   る場合であって、当該事業主がその旨を職業紹介機関、求職者等に対して説明

   したときには、年齢制限をすることが認められるものとする。



  一 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、新規学卒者等である特定の年

   齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合



  二 企業の事業活動の継続や技能、ノウハウ等の継承の観点から、労働者数が最

   も少ない年齢層の労働者を補充する必要がある状態等当該企業における労働者

   の年齢構成を維持・回復させるために特に必要があると認められる状態におい

   て、特定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合



  三 定年年齢又は継続雇用の最高雇用年齢と、労働者がその有する能力を有効に

   発揮するために必要とされる期間又は当該業務に係る職業能力を形成するため

   に必要とされる期間とを考慮して、特定の年齢以下の労働者を対象として募集

   及び採用を行う場合



  四 事業主が募集及び採用に当たり条件として提示する賃金額を採用した者の年

   齢にかかわりなく支払うこととするためには、年齢を主要な要素として賃金額

   を定めている就業規則との関係から、既に働いている労働者の賃金額に変更を

   生じさせることとなる就業規則の変更が必要となる状態において、特定の年齢

   以下の労働者を対象として募集及び採用を行う場合



  五 特定の年齢層を対象とした商品の販売やサービスの提供等を行う業務につい

   て、当該年齢層の顧客等との関係で当該業務の円滑な遂行を図る必要から、特

   定の年齢層の労働者を対象として募集及び採用を行う場合



  六 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から、特定の年齢層の労働

   者を対象として募集及び採用を行う場合



  七 労働災害の発生状況等から、労働災害の防止や安全性の確保について特に考

   慮する必要があるとされる業務について、特定の年齢層の労働者を対象として

   募集及び採用を行う場合



  八 体力、視力等加齢に伴いその機能が低下するものに関して、採用後の勤務期

   間等の関係からその機能が一定水準以上であることが業務の円滑な遂行に不可

   欠であるとされる当該業務について、特定の年齢以下の労働者について募集及

   び採用を行う場合



  九 行政機関による指導、勧奨等に応じる等行政機関の施策を踏まえて中高年齢

   者に限定して募集及び採用を行う場合



  十 労働基準法等の法令の規定により、特定の年齢層の労働者の就業等が禁止又

   は制限されている業務について、当該禁止又は制限されている年齢層の労働者

   を除いて募集及び採用を行う場合





 第四 その他



  一 この指針は、事業主が募集及び採用に当たって、適切に対処するために必要

   な事項を明らかにするとともに、事業主が講ずべき措置について示すものであ

   り、広く事業主その他の関係者の理解が深まるよう周知徹底が図られるもので

   あること。



  二 この指針は、あくまでも現下の社会経済情勢等を踏まえて定められたもので

   あり、今後、必要があると認められるときは検討が加えられ、その結果に基づ

   いて必要な見直しが図られるものであること。

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