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(別紙2)

     職業能力開発関連情報のあり方に関する調査研究報告書要旨



1 職業能力開発関連情報をめぐる背景事情



  労働者の自発性を重視した職業能力開発の推進等の重要性の高まり

  →労働者個人が、労働市場の中で自らの適性を考えつつ、適切な能力開発等を行

 えるよう、職業に関する基本的な情報、人材ニーズ動向、教育訓練コース、能力評

 価等に関する情報を入手できるシステムの構築が必要。



(職業能力開発に関する情報の整理)



  特に、以下の3つの観点から、必要となる具体的な情報内容や収集方策等につい

 て整理する必要がある。



 (1) 労働市場におけるインフラとして必要な情報

 (2) 労働市場政策の企画立案に当たって有効に活用すべき情報

 (3) 公共職業訓練コースの開発・設定等に当たって有効に活用すべき情報



2 労働市場におけるインフラとして必要な情報



  労働市場の構成員である労働者、企業等に提供することで、労働市場の機能を高

 める、いわばインフラとしての役割を果たすことが期待される情報のうち、特に労

 働者個人に提供することで、個人主導の能力開発、キャリア形成支援等に資するも

 のは、(1)労働市場動向に関するもの、(2)能力開発の支援に関するもの、(3)職業

 の現状に関するものの3つに分類して整理できる。

  これらについては、インターネット等を活用しつつ情報の利用目的に沿った効果

 的な提供を行うとともに、情報ユーザーである労働者や企業のニーズを把握しつつ

 情報更新を行う等の体制整備が必要。その際官民の役割分担にも留意する必要。



(必要となる主な情報)



(1)労働市場動向に関するもの



   (1) 市場全体の動向(景気動向、雇用動向、賃金動向、職種動向等)



   (2) 企業(業界)の動向(求人ニーズ、採用(新卒、中途)動向、能力ニー

    ズ(知識、技能、行動特性等)、業界変動等)



   (3) 労働者個人の動向(求職動向、教育訓練受講動向・ニーズ、資格取得動

    向・ニーズ、キャリア形成の取組状況・ニーズ等)



(2) 能力開発の支援に関するもの



   (1) 教育訓練(公共職業能力開発施設、専修・各種学校、大学・大学院、職

    業訓練法人等における実態、公的助成制度の現状等)



   (2) キャリア形成(企業における支援取組事例、キャリアカウンセリングの

    実態、個人の取組事例、公共機関の支援内容等)



   (3) 能力評価(公共及び民間の資格制度の内容と活用状況、企業の取組事例

    等)



(3) 職業の現状に関するもの



   (1) 仕事内容(仕事の中身、モデル的なキャリア形成事例等)



   (2) 就業要件(知識、技能、行動特性、実務経験、学歴、資格、適性等)



   (3) 労働条件(勤務場所、勤務時間、福利厚生、賃金等)



3 労働市場政策の企画立案に当たって有効に活用すべき情報



  キャリア形成支援、職業能力評価制度の整備、教育訓練システムの確立等の労働

 市場インフラの整備は官民連携により進めていくことが重要であるが、官は民間に

 おけるシステムの整備状況(労働市場のインフラが整っているのか、個人が利用で

 きようになっているのか等)を常に把握しつつ、政策を企画立案する必要がある。



(活用すべき主な情報)



  労働市場におけるインフラとして必要な情報に加え、次の情報が必要。



    ・キャリア形成支援に係る実態を鳥瞰できる情報(支援機関の数、体制、具

     体的支援内容等)



    ・職業能力評価制度に係る実態を鳥瞰できる情報(資格制度の活用状況、評

     価機関の数、評価基準等)



    ・教育訓練に係る実態を鳥瞰できる情報(民間教育訓練機関の数、教育訓練

     の実施状況等)



4 公共職業訓練コースの開発・設定等に当たって有効に活用すべき情報



  公共職業訓練コースの開発・設定に当たっては、政策方針企画から訓練コースの

 設定・実施に至るまでの各段階において、各種の情報が活用されているが、今後は、

 特に、設定した訓練コースの実施成果(政策評価)を既存の訓練コースの改廃、コ

 ース数、定員の増減に反映させることが重要。そのことにより人材ニーズの把握に

 始まり、訓練コースの設定・実施、訓練コースの受講成果の分析に至るまでの循環

 的なプロセスを標準化することが必要。



(活用すべき主な情報)



(1) 政策方針企画



   ・職種別の労働力需給の動向

   ・現行訓練の実績(入校率、離職率、修了者の能力評価)

   ・訓練実施に係る労使団体、関係機関の要望

   ・民間の教育訓練機関に係る事例(好事例、課題)情報



(2) 教材開発



   ・全国の官民教育訓練機関のコース設定、受講者数等

   ・民間の教育訓練及びその教材に係る事例情報

   ・教育訓練技法に係る基礎的研究成果



(3) コース開発



   ・職種(訓練科)別の産業界(企業)の具体的な人材ニーズ

   ・企業内訓練、民間教育訓練機関における訓練内容、手法等に係る事例情報

   ・委託訓練に係る受託機関の実施能力



(4) コース設定・訓練実施



   ・地域の民間教育訓練の実施状況(内容、規模等)

   ・地域の外部講師リスト(経歴、能力・資格等)

   ・地域の公共職業安定所求職者の訓練受講ニーズ(分野、水準、人数等)

   ・地域の受託候補機関・教育訓練コースの訓練実施能力等

   ・施設の受講者(修了者)の能力測定ツール



5今後の情報システムの構築に向けた事業展開



  情報システムの構築に際しては、定期的アンケート調査とヒアリング調査の実施

 により情報を収集するほか、業務統計を適切に活用することが必要。また、事業の

 展開には、職業安定行政と緊密な連携を図るほか、日本労働研究機構等の関連団体

 相互の効果的な連携が必要。

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