(参考) 労働大臣賞及び最優秀賞作品の概要 ◎労働大臣賞『もっと知りたい仕事のふしぎ』(エッセイ部門 小・中学生の部) (田上奈都・7歳・小学2年) 山道の工事現場で交通整理するおじちゃん。雨の日も雪の日も毎日立っている。お じちゃんを毎日見ているうちに仕事についていろいろと考えるようになった。将来自 分がなりたいもの。一生懸命働いている人。ママがつくるスパゲティの「めん」をつ くる人は?小麦を育てる人は?めんの袋をつくる人は?肉や野菜を育てる人は?ケチ ャップ工場の人は?... しごとのふしぎ・想像をかき立てる作品。 ○最優秀賞『のみ一筋 この道60年』(ビデオ部門) (竹下房江・68歳・主婦) 宮大工60年の棟梁以下5人の宮大工たちで、神社の楼門つくりに挑戦している。 棟梁は造形美だけでなく先人たちの魂を受け継ぎ千年もつものをつくるという意気込 みがある。1年以上の歳月を経て技術を結集し完成した楼門は圧巻である。ビデオの 制作に8ヶ月もの期間をかけた作品。 ○最優秀賞『お手伝いの姉弟』(写真部門) (しがの文子・64歳・主婦) 毎週日曜日は子供たちがお手伝いをする日。姉は母と一緒に料理のお手伝い。弟は 黙々とお風呂の掃除。 姉弟ともにお手伝いを通じて、しごとの大切さをこどものときから体験している。 姉の表情からはしごとの楽しさ、生きがいのようなものが感じられ、弟の表情からは 一心に打ち込む技能士のような一生懸命さが伺える作品 ○最優秀賞『心のゴミ』(エッセイ部門 小・中学生の部) (新井諒也・12歳・小学6年) 市役所でゴミを収集する仕事。ゴミ袋をもったら割れたガラスがあったためケガを したノブちゃん。前から疑問に思っていたことを聞いてしまった。「人がいやがる仕 事、いやにならへんの?」ゴミと思っているだけで資源にもなり再利用できるものも ある。楽しいだけが仕事ではない。誰かが行わなければならない仕事もあるんだと自 分自身にも言い聞かせている。表面的に汚いと避けてしまう人の心、他を省みず自分 勝手な行いで人を傷つける心、そういった心のゴミを減らしたらいいと訴える作品。 ○最優秀賞『大地に平伏して』(エッセイ部門 高校・大学・一般の部) (大河原多津子・45歳・農業) 日本の古来からある仕事「農業」。近年は綺麗ではない、重労働、儲からないとの 理由から人気はない。有吉佐和子の「複合汚染」をきっかけに学習塾経営の仕事から 有機農業を営む農民になった。日照りが続けば雨を恋い、雨が続けばお日様を想う。 生活は楽ではないが大地から生まれた、自分たちで育てた野菜を待ちどおしくおもっ ている人がいるかと思うと至福の至りである。自分たちの農業に誇りと喜びを感じ取 れる作品。