タイトル:平成15年度税制改正の概要(厚生労働省関係)



発  表:平成14年12月17日(火)

担  当:厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室政策第2係

                  電 話 03-5253-1111(内線7693)



          政策統括官付労働政策担当参事官室政策第2係

                      03-5253-1111(内線7716)

1.医療関係



 (1)医療機器関係



  (1)医療安全に資する医療機器等についての税制優遇措置の創設〔所得税、法人税〕



   ・看護業務省力化機器の範囲を見直し、医療安全に資する医療機器等について、

    取得価額の20%の特別償却を認める。





  (2)メディカル・フロンティアに資する救急用医療機器についての特別償却制度

   の適用期限の延長(2年間)〔所得税、法人税〕



  (3)医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長(2年間)〔所得税、法人税〕





 (2)医療提供関係



  (1)社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続〔事業税〕



  (2)医療法人に係る事業税(社会保険診療報酬以外分)の軽減措置の存続〔事業税〕



  (3)社会保険診療報酬の所得計算の特例の存続〔所得税、法人税〕



  (4)特定医療法人に係る要件の緩和〔法人税〕



   ・特定医療法人について、差額ベットに関し、全病床数に占める割合の上限を

    30%(現行20%)に引き上げ、平均料金の上限規制(現行5,000

    円)を撤廃する等の承認要件の緩和を、承認要件遵守のための所要の措置を

    講じた上で行う。





 (3)医療施設関係



  (1)改正医療法の構造設備基準に適合した病院への建て替えに係る特別償却制度

   の適用期限の延長及び有床診療所への拡充〔所得税、法人税〕



   ・建替え病院用建物の特別償却の対象資産に一定の有床診療所の療養病床を加

    えたうえ、その適用期限を2年間延長する。



  (2)療養病床に係る割増償却制度の適用期限の延長(2年間)〔所得税、法人税〕



  (3)国立病院・療養所の再編成に係る移譲等を受けた場合における登録免許税の

   軽減措置〔登録免許税〕



   ・公的医療機関の開設者等が国立病院等に係る土地等取得した場合の所有権移

    転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、所要の経過措置を講

    じたうえ、廃止する。





 (4)その他



  (1)造血幹細胞移植・臓器移植のあっせんに係る患者負担の医療費控除の適用

   〔所得税、住民税〕



   ・造血幹細胞移植・臓器移植を受けるために必要なあっせん業務に係る患者負

    担について、あっせんに係る費用の位置付けを明確化した上で、15年所得

    より医療費控除を適用する。





  (2)試験研究費の総額に係る税額控除制度の創設〔所得税、法人税〕



   ・増加試験研究費の税額控除制度との選択制で、試験研究費総額の8〜10%

    の控除率(試験研究費の売上金額に対する割合に応じ控除率を設定。なお、

    3年間の時限措置として控除率10〜12%)による税額控除を認める。





  (3)産学官連携の共同研究・委託研究に係る税額控除制度の創設〔所得税、法人税〕



   ・大学、公的研究機関等との共同試験研究及びこれらに対する委託試験研究に

    ついて、これらの試験研究に係る試験研究費の額の12%相当額の税額控除

    を認める(3年間の時限措置として控除率15%)。





  (4)中小企業技術基盤強化税制の拡充〔所得税、法人税〕



   ・中小企業技術基盤強化税制について、試験研究費の総額の12%相当額の税

    額控除を認める(3年間の時限措置として控除率15%)。





 ※ (2)〜(4)の税額控除については、当期の法人税額全体の20%相当額を限度と

  し、その超過額については、次年度に限り、繰越控除を認める。





  (5)開発研究用設備の特別償却制度の創設〔所得税、法人税〕



   ・一定の開発研究用設備の取得等をして、これを国内にある開発研究の用に供

    した場合には、その取得価額の50%相当額の特別償却を認める。





  (6)介護納付金課税額の課税限度額の引上げ〔国民健康保険税〕



   ・現行7万円→8万円





2.子育て支援関係



  (1)小児慢性疾患にかかっている児童の家族支援を行う公益法人を特定公益増進

   法人への指定要件の追加〔所得税、法人税〕



   ・小児慢性疾患にかかっている児童が療養を受けるために当該児童及びその家

    族が宿泊する施設の設置運営を行う公益法人を特定公益増進法人として指定

    できる措置を講じる。





3.高齢社会関係



  (1)厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金、勤労者財産形成給付金契

   約及び勤労者財産形成基金契約に係る積立金に対する特別法人税の凍結の延長

   (2年間)〔法人税、住民税〕



  (2)確定拠出年金の拠出限度額の取扱い〔所得税、法人税、住民税、事業税〕



   ・確定拠出年金の拠出限度額の引上げについては、「長期検討とする」とされた。





4.介護関係



  (1)介護老人保健施設の割増償却制度の適用期限の延長(2年間)〔法人税〕



  (2)老人性痴呆疾患療養病棟の割増償却制度の適用期限の延長(2年間)〔法人税〕



  (3)介護サービス事業を行うNPO法人(特定非営利活動法人)に関する税制上

   の支援の充実〔法人税、事業税等〕



   ・認定NPO法人の認定要件の緩和。(いわゆるパブリックサポートテストに

    関し、総収入金額のうちに寄附金総額の占める割合を3分の1以上から5分

    の1以上とする(3年間の時限措置)、特定非営利活動が複数の市区町村で

    行われていること等の活動等の範囲に関する要件を削除する等)



   ・認定NPO法人がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の

    事業のために支出した金額については、その収益事業に係る寄附金の額とみ

    なすとともに、寄附金の損金算入限度額を所得の金額の20%とする。





  (4)民間介護保険加入者に係る所得控除の創設〔所得税、住民税〕



   ・生損保控除については、医療、介護など高齢化社会における社会保障政策を

    踏まえた新たな商品開発の進展との関係、地震災害に対する国民的な備えが

    重要であるとの見地、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、

    早急に制度のあり方の抜本的な見直しを行う。



  (5)介護報酬の見直しに伴う介護費用に係る所得控除の取扱い〔所得税、住民税〕



   ・平成15年4月からの介護報酬の見直しに伴い、介護費用に係る所得控除に

    ついて所要の整理を行う。





5.就業環境・勤労者福祉関係



  (1)住宅の取得等をした場合の所得税額の特別控除措置の適用要件の緩和〔所得税〕



   ・住宅ローン減税の適用を受けていた者が転勤等やむを得ない事由により一度

    転出した後、再居住した場合について、一定要件の下、控除の残余期間につ

    いて、住宅ローン減税を再適用する。





  (2)住宅用家屋に係る登録免許税の軽減措置の適用期限の延長(2年間)

   〔登録免許税〕





6.障害者関係



  (1)身体障害者居宅生活支援事業等の用に供する資産に係る非課税措置の継続

   〔固定資産税〕



  (2)介助犬訓練事業及び聴導犬訓練事業の第二種社会福祉事業への追加に伴う

   税制上の所要の措置〔固定資産税等〕



  (3)障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長

   (2年間)〔所得税、法人税〕



  (4)心身障害者を多数雇用する事業所に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減

   措置の適用期限の延長(2年間)〔固定資産税、不動産取得税〕





7.生活衛生関係



  (1)生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限

   の延長(2年間)〔法人税〕



  (2)生活衛生同業組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長(2年間)

   〔法人税〕



  (3)生活衛生同業組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限の延長(2年間)

   〔法人税〕



  (4)中小企業者等の事業基盤強化設備に係る特別償却制度等の適用期限の延長

   (2年間)〔所得税、法人税〕





8.その他



  (1)特殊法人等改革に伴う税制上の所要の措置〔法人税、事業税等〕



   ・特殊法人等整理合理化計画に基づく特殊法人等改革に伴い、税制上の所要の

    措置を講じる。



   <対象法人>

    医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、労働福祉事業団、全国社会保険

    労務士会連合会、勤労者退職金共済機構、日本障害者雇用促進協会、雇用・

    能力開発機構、社会福祉・医療事業団、心身障害者福祉協会、社会保険診療

    報酬支払基金、厚生年金基金連合会、石炭鉱業年金基金、日本労働研究機構





  (2)死亡牛化製処理場に係る税制上の特例措置の創設〔固定資産税、事業所税〕



   ・牛海綿状脳症対策実施のため整備される死亡牛の化製処理の用に供する設備

    等に対する特例措置を新設。



    (固定資産税) 家屋及び償却資産について、課税標準を最初の3年間価格

            の2分の1(2年間)



    (事業所税)  施設に対する資産割に係る非課税措置





  (3)PFI事業の推進を図るための税制上の所要の措置

   〔不動産取得税、固定資産税、都市計画税〕



   ・民間の資金や人材、技術等を効率的に用い、国による公共事業に代わって公

    的インフラの整備・有効活用を促進し、かつ景気対策にも資するPFI事業

    に関し、その形態、進展等を踏まえ、税制上の必要な措置を引き続き検討する。





  (4)産業活力再生特別措置法の抜本強化に伴う税制上の所要の措置

   〔所得税、法人税、登録免許税、不動産取得税〕



  (5)民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関

   する法律(WAC法)に基づき整備される特定民間施設に係る特例措置の適用

   期限の延長(2年間)〔特別土地保有税等〕



  (6)消費生活協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長(2年間)

   〔法人税〕



  (7)自賠責共済の運用益等にかかわる責任準備金の非課税制度の創設〔法人税等〕



   ・自賠責保険の運用益積立金等の非課税措置については、交通事故被害者対策

    等への配慮が必要であることを踏まえ、自賠責保険の公的な性格を反映した

    運用、事業支出等についてのルールの整備を前提に、早急に結論を得るよう、

    引き続き検討を進める。





  (8)外形標準課税の導入についての雇用に配慮した検討〔法人事業税〕



   ・外形標準課税については、平成15年度に資本金1億円超の法人を対象とし

    て、外形標準の割合を4分の1とする外形標準課税制度を創設し、平成16

    年度から適用する。

    なお、制度創設に当たっては、雇用の安定と資本の充実について十分な配慮

    措置を講ずるものとする。

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