平成9年民間主要企業の年末一時金妥結状況の概要は以下のとおりである。
対象企業は、原則として東証又は大証の一部上場企業のうち、資本金20億円以上かつ従業員
1,000人以上の企業であって、労働組合のあるもの284社である。
対前年伸び率は、集計企業のうち前年と比較のできる同一企業について算出したものであり、今回の妥結額と前年の妥結額を比較した伸び率とは必ずしも一致しない。
集計対象企業の妥結時期は、平成9年春闘期(3月)から本年12月にかけての期間である。
1 妥結額は 848,575円、対前年伸び率は 2.8%となった。 (第1表) |
(1) |
妥結額は 848,575円、対前年伸び率は 2.8%となり、昨年年末の伸び率(
2.8%) と同率になった。 |
(2) |
産業別にみると、妥結額の対前年伸び率の最も高い産業は、自動車(
9.5%)で、以下鉄鋼(7.1%)、造船( 3.7%)、機械金属( 3.4%)、新聞・印刷(
3.2%)などの順となっており、逆に最も低い産業は、建設(△11.4%)で、次いで金融(△
1.5%)、石油製品及び車両(それぞれ△ 1.4%)、ガス(△ 0.7%)
、食料品・たばこ(△ 0.2%)などの順となっている。また、妥結額の最も高い産業は、建設(1,356,099円)で、以下放送・通信(
1,054,940円) 、新聞・印刷( 965,842円)、陸運( 934,479円)、食料品・たばこ(911,342円)などの順となっている。逆に最も低い産業は、繊維(660,245円)で、次いで鉄鋼(
670,229円)、車両( 682,472円)、非鉄金属(683,676円)、セメント(
698,127円)などの順となっている。 |
(3) |
妥結時期別の妥結額の伸び率をみると、今期に交渉を行わず夏以前に妥結した企業の伸び率は
3.3%、今期交渉により妥結した企業の伸び率は 2.4%となった。 |
(4) |
妥結額の企業間のバラツキを四分位分散係数によりみると、本年年末は、0.13で、昨年年末(0.13)と同じ値になった。 |

第2表 夏季・年末一時金妥結状況の推移
2 妥結時期のピークは、前年同様、11月(36.6%)
であった。 (第3表) |
今期交渉(10〜12月)を行った企業の妥結時期については、概ね
前年並であり、妥結のピークは11月(全企業 284社のうち36.6%、前年40.5%)となった。
3 年間臨給制を採用する企業の割合は微増し、75.0%となった。 (第4表) |
一時金について年1回一括して労使交渉する年間臨給採用企業の割合は、75.0%となり、前年(73.7%)から微増した。
これを実施形態別にみると、夏冬型が年間臨給実施企業の77.0%、冬夏型が同22.5%となり、年間臨給実施企業に占める夏冬型の割合は前年(77.0%)と同率になった。
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