タイトル:高度熟練技能者 397名を初めて選定



発  表:平成11年3月30日(火)

担  当:職業能力開発局技能振興課

               電 話 03-3593-1211(内線5944)

                   03-3502-6958(直通)

    :中央職業能力開発協会

               電 話 03-5800-3623(直通)








1 背景

  企業の海外移転による産業の空洞化と若年者を中心としたモノづくり離れ、

 さらには熟練技能者の高齢化により、我が国の経済発展を担う優れた熟練技能

 の継承が困難になりつつあり、特にそれぞれ独自の分野で優れた熟練技能の継

 承を必要とする中小企業にあっては、問題は一層深刻になっている。



2 高度熟練技能活用促進事業の概要

  こうしたことから、労働省では、高度な熟練技能の重要性が社会に認識され

 、その維持継承及び活用が図られることを容易にするため、「高度熟練技能活

 用促進事業」を中央職業能力開発協会に委託して実施している。

  事業の主たる内容は、

  (1) 高度熟練技能(者)の選定

  (2) 高度熟練技能(者)に関する情報の収集等

  (3) 高度熟練技能(者)による技能尊重への寄与の促進

 である。



3 高度熟練技能者の選定

  中央職業能力開発協会では高度熟練技能活用促進事業の一環として、高度熟

 練技能者の募集を平成10年11月下旬から平成11年1月末まで行った。そ

 の後、申請者について高度熟練技能審査委員会における審査を行った結果、別

 添のとおり高度熟練技能者397名が初めて選定された。

  高度熟練技能者は、機械では代替できない高度な技能を駆使して、高精度・

 高品質の製品等を作りだすことができる技能者、または機械が作りだす製品と

 同等以上の高精度・高品質の製品を作りだすことができる技能者であり、例え

 ば、機械や加工材料の微妙な状態を、五感を駆使して振動、音、火花の出方な

 どから判断し、1/1000ミリメートル(1ミクロン)単位の加工を行うこ

 とができるというような方々である。

  今回の高度熟練技能者の選定は、自動車製造関係業種、半導体製品製造関係

 業種及び民生用電気製品製造関係業種の3つの産業分野における機械加工、金

 型製作など6職種について行われた。各職種の選定状況は以下のとおりである。
   自動車製造関係業種


  金型製作職種
  機械加工職種
  仕上げ職種
  21名
  93名
  36名
     
   半導体製品製造関係業種
  金型製作職種   14名
     
   民生用電気製品製造関係業種   金型製作職種
  機械加工職種
  48名
 185名
  なお、来年度以降も引き続き対象分野を拡大しながら選定を行う予定である。



4 高度熟練技能(者)の情報の活用

  今回選定された高度熟練技能者及びその高度熟練技能の概要、技能習得プロ

 セスなど、次代の技能者を目指す若者等に役立つ情報を文書化・映像化して保

 存するとともに、中央職業能力開発協会のホームページを通じて提供する予定

 である。

  また、この高度熟練技能者に関する情報の充実を図り、高度熟練技能者とし

 て選ばれた方々が行う、公共訓練施設・民間訓練施設での訓練や企業での研修

 における実技指導やマニュアル等教材の作成への参画等が円滑に行われるよう

 にする他、よりスムーズに技能の継承・移転が図られる方策を検討していくこ

 ととしている。

  さらに、高度熟練技能者には、モノづくりのすばらしさを広く社会にアピー

 ルしていただくため、地域における各種行事や学習会等の場において幅広く活

 躍していただきたいと考えている。



 

別  添 平成10年度 高度熟練技能者名簿

参考資料 平成10年度 高度熟練技能者認定申請募集要領


                        TOP

                     労働省発表資料一覧