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II調査結果の概要(骨子)

1企業調査

(1)教育訓練の実施

 (1)OFF-JTの実施状況(図1)
   平成13年度に従業員(正社員)に対して、OFF-JT(通常の仕事を一時的に離れ
  て行う教育訓練・研修)を「実施した」企業は60.2%、「実施しなかった」企業
  は39.3%になり、約3分の2の企業がOFF-JTを実施している。昨年度調査と比較
  すると、実施率は4.7ポイント低下している。
   企業規模別にみると、規模が大きくなるにつれて実施率は高くなっており、
  「30人未満」の企業では45.0%であるのに対して、「300人以上」の企業では82.
  9%となっている。昨年度調査と比較すると、すべての規模で実施率が低下して
  おり、とくに、「30人未満」で実施率の低下が著しい。
   業種別にみると、「金融・保険・不動産業」(72.2%)で高い反面、「運輸・
  通信業」(45.9%)で低くなっている。昨年度調査と比較すると、製造業を除く
  すべての業種で実施率が低下しており、「建設業」等で実施率の低下が著しい。

図1 OFF−JTの実施率

 (2)外部教育訓練機関の利用状況(図表2)
   平成13年度に外部教育訓練機関を利用してOFF-JTを実施した企業について、教
  育訓練機関別に利用の有無を尋ねたところ(注)、「民間教育訓練機関」が64.6
  %と利用した企業の割合が最も高く、「商工会・商工会議所・経営者団体・業界
  団体・協同組合」(58.3%)、「親会社・関連会社」(27.7%)、「公共職業訓
  練機関(工業技術センタ−・試験場等を含む)」(24.0%)が続いている。
   企業規模別にみると、「民間教育訓練機関」や「親会社・関連会社」の利用の
  割合は規模が大きくなるにつれて高くなっている。一方、「商工会・商工会議
  所・経営者団体・業界団体・協同組合」や「公共職業訓練機関(工業技術センタ
  −・試験場等を含む)」の利用の割合は、企業の規模によらずほぼ一定となって
  いる。

  (注)調査では、OFF-JT(本社の教育部門が管理するもの)の費用総額と、その
    うち外部の教育訓練機関の利用にかかった費用の割合及びその機関別の内訳
    等を尋ねており、機関別の利用の有無は外部教育訓練機関の利用に費用のか
    かった企業のみに対し回答を求めている。
     「OFF-JT(本社の教育部門が管理するもの)の費用」とは、以下のような
    教育訓練に直接必要とされる「直接費用」で本社の教育部門が管理するもの
    であり、訓練に参加する従業員が訓練期間中に仕事からはずれることから生
    じる「機会費用」は含まない。

    (1)社外に支払う人件費(社外の講師・指導員の謝金等)
    (2)研修委託費・参加費(教育訓練を外部機関に委託した場合の費用、
      社外セミナーの参加費、国内外留学費用等)
    (3)外部施設使用料
     (施設・設備の借り上げ金、共同施設の管理費・利用費等)
    (4)社内人件費
     (社内の研修施設及び教育訓練部門の社員の給与・手当等)
    (5)社内の施設・設備管理費
     (建物の減価償却費、光熱費、賃貸料、備品費等)

図表2 外部教育訓練機関の利用状況

 (3)今後の外部教育訓練機関の利用意向(図表3)
   今後の外部教育訓練機関の利用に関する方針は「商工会・商工会議所・経営者
  団体・業界団体・協同組合」(70.3%(「大いに利用したい」21.3%+「ある程
  度利用したい」49.0%))で利用したい企業が最も多くなっており、次いで、
  「民間教育訓練機関」(55.5%(「大いに利用したい」14.1%+「ある程度利用
  したい」41.4%))、「親会社・関連会社」(50.0%(「大いに利用したい」17.
  0%+「ある程度利用したい」33.1%))、公共職業訓練機関(工業技術セン
  ター・試験所等を含む)」47,7%(「大いに利用したい」12.5%+「ある程度利
  用したい」35.2%))が続いている。

図表3 今後の外部の教育訓練期間別の利用方針

 (4)従業員が自ら選択して受けられる研修の提供(図表4)
   従業員が自ら研修コ−ス等を選択して受けられる研修(選択型研修)を「提供
  している」企業は38.4%、「提供を検討中」の企業は25.8%であり、合わせると
  64.2%となっている。
   企業規模別にみると、提供あるいは検討している企業の割合は規模が大きくな
  るにつれて高くなっており、「30人未満」の企業では61.9%(提供35.0%、検討
  26.9%)であるのに対して、「300人以上」の企業では75.6%(提供52.4%、検
  討23.2%)となっている。

図表4 従業員が選択して受けられる研修の導入状況

 (5)計画的なOJTの実施状況(図表5)
   平成13年度に従業員(正社員)に対して、計画的なOJT(注)を「実施した」
  企業は44.8%、「実施しなかった」企業は54.0%であり、約5分の2の企業が計
  画的なOJTを実施している。昨年度調査と比較すると、実施率は3.2ポイント上昇
  している。

  (注)「計画的なOJT」とは、日常の業務につきながら行われる教育訓練のこと
    をいい、教育訓練に関する計画書を作成する等して教育担当者、対象者、期
    間、内容等を具体的に定めて段階的・継続的に実施することをいう。

   企業規模別にみると、規模が大きくなるにつれて実施率は高くなっており、
  「30人未満」の企業では31.3%であるのに対して、「300人以上」の企業では66.
  5%となっている。昨年度調査と比較すると、300人未満の企業で実施率が上昇し
  ている反面、300人以上の企業で実施率が低下している。
   業種別にみると、「卸売・小売業、飲食店」(36.6%)及び「運輸・通信業」
  (30.1%)で実施率が低くなっている。

図表5 計画的なOJTの実施率

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