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第1部 我が国のものづくり基盤技術の現状と課題



 第3章 ものづくり基盤技術に係る学習の現状と課題



  (2)学校教育におけるものづくり教育の現状



    初等中等教育においては、専門高校において実践的な教育を行うとともに、

   体験的な学習等により、児童・生徒のものづくりに対する興味・関心を高める

   ことが重要。また、高等教育においては、ものづくりに関する実践的な教育の

   充実等を図ることが重要。



    初等中等教育においては、



   ○工業高校等の専門高校を中心に実践的な教育を行うとともに、インターンシ

    ップを推進。



   ○学習指導要領に基づき、「総合的な学習の時間」を含めた各教科等において、

    ものづくりなどの体験的な学習を積極的に実施。



   ○科学技術・理科教育を振興。





    インターンシップ実施状況







科学技術・理科大好きプラン







 (具体的事例)



  <高等学校におけるインターンシップの実施例>



    三重県立桑名工業高校では、2年生全員が5日間にわたるインターンシップ

   を実施。生徒は、働くことや職業に対する見方・考え方等についての理解を深

   めるなど、大きな成果をあげている。また、受け入れ企業側からは、会社の活

   性化につながる、これを機会に優秀な生徒が地元に留まってくれれば、との感

   想が寄せられている。





  〔高等学校におけるインターンシップ実施率〕(平成12年度)



    公立高校全体   31.9%



    工業高校     59.9%





  <各教科におけるものづくり教育の例>



   ・小学校段階

     「理科」モーターなどの道具作り

     「図画工作」材料や用具などを使った工作



   ・中学校段階

     「理科」身近な物質を用いた電池の製作

     「美術」工芸の制作

     「技術・家庭」木材加工、金属加工等



   ・高等学校段階

    (普通教育)

     「理科」プラスチック等の材料の構造や性質を探究

     「芸術」工芸のデザインや制作などの創造活動



    (専門教育)

     「工業」ものづくりに必要とされている基礎的・基本的な知識・技術の

     習得等





  <理科におけるものづくりの事例>



    山梨県甲府市立相川小学校では、4年生の理科において、電気のはたらきを

   学習した後、発展的な学習として、レモンや備長炭などで電池をつくり、モー

   ターを回したりした。子どもたちは、身近な素材から電池がつくれることに驚

   き、探究心をふくらませることができた。





   高等教育においては、大学の理工系学部、高等専門学校や専門学校などの高等

  教育機関で、ものづくりを中心に据えた実的な教育を実施するとともにインター

  ンシップを推進。また社会人を対象とした学習機会の拡充を図る。





  高等専門学校の現状
設置者の別 国立 公立 私立 合計
学校数 54(35) 5(2) 3(1) 62(38)
学科数 238 18 10 266
学級数 238 23 11 272
入学定員 9,520 920 435 10,875
在学者数 48,540 4,490 2,230 55,260
   分野別在学者数 



 資料:文部科学省調べ



  (注)( )は、専攻科を設置する学校数で内数である。







 高等専門学校卒業者の職業別就職状況
区分 人数 割合
  (人) (%)
専門的技術的職業従事者 5,281 90.7
  機械・電気技術者 2,843 48.8
鉱工業技術者 475 8.2
土木技術者 711 12.2
その他の技術者 1,160 19.9
その他の専門的職業従 92 1.6
事者    
事務従事者 138 2.4
販売従事者 41 0.7
サービス・保安職業従事者 160 2.8
運輸通信従事者 136 2.3
上記以外の職業 64 1.1
合計 5,820 100.0
 職業別就職状況



 資料:文部科学省「平成13年度学校基本調査報告書」







  インターンシップ実施状況







 (具体的事例)



  <創造的なものづくり教育の実践事例>



    東京工業大学では、「たたら製鉄」として、レンガで反応炉を築き、掃除機

   を利用した送風機を回し、砂鉄と木炭を交互に挿入して実際に鉄を作っている。

    また、できた鉄を日本刀作成と同じ工法を経て包丁を作ることにより、もの

   づくりの楽しさを体得させている。





  <大学におけるインターンシップの実施例>



    金沢大学工学部では、3年次に「学外技術体験講習」を開設し、企業等にお

   いて設計・製造等の実務を1〜2週間体験するインターンシップを実施。





  〔高等教育におけるインターンシップ実施率〕(平成12年度)



    大学 33.5%   短期大学 21.1%   高等専門学校 83.9%





  <大学等体験入学事業の事例>



    明石工業高等専門学校では、平成7年度より体験入学事業を行っており、平

   成13年度は、県内の中学生、保護者703名を対象に、工作機械を使用した

   ものづくり体験、設計製図の体験、航空写真の分析、建築設計や都市計画など

   の体験授業を行った。

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