第1部 我が国のものづくり基盤技術の現状と課題 第2章 ものづくり労働者の確保等の現状と課題 (3)ものづくり労働者の職業能力の評価・職場環境 ものづくり労働者の職業能力が生涯にわたって段階的かつ継続的に開発・向 上されることを促進するため、その職業能力を的確に評価できる制度の整備を 進めることが重要な課題。 ○技能検定はものづくり労働者の能力開発・評価に大きな役割を果たしており、 仕事に対するプロ意識の高揚、従業員の能力開発意欲の喚起、教育訓練目標 の明確化などに貢献。昇格・昇進などの処遇を決める際、技能検定の合格を 考慮している企業も多い。○製造業の大手企業において、技能検定の検定職種が現業系職種を網羅してい る割合は平均で約6割。職業能力のミスマッチ解消等のため、現在評価制度 がない分野についても労働者の知識・技能を適切に評価できるようにするこ とが課題。 ○ものづくり労働者のキャリアの諸段階に応じて、技能検定、高度熟練技能者 認定制度、卓越した技能者表彰制度(現代の名工)等の社会的な評価の仕組 みを通じ、高度の熟練技能形成を促進。
○製造業の労働者に同世代の人と比較した現在の仕事や生活の評価を尋ねると、 「仕事のやりがいが大きい」と評価する人が多い一方で、「収入が少ない」、 「社会的地位が低い」と評価している人が相対的に多い。