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III 政策の方向性





 1 基本的考え方



   こうした仕組み作りはすでに進みつつある複線型人事管理や仕事・能力・成果

  で評価する処遇制度の流れの延長線上にあるものであるが、これを政策的に促す

  ための条件は何か。



   〇正社員の働き方や処遇の見直しも含めた全体の雇用システムのあり方につい

    ての労使の主体的合意形成



    その際、合意形成のかぎとなるのは、



     ・企業側は、自らの活性化のために、パートの戦力化や働きに見合った処

      遇を進めることの重要性を認識しうるか。



     ・労働側は、パートのみならず、正社員の雇用安定のためにも、パートの

      処遇向上を正社員の処遇を見直してでも進めることの重要性を認識しう

      るか。

      ワークシェアリングの議論の中で、こうした認識の醸成により、正社員、

      パート含めた「働きに応じた処遇」の仕組みに向けた労使間の包括的な

      合意形成を推進。





   〇多様な働き方が「望ましい」形で広がっていくための制度改革の着実な実行



     その際、「企業の雇用の選択肢を拡大する方向での制度改革の要素」と

    「多様な働き方の下での雇用保障や処遇についての公正なルールの確保の要

    素」の両面を有機的に組み合わせ、総合的なパッケージとして進めていくこ

    とが大切。



     ・前者の要素としては、派遣労働者の拡大、有期労働契約の拡大など、多

      様な働き方が可能となるような制度改革を実行していくこと、



     ・後者の要素としては、働き方相互の間での処遇に不公平が生じないよう

      に公正なルールを社会的に確立していくこと、が重要。

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