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乳児院における福祉サービスの第三者評価基準(試案)
V 福祉サービスの適切な実施
3 日常生活の援助
V−3−(1)乳幼児の状況にあわせた睡眠環境等に配慮している。
V-3-(1)−6 乳幼児が十分な睡眠をとれるように工夫をしてる。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つ以上を実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・睡眠時の状況を定時的に観察している。
・安心して心地よい眠りにつけるように、入眠時に子守唄を歌ったり、
軽くたたいている。
・さわやかな目覚めになるように、目覚めたときに目線を合わせてやさ
しく声をかけている。
・静かな環境を作っている。
・寝返りのできない乳児を寝かせる場合には仰向けに寝かせている。
V-3-(1)−7 快適な睡眠環境を整えるように工夫をしている。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つを実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・湿温計を備え付け、乾燥時には加湿器、多湿期には除湿器などを使用
し適温・適湿を保っている。
・ベッドの柵の高さは乳幼児の成長に合わせて適正にしている。
・肌に触れる寝具は綿素材を用いている。
・敷布団は硬めで薄いものを用いている。
V-3-(1)−8 気候や場面、発達に応じた適切な衣類管理を行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つ以上を実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・衣類は吸湿性・通気性に富み、清潔を保ち、肌に刺激の少ない材質を
使用している。
・乳幼児の体型を考慮し、活動を阻害せず、着脱が容易なものを使用し
ている。
・気候調節への配慮し、寒暖の状態に適した枚数と厚さにしている。
・寝ている生活が主なときは前開きのものを、動きが活発になったら活
動的で腹部や背中の出ないものを選ぶなど、生活実態に適し、個々の
発達に応じた衣類管理を行っている。
・衣類は個別化し、個人別に収納している。
V-3-(1)−9 快適な入浴・沐浴ができるようにしている。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つを実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・原則として入浴・沐浴を毎日している。
・養育者が一緒に入浴している。
・入浴・沐浴に際し、おもちゃが適度に用意してある。
・タオル・バスタオルは十分に洗濯・乾燥して常に清潔が保たれている。
V-3-(2)乳幼児の食事に適切な配慮を行っている。
V-3-(2)−10 乳幼児に対して適切な授乳を行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内3つを実施
b)以下の項目の内2つを実施
c)以下の項目の内1つ以下の実施
・1ヶ月以上児については自立授乳を基本にして、個々のリズムや体調
に合わせて量や時間を工夫している。
・授乳は、乳幼児を抱きながら、目を合わせ、やさしく言葉をかけてい
る。
・授乳後は、吐乳・溢乳等を防ぐために排気を十分に行っている。
V-3-(2)−11 離乳食を進めるに際しては十分な配慮をしている。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つを実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・ミルク以外のスープや果汁なども少しずつ経験させている。
・個々の状態に合わせて離乳を開始し、さまざまな食べ物に慣れさせて
いる。
・食事をいやがったり遊び出してしまう場合にも、時間をかけてゆった
りとした気持ちで与えている。
・噛む力を養うために、食品の種類や調理方法を工夫している。
V-3-(2)−12 食事がおいしく楽しく食べられるように工夫している。
【判断基準】
a)以下の項目の内6つ以上を実施
b)以下の項目の内5つを実施
c)以下の項目の内4つ以下の実施
・食事場所は明るく楽しい雰囲気で、常に清潔が保たれている。
・食事の食べ方や量にばらつきがあっても全部食べることにこだわらず、
美味しく楽しく食べられるように言葉をかけるなど雰囲気づくりに気
を配っている。
・乳幼児が自分で食べようとする意欲を育てられるように、手に持って
食べやすいものを用意したり、食器やスプーンなどに触れられるよう
に配慮している。
・好き嫌いを無くす工夫や偏食指導については、乳幼児に苦痛を与える
ほどの無理がないようにしている。
・乳幼児が食べやすいように、テーブル、椅子の高さを適切に調整して
いる。
・朝食・昼食・夕食の間隔は適正になっている。
・乳幼児の嗜好を把握して献立に反映している。
V-3-(2)−13 栄養管理に十分な注意が払われている。
【判断基準】
a)以下の項目の内3つを実施
b)以下の項目の内2つを実施
c)以下の項目の内1つ以下の実施
・十分なカロリーと栄養のバランスよい献立が、栄養士により準備され
ている。
・乳幼児の体調、疾病、アレルギー等に配慮した食事を提供している。
・残滓調査を行うなど栄養摂取量の把握に努め、献立に反映している。
V-3-(3) 個別な児童の健康管理に適切に対応する体制をとっている。
V-3-(3)−14 一人ひとりの乳幼児の健康を管理し、異常がある場合には適切に
対応している。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つ以上を実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・健康観察記録を行い、日々の健康状態の変化が一目で把握できるよう
に工夫している。
・人工乳や離乳食を開始した当初には、発疹などのアレルギー症状の出
現に注意し、異常所見が見られた場合には速やかに医師に相談してい
る。
・嘱託医による定期健康診断では、身体発育の状態や精神・運動発達・
情緒的問題等について総合的な診察を行っている。
・乳幼児の条件や集団の構成に応じて、適宜予防接種を行っている。
・体温測定とその評価法などの日常的な健康管理に関するマニュアルを
作成している。
V-3-(3)−15 病・虚弱児等の健康管理について、日常生活上で適切な対応策を
とっている。
【判断基準】
a)以下の項目の内5つ以上を実施
b)以下の項目の内4つを実施
c)以下の項目の内3つ以下の実施
・健康観察記録を行い、日々の健康状態の変化が一目で把握できるよう
に工夫している。
・服薬管理表等により、適切な服薬管理を行っている。
・専門医の協力のもと、乳幼児の健康状態に応じたリハビリテーション
や早期療育プログラム等の発達支援プログラムを作成して、乳幼児の
適切な発達を支援している。
・専門医による定例的な診断を受けている。
・異常所見がみられた場合には、速やかに主治医に相談できる連絡体制
をとっている。
・乳幼児突然死症候群の予防に配慮した取り組みを行っている。
V-3-(3)−16 感染症等の集団発生に対して適切な防止策を講じている。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つを実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・病児を隔離室等に移す等の病児と他児の直接接触を避けるため方策を
とっている。
・乳幼児の発熱が起きた場合、室内の病原体濃度を希釈するために室内
の換気回数を多くしている。
・乳幼児の下痢や嘔吐が発生した場合、流水ブラッシングや消毒液など
による手洗いを行っている。
・乳幼児が伝染病に感染した場合には直ちに嘱託医・保護者に連絡をと
るとともに、嘱託医の指示のもとに隔離などの処置を行い、保健所等
行政機関に連絡するように指針が定められている。
V-3-(4)発達段階に応じた支援を行っている。
V-3-(4)−17 幼児が排泄への意識を持てるように工夫している。
【判断基準】
a)以下の項目の内4つを実施
b)以下の項目の内3つを実施
c)以下の項目の内2つ以下の実施
・おむつ交換のときに、言葉をかけながら身体をさするなどして、おむ
つ交換が心地よいものであることを伝えるように心がけている。
・発達段階に応じて、他の幼児の排泄の様子を見せるなどして排泄への
興味が持てるように配慮している。
・発達段階に応じて、おむつが濡れていないときは、便器に座らせるな
どして自分から便器に座る意欲を持てるように配慮している。
・発達段階に応じて、個々の幼児のリズムに合わせて誘導を行っている。
V-3-(4)−18 発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫している。
【判断基準】
a)以下の項目の内5つ以上を実施
b)以下の項目の内4つを実施
c)以下の項目の内3つ以下の実施
・腹ばいやたて抱きなどをして乳幼児の視野を広げるように工夫をして
いる。
・玩具の色・形や音色などを選ぶように工夫をしている。
・戸外に出かけ、外界への興味を広げられるように配慮している。
・模倣遊びや職員や他の乳幼児とのふれあい遊びを通して、情緒の育成
を図り、人との豊かなかかわりができるように配慮している。
・楽しく遊ぶことができるよう心がけている。
・玩具の一部については個別化を認めている。
V-3-(4)−19 乳幼児と愛着関係を築くように努めている。
【判断基準】
a)以下の項目の内3つを実施
b)以下の項目の内2つを実施
c)以下の項目の内1つ以下の実施
・語りかけや「だっこ」「おんぶ」などの身体のふれあいを通して心の
安定を図り、心地よい状態を共有できるように努めている。
・ゆったりと話しかけることなどによって、保育者とのコミュニケーシ
ョンが楽しいものになるように努めている。
・乳幼児に接しながら、求めているものが何であるのかを理解し、適切
に対応できるように努めている。
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