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児童養護施設における福祉サービスの第三者評価基準(試案)
V 福祉サービスの適切な実施
4 心理的な援助
V-4-(1) 児童のメンタルヘルスに着目した支援を行っている。
V-4-(1)-27 心理的なケアが必要な児童に対して心理的な支援を行っている。
【判断基準】
a)心理的な支援を必要とする児童については、サービス実施計画に基づき
その解決に向けた支援が行われるものと、日常的あるいは随時その支援を
行うものとが明確にされており、いずれにあっても個別・具体的な方法が
明示、実施されている。
b)心理的な支援を必要とする児童については、サービス実施計画に基づき
その解決に向けた支援が行われるものと、日常的あるいは随時その支援を
行うものとが明確にされているが、いずれかにおいて具体的な方法の明示
や実施が十分ではない。
c)心理的な支援を必要とする児童について、サービス実施計画に基づきそ
の解決に向けた支援が行われるものと、日常的あるいは随時その支援を行
うものとが明確にされておらず、いずれにおいても具体的な方法が明示さ
れていない。
5 家族との関係
V-5-(1) 家族とのつながりに配慮している。
V-5-(1)-28 児童相談所等と連携し、児童と家族との関係調整を図ったり、家族
からの相談に応じる体制づくりができている。
【判断基準】
a)以下の項目の内7つ以上を実施
b)以下の項目の内5つ〜6つを実施
c)以下の項目の内4つ以下の実施
・家族との関係調整については、定例的かつ必要に応じて児童相談所等
と協議を行っている。
・施設と家族が信頼関係を構築できるよう努めている。
・自立支援計画について、入所後も適宜、家族と確認しあう機会を設け
ている。
・家庭訪問や親との面接などを通じて家族への働きかけを行い、親子関
係の継続や修復に努めている。
・面会、外出、一時帰宅後の児童の様子を注意深く観察し、家族からの
不適切な関わりの発見に努めている。
・児童の日常生活の様子について家族に伝えている。
・児童に関係する学校、地域、施設等の予定や情報を、家族に随時知ら
せている。
・児童が家族との交流を望む場合、積極的に支援している。
V-5-(1)-29 児童と家族の関係づくりのために面会、外出、一時帰省などを積
極的に行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内5つ以上を実施
b)以下の項目の内4つを実施
c)以下の項目の内3つ以下の実施
・面会、外出、一時帰宅については、規程を設けている。
・面会、外出、一時帰宅については、規程に基づいて実施している。
・一時帰宅については、児童相談所と協議して行っている。
・親子が必要な期間一緒に過ごせるような宿泊設備を施設内に設けてい
る。
・児童が家族との交流を希望しない場合にも、その意思を尊重している。
・家族等との交流の乏しい児童には、短期里親やボランティア家庭等で
の家庭生活を短期間体験させるなどの配慮をしている。
6 退所時の対応
V-6-(1) 退所前の援助が適切に行われている。
V-6-(1)-30 退所後の社会生活を考慮した援助を行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内6つ以上を実施
b)以下の項目の内5つを実施
c)以下の項目の内4つ以下の実施
・退所にあたってはケース会議を開催し、児童相談所と協議し、適切な
退所時期、退所後の生活等について検討している。
・一人での生活体験の場を提供するなど、具体的な体験を通して生活技
術を体得できるように援助している。
・早い時期から進学するか、就職するかなど、児童が自己決定するため
に情報提供を行っている。
・アルバイトや職場実習などの機会を通じて、社会性の伸長を行ってい
る。
・他機関との連携や社会資源の活用など、多角的な援助体制を整備して
いる。
・保護者に対して、児童の進路や退所後の援助について、理解と協力が
得られるよう働きかけを行っている。
・自立への不安に対して適切な援助を行っている。
V-6-(1)-31 退所後の社会生活がスムーズに行われるよう退所時に十分な援助
を行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内6つ以上を実施
b)以下の項目の内5つを実施
c)以下の項目の内4つ以下の実施
・保護者の元へ帰る児童については、継続した養育がスムーズに行われ
るよう、入所中の児童に関する情報を保護者に十分伝えている。
・転出証明、学校関係書類、母子健康手帳、健康保険証等必要な書類を
返却し、その際に施設と児童が相互に書類上で確認している。
・入所時預かったものがあれば、児童、親、施設が相互に書類上で確認
している。
・児童や親と連絡が取れるように、退所後の住所や電話番号等を確認し
ている。
・児童や親の要請があればいつでも相談にのれる体制であることを伝え
ている。
・退所の際には、保護者や関係機関に迎えに来てもらえるよう働きかけ
ている。
・退所の際には、施設全体で祝福し、激励している。
V-6-(1)-32 家庭復帰に向けて、児童相談所及び児童と家族への連絡調整機能
を果たしている。
【判断基準】
a)以下の項目の内8つ以上を実施
b)以下の項目の内6つ〜7つを実施
c)以下の項目の内5つ以下の実施
・児童個々の自立(家庭復帰)への目標づくりと達成度の確認を、児童
とともに行っている。
・児童の成長の様子を、保護者や児童福祉司に定例的に報告している。
・児童の成長、発達に併せた保護者との関係づくりを援助している。
・児童の家庭復帰に向けた家族の目標を、施設も共有している。
・家庭復帰に際し、施設や学校、地域等の人間関係との分離不安に配慮
している。
・児童、保護者及び児童相談所への連絡調整の担当職員を決めている。
・家庭復帰に向けて、必要に応じて施設内において家族宿泊訓練を行っ
ている。
・家庭復帰に向けて、必要に応じて帰宅訓練や試験登校などを実施して
いる。
・家庭復帰に向けて、復帰先の地域ネットワークづくりに協力している。
V-6-(1)-33 児童福祉施設等へ措置変更する場合には、児童と家族、児童相談
所及び措置変更先の施設等への連絡調整機能を果たしている。
【判断基準】
a)以下の項目の内5つ以上を実施
b)以下の項目の内4つを実施
c)以下の項目の内3つ以下の実施
・児童の措置変更について事前に保護者がきちんと納得できる説明をし
ている。
・措置変更先の施設などを見学させる等、措置変更先の施設等について
保護者に情報提供している。
・面会を行う等、措置変更先の施設職員や里親と保護者との関係づくり
を援助している。
・面会を行う等、児童が措置変更先の施設等にスムーズに適応できるよ
う援助している。
・措置変更に際し、施設や学校、地域等の人間関係との分離不安に配慮
している。
・児童、保護者、児童相談所及び措置変更先の施設等への連絡調整の担
当職員を決めている。
V-6-(1)-34 電話や訪問などにより、積極的に退所後の援助を行っている。
【判断基準】
a)以下の項目の内5つ以上を実施
b)以下の項目の内4つを実施
c)以下の項目の内3つ以下の実施
・電話・来園等の機会を通じて、退所した児童の状況を把握するように
努めている。
・就職先の雇用主との連絡を取り、職場への定着指導に努めている。
・保護者との連絡を取り、家庭に戻った児童が安定して生活できるよう、
相談・援助を行っている。また、必要に応じて児童福祉司等、関係者
の協力も得ている。
・退所後数年が経過した児童についても継続的にアフターケアを行う体
制がある。
・退所した児童や保護者が相談しやすい雰囲気をつくっている。
・必要に応じて再入所させたり自立援助ホームを活用するなどの必要な
援助を行っている。
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