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     児童養護施設における福祉サービスの第三者評価基準(試案)

V 福祉サービスの適切な実施
 
 1.援助の基本

  V-1-(1) 児童の援助に対する基本的な姿勢について配慮し、支援している。

   V-1-(1)-1 児童の最善の利益に配慮した養育を行っている。

    【判断基準】

    a)以下の項目の内5つ以上を実施
    b)以下の項目の内4つを実施
    c)以下の項目の内3つ以下の実施

      ・児童と職員との関係においては信頼関係が構築できるよう配慮し、努

       めている。
      ・調和のとれた最大限の発達を保障するために、常に、個々の児童の発

       達段階や課題に考慮した援助を行っている。
      ・児童の意向を可能な限り尊重し、個性や自主性を育てている。
      ・児童に対する受容的・支持的関わりに心がけ、個々の児童の気持ちを

       汲み取っている。
      ・児童からの相談を引き出せるように働きかけを意識的に行っている。
      ・児童に逸脱不適応行動等があった場合、単にその行為を取り上げて叱

       責するのでなく、背景にある心理的課題を把握に努めている。

   V-1-(1)-2 児童の協調性を養い、社会的ルールを尊重する気持ちを育てている。

    【判断基準】

    a)以下の項目の内4つ以上を実施
    b)以下の項目の内3つを実施
    c)以下の項目の内2つ以下の実施

      ・普段から、職員が振る舞いや態度で模範を示している。
      ・施設生活・社会生活の規範等守るべきルール、約束ごとを理解できる

       よう児童に説明し、責任ある行動をとるよう指導している。
      ・施設生活を通して他者への心づかいや配慮する心が育まれるよう支援

       している。
      ・地域社会への積極的参加を図る等、社会的ルールを習得する機会を設

       けている。
      ・施設のルール、約束ごとについては、話し合いの場が設定されており、

       必要に応じて変更している。

   V-1-(1)-3 職務上職員が知り得た個人情報について秘密保持を徹底している。

    【判断基準】

    a)個人情報の取扱については、規程を定め、管理できる体制ができている。
    b)−
    c)個人情報の取扱については、規程を定めておらず、管理できる体制がで

     きていない。

   V-1-(1)-4 適切な児童の援助を行うため、職員間で打ち合わせをするなど引き

        継ぎ体制が確立している。

    【判断基準】

    a)一人ひとりの児童の動きや施設全体の動き等について書面にて引き継ぎ

     を行うとともに、口頭においても引き継ぎを行う体制になっている。
    b)一人ひとりの児童の動きや施設全体の動き等について書面か、口頭かい

     ずれかによって引き継ぎを行う体制になっている。
    c)書面であったり口頭であったりと、職員によってまちまちで引き継ぎを

     行う体制ができていない。
 
 2 入所時の対応

  V-2-(1) 入所前の援助が適切に行われている。

   V-2-(1)-5 児童相談所と連携しながら、児童、保護者及びその家族の状況を

        把握し、受け入れ準備を行っている。

    【判断基準】

    a)以下の項目の内4つ以上を実施
    b)以下の項目の内3つを実施
    c)以下の項目の内2つ以下の実施

      ・児童相談所と連携して、自立支援に必要な児童、保護者及びその家族

       に関する情報を得ており、不十分な場合にはすぐに補完している。
      ・入所前協議を行い、入所予定児童の受け入れ準備や初期の処遇につい

       て検討している。
      ・受け入れるための児童集団の雰囲気づくりなど、施設全体が入所予定

       の児童との出会いを楽しみに受け入れ準備を行っている。
      ・協議において決まった担当職員は、繊細な配慮により、部屋・靴箱・

       ロッカーに名前を入れる等の準備を行っている。
      ・入所前の見学などに適切な対応をしている。

  V-2-(2) 入所時の援助が適切に行われている。

   V-2-(2)-6 入所の際に、児童又はその家族等に対して適切な情報提供を行う

        など、児童の不安を解消し施設生活を理解できるよう適切な援助を

        行っている。

    【判断基準】

    a)以下の項目の内7つ以上を実施
    b)以下の項目の内5つ〜6つを実施
    c)以下の項目の内4つ以下の実施

      ・児童が入所することを歓迎している温か味のある雰囲気の中で、児童

       に安心感を与えるような配慮がなされている。
      ・親しみやすい言葉かけをしたり、目線の高さを合わせて話をするなど、

       児童の気持ちを理解し共感するよう取り組んでいる。
      ・施設での生活について、パンフレット・ビデオ等を用いて、年齢や発

       達段階に応じて説明を分かりやすく本人や家族等に説明している。
      ・児童や家族等に施設の運営方針、援助方針とともに、面会、帰宅、外

       出、外泊等の規則や保護者からの衣類、玩具、学用品、小遣い等の取

       扱等について具体的に説明し、納得してもらっている。
      ・児童の負傷、病気等の際の対応について説明している。
      ・予防接種などについては十分に説明し、事前に承諾書をとっている。
      ・児童の長所・能力、日常生活の癖、食べ物の好き嫌い、病歴等、援助

       にあたって留意すべき児童の情報を得ている。
      ・適切な支援を行うため、転出証明、母子健康手帳、健康保険証、国籍

       を証明する書類、金銭、所持品等の確認をしている。

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