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     保育所における福祉サービスの第三者評価基準(試案)

I.子どもの発達援助

 I−4 保育内容

  I−4−(14) 子ども一人一人への理解を深め、受容しようと努めている。


    【判断基準】

    ア 子どもに分かりやすい温かな言葉づかいで、おだやかに話している。
    イ 「早くしなさい」「だめ」「いけません」などの指示語や禁止語を不必

     要に用いないようにしている。
    ウ 子どもの質問に対して、「待ってて」「あとで」などと言わずに、なる

     べくその場で対応している。
    エ 「できない」「やって」などと言ってくる子どもに対して、その都度気

     持ちを受け止めて対応している。
    オ 登園時に泣く子どもに対して、放っておいたり、叱ったりするのではな

     く、抱いたり、やさしく声をかけたりしている。
    カ 「いや」などと駄々をこねたり、自分を表現する力が十分でない子ども

     の気持ちをくみとろうとしている。

      ※「子どもを受容しようと努めている」ことについて、(上記ア〜カの

       判断とは関係なく)子どもの発達段階及びその時の保育状況等により

       総合的に判断してください。

      a. 子どもをよく受容しようと努めている。
      b. どちらかといえば子どもを受容しようと努めている。
      c. 子どもを受容しようと努めていない。

  I−4−(15) 基本的な生活習慣や生理現象に関しては、一人一人の子どもの状況

        に応じて対応している。


    【判断基準】

    ア トイレに行くことをせかしたり、一斉に強制したりせずに、一人一人の

     リズムに合わせるようにしている。
    イ おもらしをしたときに、その都度やさしく対応し、子どもの心を傷つけ

     ないよう配慮している。
    ウ 着脱は、せかしたり、着せてしまったりしないで、自分でやりたいとい

     う子どもの気持ちを大切にしている。
    エ 子どもが自分で着脱しやすいように、衣類の整理の仕方や着方の援助に

     ついて工夫がみられる。
    オ 休息時には、子守歌を歌ったり、背中を軽くたたくなど、安心して心地

     よい眠りにつけるように配慮している。
    カ 休息時間以外でも、一人一人の状況に応じて、眠ったり、身体を休ませ

     たりしている。
    キ 休息時間に、眠くない子どもへの配慮をしている。

      ※「基本的な生活習慣や生理現象について、一人一人の子どもの状況に

       応じて対応している」ことについて、(上記ア〜キの判断とは関係な

       く)子どもの発達段階及びその時の保育状況等により総合的に判断し

       てください。

      a. 一人一人の子どもの状況に応じてよく対応している。
      b. どちらかといえば対応している。
      c. 対応していない。

  I−4−(16) 子どもが自発的に活動できる環境が整備されている。


    【判断基準】

    ア 子どもの発達段階に即した玩具や遊具が用意されている。
    イ 子どもが自由に素材や用具などを自分で取り出して遊べるように工夫さ

     れている。
    ウ 好きな遊びができるコーナーが用意されている。
    エ 子どもが自由に遊べる時間が確保されている。

      ※「子どもが自発的に活動できる環境が整備されている」ことについて、

       (上記ア〜エの判断とは関係なく)子どもの発達段階及びその時の保

       育状況等により総合的に判断してください。

      a. 環境がよく整備されている。
      b. どちらかといえば整備されている。
      c. 整備されていない。

  I−4−(17) 身近な自然や社会と関われるような取組みがされている。


    【判断基準】

    ア 子どもが動植物に接する機会をつくっている。
    イ 園庭や散歩で拾ってきた葉や木の実など、季節感のある素材を活用して

     いる。
    ウ 散歩などで地域の人たちに接する機会をつくっている。
    エ 地域の公共機関を利用するなど、社会体験が得られる機会をつくってい

     る。

      ※「自然や社会と関わるような取組み」について、(上記ア〜エの判断

       とは関係なく)園の実態等を考慮しながら総合的に判断してください。

      a. よく取組みがなされている。
      b. どちらかといえば取組みがなされている。
      c. 取組みがなされていない。

  I−4−(18) さまざまな表現活動が体験できるように配慮されている。


    【判断基準】

    ア 子どもが自由に歌ったり、踊ったりする場面がみられる。
    イ さまざまな楽器を楽しめるようになっている。
    ウ クレヨン・絵具・粘土・紙など、様々な素材を子どもたちが自分で使え

     るように用意されている。
    エ 子どもの作品が、工夫して飾られたりするなど、丁寧に扱われている。
    オ 身体を使った様々な表現遊びが取り入れられている。
    カ 絵本の読みきかせや紙芝居などを積極的に取り入れている。

      ※「表現活動が体験できるような配慮」について、(上記ア〜カの判断

       とは関係なく)子どもの発達段階及びその時の保育状況等により総合

       的に判断してください。

      a. よく配慮されている。
      b. どちらかといえば配慮されている。
      c. 配慮されていない。

  I−4−(19) 遊びや生活を通して、人間関係が育つよう配慮している。


    【判断基準】

    ア 子ども同士の関係をよりよくするような適切な言葉かけをしている。
    イ けんかの場面では、危険のないように注意しながら、子どもたち同士で

     解決できるように援助している。
    ウ 順番を守るなど、社会的ルールを身につけていくように配慮している。
    エ 当番活動などが日常生活の中で行われている。
    オ 異年齢の子どもの交流が行われている。

      ※「子ども同士の人間関係が育つような配慮」について、(上記ア〜オ

       の判断とは関係なく)子どもの発達段階及びその時に保育状況等によ

       り総合的に判断してください。

      a. よく配慮されている。
      b. どちらかといえば配慮されている。
      c. 配慮されていない。

  I−4−(20) 子どもの人権に十分配慮するとともに、文化の違いを認め、互いに

        尊重する心を育てるよう配慮している。


    【判断基準】

    ア 子どもが、自分のして欲しいこと、して欲しくないことをはっきり言う

     ことができ、他の子どもの同様の気持ちや発言についても考えられるよう

     配慮している。
    イ 一人一人の子どもの生活習慣や文化、考え方などの違いを知り、それを

     尊重する心を育てるよう努めている。
    ウ 子どもの人権への配慮や互いを尊重する心を育てるための具体的な取り

     組みを行っている。
    エ 子どもの権利擁護に関する研修等に職員が参加している。

      ※「子どもの人権の配慮、互いの尊重」について、(上記ア〜エの判断

       とは関係なく)総合的に判断してください。

      a. よく配慮されている。
      b. どちらかといえば配慮されている。
      c. 配慮されていない。

  I−4−(21) 性別による固定的な観念や役割分業意識を植え付けないよう配慮し

        ている。


    【判断基準】

    ア 「男の子だからめそめそするな」などと、子どもの態度について、性別

     による固定的な対応をしていない。
    イ 「それは女の子の色」などと、子どもの服装について、性別による固定

     的な対応をしていない。
    ウ 「それは女の子の遊び」などと、子どもの遊び方について、性別による

     固定的な対応をしていない。
    エ 「男の子だから家事をすることはない」などと、育児、家事、介護など

     について、性別による固定的な対応をしていない。
    オ 「それは男の子の仕事」などと、職業について、性別による固定的な対

     応をしていない。

      ※「性別による固定的な観念や役割分業意識を植え付けないような配慮」

       について、(上記ア〜オの判断とは関係なく)総合的に判断してくだ

       さい。

      a. よく配慮されている。
      b. どちらかといえば配慮されている。
      c. 配慮されていない。

  I−4−(22) 乳児保育のための環境が整備され、保育内容に配慮がみられる。


    【判断基準】

    ア 授乳は、子どもが欲しがる時に、抱いて目をあわせたり、微笑みかけた

     りしながらゆったりと飲ませている。
    イ 離乳食については、家庭と連携をとりながら、一人一人の子どもの状況

     に配慮して行っている。
    ウ おむつ交換時は、やさしく声をかけたり、スキンシップをとりながら行

     っている。
    エ 一人一人の生活リズムに合わせて睡眠をとることができるように、静か

     な空間が確保されている。
    オ 外気に触れたり、戸外遊びを行う機会を設けている。
    カ 喃語には、ゆったりとやさしく応えている。
    キ 顔を見合ってあやしたり、乳児とのやりとりや触れ合い遊びを行ってい

     る。
    ク たて抱き、腹這いなど、子どもの姿勢を変えている。
    ケ 寝返りのできない乳児を寝かせる場合には仰向けに寝かせている。
    コ 特定の保育士との継続的な関わりが保てるよう配慮している。

      ※「乳児保育のための保育環境の整備、保育内容への配慮」について、

       (上記ア〜コの判断とは関係なく)子どもの発達段階及びその時の保

       育状況等により総合的に判断してください。

      a. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られている。
      b. どちらかといえば、整備、配慮が図られている。
      c. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られていない。

  I−4−(23) 長時間保育のための環境が整備され、保育内容に配慮がみられる。


    【判断基準】

    ア 家庭的な雰囲気が感じられる。
    イ 好きなことをしてくつろげる空間や遊具がある
    ウ 長時間保育を受ける子どもに夕食や軽食が提供されている
    エ 一人一人の子どもの要求に応えて、抱いたり、声をかけるなど、ゆった

     りと接している。
    オ 異年齢の子ども同士で遊べるように配慮されている。
    カ 子どもの状況について、職員間の引継ぎを適切に行っているか。

      ※「長時間保育のための保育環境の整備、保育内容への配慮」について、

       (上記ア〜カの判断とは関係なく)園の実態等を考慮しながら総合的

       に判断してください。

      a. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られている。
      b. どちらかといえば、整備、配慮が図られている。
      c. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られていない。

  I−4−(24) 障害児保育のための環境が整備され、保育内容に配慮がみられる。


    【判断基準】

    ア 園舎はバリアフリーの配慮がみられる。
    イ 障害のない子どもの、障害児への関わりに対して配慮している。
    ウ 障害児の特性に合わせた園での生活の仕方の計画が立てられている。
    エ 障害児保育について保育所全体で定期的に話し合う機会を設けている。
    オ 障害児保育担当者は、障害児保育に関する研修を受けている。
    カ 医療機関や専門機関から相談や助言を必要に応じて受けられる。
    キ 保護者に、障害児に関する適切な情報を伝えるための取組みを行ってい

     る。

      ※「障害児保育のための保育環境の整備、保育内容への配慮」について、

       (上記ア〜キの判断とは関係なく)園の実態等を考慮しながら総合的

       に判断してください。

      a. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られている。
      b. どちらかといえば、整備、配慮が図られている。
      c. 保育環境の整備、保育内容への配慮が図られていない。

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