松下電器産業株式会社 「イコールパートナーシップ・アクションプログラムによる女性幹部の計画的育成」 電気機械器具製造業 従業員数約45,100人(うち女性 約7,400人) |
取組背景 1986年の均等法施行以降、男女の均等推進に努めた結果、役付者の女性比率に成 果は見られたものの、幹部への登用までには至っていない状態であったため、1999 年に均等法改正を機に、男女が対等な立場で能力を発揮していく「イコールパート ナーシップ」の実現を目指して、女性社員の積極的な活用に向けた取組を行うこと になった。 取組体制 本社人事部門、各本部・分社、事業場の人事が一体となって推進している。 取組目標 1999年に「女性登用推進3カ年計画」を策定し、グループ全体(約80,800人)で 以下のような目標を立てた。 (1)女性役付者を約600人から、2002年4月までに1200人以上にする (2)1200人の役付者のうち200人以上を課長職として登用・配置する 取組内容 1999年から推進している取組は、「風土改革」と「均等推進」「両立支援」を切 り口としており、女性の積極的な登用については、「イコールパートナーシップ・ アクションプログラム」として「意欲ある女性社員の積極的な登用」、「女性幹部 社員の計画的な育成」、「事業や経営に対する視野・識見を拡大する取組」、「女 性社員が能力を発揮しやすい環境整備」などの施策を行っている。2001年4月から は、「女性かがやき本部」を設置し、取組を加速させていく。 (1)イコールパートナーシップ・アクションプログラム (1)女性社員登用推進3カ年計画 意欲ある女性を積極的に登用するために具体的な目標値を設定し、登用に向 けた計画的育成を推進している。本社がガイドラインを示し、各本部・分社、 事業部が独自に策定した。 (2)女性幹部開発システム推進計画 3年以内に部課長職への登用を検討している者の育成・配置等について、個 別計画を作成し、それをもとに推進していく。女性幹部社員の計画的な育成を ねらいとして各本部・分社、事業部が策定した。 (3)イコールパートナーシップ・コミッティー 女性社員の事業や経営に対する視野の拡大をねらいとして、分社ごとに設置 したコミッティーであり、分社長に対して経営提言やイコールパートナーシッ プの実現に向けた提言等を行う。参加メンバーは主に主事・主任(管理職前の 資格)の女性が中心となっている。 (4)ワーク&ライフサポートプログラム 女性が能力を発揮しやすい環境整備をねらいとして「ホームページによる情 報提供」、「ベビーシッター会社との法人契約」、「ワーク&ライフサポート 勤務」等の取組を実施した。「ワーク&ライフサポート勤務」は、業務の専門 性・裁量性等を勘案して会社が認めた社員については、育児・介護の負担が大 きい一定期間、在宅勤務や隔日勤務などフレキシブルな勤務ができる制度であ る。 (2)イコールパートナーシップ研修 意識・風土改革をねらいとして、1999年度に幹部社員を対象に研修を実施した。 今後は、新任の幹部社員を対象に実施していく。 (3)イコールパートナーシップ重点推進月間 6月を「イコールパートナーシップ推進重点月間」と定め、各種啓発活動を全社 あげて重点的に実施した。具体的には、全社フォーラムの開催、ホームページの開 設、啓発ポスターの掲示等を行った。各事業場でも懇親会やフォーラムを開催した。 取組の結果 女性の勤続年数は、2000年には15.5年になった。また、役付の女性も367人から 534人へと増加した。 今後の課題 女性の挑戦意欲・専門能力を最大限活かすため、「責任ある」基幹ポストへの任 命、上位職への登用を加速する。また、それらの女性を「ロールモデル」として機 能させ、全体の意識・風土改革に結びつけていく。