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労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案要綱





第一 労働安全衛生法の一部改正関係



 一 深夜業に従事する労働者の健康管理の充実



  (一) 深夜業に従事する労働者であって、その深夜業の回数その他の事項が

     深夜業に従事する労働者の健康の保持を考慮して労働省令で定める要件

     に該当するものは、労働省令で定めるところにより、自発的に受けた健

     康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができるものとす

     ること。また、事業者は、労働省令で定めるところにより、当該健康診

     断の結果を記録しておかなければならないものとすること。(第六十六

     条の二及び第六十六条の三関係)



  (二) 事業者は、(一)の健康診断の結果(有所見者に係るものに限る。)

     に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、労働省

     令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならないものとす

     ること。(第六十六条の四関係)



  (三) 事業者は、(二)の医師の意見を勘案し、その必要があると認めると

     きは、当該労働者の実情を考慮して、作業の転換、深夜業の回数の減少

     等の措置を講じなければならないものとすること。(第六十六条の五第

     一項関係)



  (四) 事業者は、(一)の健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要が

     あると認める労働者に対し、医師、保健婦又は保健士による保健指導を

     行うよう努めなければならないものとすること。(第六十六条の七第一

     項関係)







 二 化学物質等による労働者の健康障害を防止するための措置の充実



  (一) 労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの等(以

     下「通知対象物」という。)を譲渡し、又は提供する者は、文書の交付

     その他労働省令で定める方法により通知対象物の名称、成分及びその含

     有量、物理的及び化学的性質、人体に及ぼす作用等の事項を、譲渡し、

     又は提供する相手方に通知しなければならないものとすること。ただし

     、主として一般消費者の生活の用に供される製品として通知対象物を譲

     渡し、又は提供する場合については、この限りでないものとすること。

     (第五十七条の二第一項関係)



  (二) 通知対象物を譲渡し、又は提供する者は、(一)により通知した事項

     に変更を行う必要が生じたときは、文書の交付その他労働省令で定める

     方法により、変更後の事項を、速やかに、譲渡し、又は提供した相手方

     に通知するよう努めなければならないものとすること。(第五十七条の

     二第二項関係)



  (三) (一)及び(二)の通知に関し必要な事項は、労働省令で定めるもの

     とすること。(第五十七条の二第三項関係)



  (四) 事業者は、一又は二により通知された事項を、当該事項に係る化学物

     質等を取り扱う各作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付ける

     ことその他の労働省令で定める方法により、当該物を取り扱う労働者に

     周知させなければならないものとすること。(第百一条第二項関係)



  (五) 労働大臣は、労働者の健康障害を生ずるおそれのある化学物質等によ

     る労働者の健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置の適切かつ有

     効な実施を図るため必要な指針を公表するものとすること。(第五十八

     条第二項関係)



  (六) 労働大臣は、五の指針に従い、事業者に対し、必要な指導等を行うこ

     とができるものとすること。(第五十八条第三項関係)







 三 検査業者の相続、合併等の場合の承継



   検査業者がその事業の全部を譲り渡し、又は検査業者について相続若しくは

  合併があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二

  人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選

  定したときは、その者。以下同じ。)若しくは合併後存続する法人若しくは合

  併により設立された法人は、その検査業者の地位を承継するものとすること。

  ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法

  人若しくは合併により設立された法人が欠格事由に該当するときは、この限り

  でないものとすること。(第五十四条の五関係)







 四 労働安全コンサルタント試験及び労働衛生コンサルタント試験の民間機関へ

  の委託等



  (一) 労働大臣は、労働大臣の指定する者に労働安全コンサルタント試験又

     は労働衛生コンサルタント試験の実施に関する事務(合格の決定に関す

     る事務を除く。)を行わせることができるものとすること。(第八十三

     条の二及び第八十三条の三関係)



  (二) 労働大臣は、労働大臣の指定する者に労働安全コンサルタント及び労

     働衛生コンサルタントの登録の実施に関する事務(登録の取消しに関す

     る事務を除く。)を行わせることができるものとすること。(第八十五

     条の二及び第八十五条の三関係)







 五 その他



   その他所要の規定の整備を行うものとすること。









第二 作業環境測定法の一部改正関係



 一 作業環境測定機関の相続、合併等の場合の承継



   作業環境測定機関がその事業の全部を譲り渡し、又は作業環境測定機関につ

  いて相続若しくは合併があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相

  続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その

  作業環境測定機関の地位を承継するものとすること。ただし、当該事業の全部

  を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設

  立された法人が欠格事由に該当するときは、この限りでないものとすること。

  (第三十四条第一項関係)



 二 その他

   その他所要の規定の整備を行うものとすること。









第三 施行期日等



 一 この法律は、平成十二年四月一日から施行するものとすること。ただし、第

  一の三及び第二については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内にお

  いて政令で定める日から施行するものとすること。(附則第一条関係)



 二 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の

  整備を行うものとすること。(附則第二条、第四条及び第五条関係)



 三 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第一の二に係る規

  定の実施状況等を勘案し、これらの規定について検討を加え、必要があると認

  めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。(附則

  第三条関係)


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