(別紙) 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案要綱 第1 労働安全衛生法の一部改正関係 1 深夜業に従事する労働者の健康管理の充実 (1) 深夜業に従事する労働者であって、その深夜業の回数その他の事項が深夜 業に従事する労働者の健康の保持を考慮して労働省令で定める要件に該当す るものは、労働省令で定めるところにより、自発的に受けた健康診断の結果 を証明する書面を事業者に提出することができるものとすること。また、事 業者は、労働省令で定めるところにより、当該健康診断の結果を記録してお かなければならないものとすること。 (2) 事業者は、(1)の健康診断の結果(有所見者に係るものに限る。)に基 づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、労働省令で定め るところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならないものとす ること。 (3) 事業者は、(2)の医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると 認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、作業の転換、深夜業の回数の 減少等の措置を講じなければならないものとすること。 (4) 事業者は、(1)の健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要がある と認める労働者に対し、医師、保健婦又は保健士による保健指導を行うよう 努めなければならないものとすること。 2 化学物質等による労働者の健康障害を防止するための措置の充実 (1) 表示対象物又はそのほかの労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で労 働大臣が指定するものを譲渡し、又は提供する者は、労働省令で定めるとこ ろにより、これらの物の名称、成分及びその含有量、物理的及び化学的性質、 人体に及ぼす作用等を記載した文書を、譲渡し、又は提供する相手方に交付 しなければならないものとすること。ただし、主として一般消費者の生活の 用に供される製品としてこれらの物を譲渡し、又は提供する場合については、 この限りでないものとすること。 (2) 事業者は、(1)の文書を、当該文書に係る化学物質等を取り扱う各作業 場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付けること等により、当該物を取 り扱う労働者に周知させなければならないものとすること。 (3) 労働大臣は、労働者の健康障害を生ずるおそれのある化学物質等による労 働者の健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施 を図るため必要な指針を公表するものとすること。 (4) 労働大臣は、(3)の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指 導等を行うことができるものとすること。 3 検査業者の相続、合併等の場合の承継 検査業者がその事業の全部を譲り渡し、又は検査業者について相続若しくは合 併があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以 上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定した ときは、その者。以下同じ。)若しくは合併後存続する法人若しくは合併により 設立された法人は、その検査業者の地位を承継するものとすること。ただし、当 該事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合 併により設立された法人が欠格事由に該当するときは、この限りでないものとす ること。 4 労働安全コンサルタント試験及び労働衛生コンサルタント試験の民間機関への 委託等 (1) 労働大臣は、労働大臣の指定する者に労働安全コンサルタント試験又は労 働衛生コンサルタント試験の実施に関する事務(合格の決定に関する事務を 除く。)を行わせることができるものとすること。 (2) 労働大臣は、労働大臣の指定する者に労働安全コンサルタント及び労働衛 生コンサルタントの登録の実施に関する事務(登録の取消しに関する事務を 除く。)を行わせることができるものとすること。 5 その他 その他所要の規定の整備を行うものとすること。 第2 作業環境測定法の一部改正関係 1 作業環境測定機関の相続、合併等の場合の承継 作業環境測定機関がその事業の全部を譲り渡し、又は作業環境測定機関につい て相続若しくは合併があったときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人 若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その作業環 境測定機関の地位を承継するものとすること。ただし、当該事業の全部を譲り受 けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法 人が欠格事由に該当するときは、この限りでないものとすること。 2 その他 その他所要の規定の整備を行うものとすること。 第3 施行期日等 1 この法律は、平成12年4月1日から施行するものとすること。ただし、第1 の3及び第2については、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において 政令で定める日から施行するものとすること。 2 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整 備を行うものとすること。