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別紙



平成10年度全国労働衛生週間実施要綱

1 趣 旨  全国労働衛生週間は、昭和25年に第1回が実施されて以来、本年で第49回を 迎えることとなった。この間、全国労働衛生週間は、国民の労働衛生に関する意識 を高揚させ、さらに、事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた労働者の健 康確保と快適な職場環境の形成に大きな役割を果たしてきたところである。昨年の 我が国の職業性疾病による被災者は8,557人と、10年前の約3分の2にまで 減少したが、依然として腰痛等の負傷に起因する疾病や、じん肺症等の職業性疾病 は後を絶たず、有機溶剤中毒、一酸化炭素中毒、酸素欠乏症等の災害も繰り返し発 生している状況にある。また、フロンの代替物による健康障害など化学物質の有害 性を踏まえた対策が不十分なことによる災害も発生しているほか、ごみ焼却施設に おけるダイオキシン問題など新しい課題も生じている。  さらに、最近における労働者の健康をめぐる状況をみると、高齢化の進展等によ り、脳・心臓疾患につながる所見を有する労働者の増加、仕事や職場生活で不安、 悩み、ストレスを感じる労働者の割合の増加等の問題が生じている。折から我が国 経済は厳しい局面にあるが、21世紀を担う人々が安全で健康に働ける職場の実現 を目指すことは主要な課題である。  こうしたことから、本年度より新たにスタートした第9次の労働災害防止計画に 基づき職業性疾病予防対策の一層の推進とともに、事業場における産業保健活動の 活性化、心とからだの健康づくり(THP)、快適な職場環境の形成等を推進する ことが必要である。  これらの対策を推進するに当たっては、事業者が率先して労働衛生管理活動に取 り組むとともに、産業医、衛生管理者等の労働衛生管理スタッフが中核となって、 作業環境管理、作業管理及び健康管理に積極的に取り組んでいくことが重要である。  さらに、職場における健康づくりを実効あるものとするためには、労働者自身が 積極的に職場の健康管理活動に参加し、自主的に健康管理を行うことが必要である。  このため本年度は、     「快適職場に明るい笑顔 あなたが主役の健康づくり」 をスローガンとして全国労働衛生週間を展開し、事業場における労働衛生意識の高 揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の一層の促進を図ることとする。 2 スロ−ガン  快適職場に明るい笑顔 あなたが主役の健康づくり 3 期 間  準備期間  9月1日から9月30日まで  本週間  10月1日から10月7日まで 4 主唱者  労働省、中央労働災害防止協会 5 協賛者  建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事 業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、鉱業労働災害防止協会 6 協力者  関係行政機関、地方公共団体、安全衛生関係団体、労働団体及び事業者団体 7 実施者  各事業場 8 主唱者、協賛者及び協力者の実施事項  (1) ポスター、パンフレット等の配布、テレビ、ラジオ、新聞等の報道機関、    政府関係広報誌及びインターネットを通じての広報活動  (2) 全国労働衛生週間地方大会等の開催  (3) 労働衛生管理優良事業場、功労者等の表彰  (4) 事業場の実施事項についての指導援助  (5) その他「全国労働衛生週間」にふさわしい行事の実施 9 事業場の実施事項  (1)準備期間中に実施する事項   イ 労働衛生管理体制の確立とその効果的な活動の促進    (イ) 事業者による労働衛生管理に関する年間計画に基づく実践    (ロ) 労働者の健康管理等に関する知識について必要な要件を備えた産業医      、衛生管理者、安全衛生推進者等の労働衛生管理体制の整備・充実とそ      の職務の明確化及び連携の強化    (ハ) 作業主任者の選任と職務の励行    (ニ) 現場管理者の職務権限の確立    (ホ) 衛生管理に関する規定の点検、整備・充実    (ヘ) 衛生委員会の開催とその活動の活性化    (ト) 労働衛生管理に関する情報伝達ルートの確立    (チ) 労働衛生関係情報の収集・整理及び周知   ロ 作業環境管理に関すること    (イ) 有害なガス、蒸気、粉じん、騒音等の有害要因に労働者がさらされる      職場及び酸素欠乏危険場所における作業環境測定の実施及びその結果に      基づく作業環境の改善    (ロ) 局所排気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置等の適正      な稼働並びに検査及び点検の実施の徹底    (ハ) 粉じん作業場所等健康障害のおそれのある場所の清掃及び清潔の保持      の徹底    (ニ) 換気、採光、照明等の状態の点検及び改善   ハ 作業管理に関すること    (イ) 自動化、省力化等による作業負担の軽減の促進    (ロ) 作業の動作、姿勢、速度、継続時間等の作業方法の調査、分析及びそ      の結果に基づく作業方法の改善    (ハ) 作業管理のための各種作業指針の周知徹底    (ニ) 適切な呼吸用保護具等の着用状況の確認と保守管理体制の充実    (ホ) 休憩、休養設備の点検、整備・充実   ニ 健康管理に関すること    (イ) 健康診断の実施と健康診断結果に基づく医師の意見を勘案した就業場      所の変更、作業転換、労働時間の短縮、作業環境測定の実施等の就業上      の措置の徹底    (ロ) 一般健康診断結果の労働者への通知の徹底    (ハ) 一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師、保健婦等によ      る保健指導の実施    (ニ) 心とからだの健康づくり(THP)の継続的かつ計画的な実施のため      の体制の整備・充実   ホ 粉じん障害防止に関すること     粉じん障害防止総合対策推進強化月間としての次の事項への取組    (イ) 作業環境測定及びその結果に基づく適正な作業環境管理の実施の徹底    (ロ) 局所排気装置等の適正な稼働並びに検査及び点検の実施の徹底    (ハ) 大清掃運動等によるたい積粉じん対策の実施    (ニ) アーク溶接作業等に係る粉じんの有害性の認識の徹底、粉じん作業場      の明示及び呼吸用保護具の適切な使用の徹底    (ホ) じん肺健康診断に基づく就業上の措置等の徹底    (ヘ) 粉じん障害防止に関する教育の徹底    (ト)じん肺有所見者に対する健康教育の実施   ヘ  化学物質の管理に関すること    (イ) 化学物質等の危険有害性等の表示に関する指針(MSDS)に基づく      情報の周知及び化学物質の適切な取扱い等所要の措置の実施    (ロ) 化学物質のばく露防止、作業主任者の選任、人体に及ぼす影響・取扱      上の注意事項等の掲示、漏えい・発散等のない保管等適切な管理の推進    (ハ) 化学物質の有害性の調査及びその結果に基づく措置の確実な実施    (ニ) がん原性、変異原性等の有害性を有する化学物質の管理の推進    (ホ) 石綿の適正な管理の推進    (ヘ) 建設業における有機溶剤中毒予防のためのガイドラインに基づく有機      溶剤中毒の防止    (ト) 建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインに基づく一      酸化炭素中毒の防止   ト 騒音障害防止のためのガイドラインに基づく騒音障害防止対策の徹底   チ 労働衛生教育に関すること    (イ) 酸素欠乏危険作業従事者等有害業務従事者に対する特別教育又はそれ      に準じた教育の実施    (ロ) 衛生管理者、作業主任者等労働衛生管理体制の中核となる者に対する      能力向上教育の実施   リ 快適職場指針に基づく快適な職場環境の形成の促進   ヌ 高年齢労働者の心身の機能の変化等に配慮した作業環境、作業方法の改善    等の対策の促進   ル 職場における腰痛予防対策指針による腰痛の予防対策の推進   ヲ 職場における頸肩腕症候群予防対策の推進   ワ 職場における喫煙対策のためのガイドラインに沿った喫煙対策の推進   カ 寄宿舎、食堂等における調理器具、食器、食材等の衛生管理の徹底   ヨ 職場におけるエイズ問題に関するガイドラインに基づく、エイズ問題の自    主的な取組   タ 労働時間等労働条件の改善等の促進   レ その他    (イ) ポスター、スローガン等の掲示    (ロ) 労働衛生提案制度等の活用及びその実践    (ハ) 清潔保持のための洗身、手洗い等の設備の整備・充実    (ニ) 労働衛生標識等の整備    (ホ) 工場の緑化美化運動の推進    (ヘ) 家庭における健康に関する知識の普及  (2)本週間中に実施する事項   イ 労働衛生旗の掲揚及びポスター、スローガン等の掲示   ロ 事業者又は総括安全衛生管理者による職場巡視   ハ 労働衛生に関する展示会、講習会、研究会、討論会、見学会等の開催   ニ 有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した    実地訓練等の実施   ホ 労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰   ヘ 労働衛生に関する図画、作文、写真、標語等の掲示   ト その他労働衛生の意識高揚のための行事の実施



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