3.ジョイントシート・シール材 (2)規格・関係法令等 ○日本工業規格「JIS R3453 ジョイントシート」 非石綿ジョイントシートへの移行を図る等のため、従来の石綿ジョイントシ ートの規格が平成13年1月に改正され、性能規定化等が図られている。 ○日本工業規格「JIS F7102 船舶機関部管系用ガスケット及びパッキン使用基準」 石綿シール材が船舶用シール材としてほとんど使用されなくなったため、平 成9年4月に改正され、石綿シール材の使用基準については本規格から削除さ れている。
ガスケットの種類:
|
パッキンの種類:
|
流体の種類(蒸気、燃焼排ガス、空気、給水・ボイラ水等、燃料油・潤滑油等、 熱媒油)、圧力、温度に応じ使用するガスケット及びパッキンの種類が規定されて いる。 ○日本工業規格「JIS F0602 船舶貨物管系用非石綿系ガスケット選定基準」 平成7年6月に非石綿系のものの基準が制定されている。 ○石油学会規格「配管用ガスケットの基準JPI-7S-81-96」 配管用のガスケットは、使用流体、圧力、温度、フランジのガスケット座等 を考慮して選定することとされており、石綿製品と非石綿製品では下表のとお り使用温度、圧力、厚さが異なる。
種類 | 最高使用温度 | 最高 使用圧力 |
厚さ | |
非石綿 | ゴムシートガスケット | 100℃ | 1MPa | 3mm |
テフロンソリッド ガスケット |
100℃ | 2.8mm | ||
膨張黒鉛シート ガスケット |
400℃ | 0.8mm, 1.6mm | ||
膨張黒鉛テープの 渦巻き形ガスケット |
450℃ | 4.5mm | ||
石綿 | 石綿ジョイントシート ガスケット |
300℃ | 3.4MPa | 0.8mm, 1.5mm, 3mm |
石綿テープの 渦巻き形ガスケット |
600℃ (水系流体の場合) |
4.5mm |
○石油学会規格「石油工業用石綿ジョイントシートJPI-7S-4-1998」 ○石綿ジョイントシートの寸法、性能、試験方法等を規定している。 ○石油学会規格「配管用渦巻き形ガスケットJPI-7S-41-1998」 渦巻き形ガスケットの寸法、性能、試験方法等を規定している。 ○石油学会規格「配管用PTFE被覆ガスケット及びPTFEソリッドガスケットJPI- 7S-75-1998」 非石綿製品であるPTFE(四フッ化エチレン樹脂)被覆ガスケット及びPTFEソ リッドガスケットの寸法、性能、試験方法等を規定している。 ○石油学会規格「配管用膨張黒鉛シートガスケットJPI-7S-79-1998」 非石綿製品である膨張黒鉛シートガスケットの寸法、性能、試験方法等を規 定している。本規格の適用範囲の解説では、一部の流体(酸化性酸、酸化性塩、 ハロゲン化合物等)については、流体の濃度、温度、圧力によっては黒鉛が酸 化し、長期的にはシール性に影響を与える場合があるとして使用しない方がよ いとされている。 ○SOLAS条約及び船舶安全法に基づく船舶設備規程においては石綿を含む材料の 使用が禁止されているが、「摂氏350℃を超える高温下又は7MPaを超え る圧力下で火災若しくは腐食の危険性又は毒性がある液体の循環に使用される 水密継手及び内張」についてはその適用が除外されている。 ○英国の石綿禁止法令においては、次のものは施行時期を猶予されている。 ・危険性、侵食性、毒性、可燃性、高可燃性の範疇に入るものに使用される圧 縮石綿繊維ガスケット、 ・航空機・ヘリコプターの部品で安全運転に必要なもの ・石綿とフェノール・ホルムアルデヒド混合樹脂又はクレオソートとの樹脂製 品で、 □回転式真空ポンプ用ベーン □回転式コンプレッサー用ベーン □ベアリング・ハウジング □最低直径150mmのスプリットフェースシールで水力発電タービン、化石 燃料、原子力発電所の冷却用ポンプからの漏水を防止するもの ・蒸気ボイラのドアを密閉する成形ジョイントで、石綿を含む布で作られたも のでゴム又はエラストマーポリマーを透過防止加工したもの m フランス の石綿禁止法令においては、次のものは施行時期を猶予されている。 ・工業プロセスにおいて高温又は高圧下で火災・腐食・毒性のうち2つのリス クが組み合わさっている場合に流体循環に用いられる密閉パッキン・ジョイ ント ・航空機用品 ・羽根式真空ポンプ、コンプレッサー用品