7.安全衛生管理対策の強化 (1) 労働安全衛生マネジメントシステムの活用促進 労働災害のリスクを合理的かつ体系的に減少させ、また、安全衛生管理のノウ ハウの的確な継承を図るため、さらに、就業形態の多様化等により、事業場にお いて指揮命令系統が異なる労働者の混在が高まる中で、的確な安全衛生管理を進 める仕組みとして、労働安全衛生マネジメントシステムは有効である。したがっ て、業種、企業規模等に応じた労働安全衛生マネジメントシステムの導入を積極 的に推進する。 労働安全衛生マネジメントシステムの普及定着を促進するため、事業者の意欲 を高める観点から、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に基づ くシステムが適切に導入され、かつ、安全衛生水準の段階的向上のためシステム が適切に運用されているかを、事業場からの求めに応じ外部から確認することの できる仕組みの導入を検討する。 また、事業場がリスクアセスメントを効果的に実施するためのマニュアルを業 種別に策定し、その普及を図ること等により、中小規模事業場の自律的な安全衛 生管理の促進を図る。 さらに、自律的な安全衛生管理が定着し、安全衛生水準が優良な事業場に対し ては、事業者の安全衛生管理活動を促進させるためのインセンティブ措置の在り 方等を検討しその導入を図る。 (2) 中小規模事業場対策 中小規模事業場における労働災害の減少を図るため、法令で義務づけられた労 働災害防止措置の履行の徹底を図るとともに、自主的安全衛生活動の促進を図る。 そのため、労働災害防止団体による自主的安全衛生活動の促進とその活動の中 小規模事業場への浸透を強化するとともに、安全衛生情報の提供及びアクセスの 強化を図る。安全衛生情報の提供に当たっては、労働保険事務組合、中小企業団 体等のチャンネルを積極的に活用し、併せて、中小規模事業場からの求めに応じ メールマガジン等の手法により安全衛生情報を提供する方式の導入を図る。 また、国から支援策を受けている期間だけでなく、その後も継続して自主的安 全衛生活動に取り組めるよう、中小規模事業場内における自律的な安全衛生管理 の仕組みづくりの整備等を積極的に推進する。