6.労働者の健康確保対策 労働者の健康確保対策については、特に、産業保健関連機関の連携を強化しつ つ、次のような対策を推進する。 (1) 職業性疾病予防対策 じん肺の新規有所見者を減少させるため、アーク溶接作業について工学的対策 の改善を図り、その導入を促進するとともに、新規有所見者の多発している業種 等を重点対象とした粉じん障害防止対策の徹底を図る。また、トンネル建設作業 に従事する労働者の粉じんへのばく露を低減するため、「ずい道等建設工事にお ける粉じん対策に関するガイドライン」に基づく対策の徹底を図る。さらに、離 職者を含めて、じん肺有所見者に対し、合併する肺がんの発生リスクに応じた健 康管理を推進する。 作業環境管理については、個人ばく露量の測定の活用に係る検討を含め、作業 の実態に合った測定方法を確立し、屋外作業場における粉じんへのばく露の低減 を図る。さらに、作業環境測定結果を活用した効果的、効率的な作業環境管理の 手法の確立を図る。防じんマスクについては、その性能の確保を図るため、買取 試験を実施する。 腰痛等の減少を図るため、引き続き「職場における腰痛予防対策指針」による 腰痛等の予防対策の徹底を図るとともに、人間工学的な観点等も踏まえた指針の 見直し等の検討を行う。 VDT作業における健康障害の防止を図るため、「VDT作業における労働衛生管理 のためのガイドライン」の普及・定着を図る。 騒音障害及び振動障害の減少を図るため、騒音障害防止対策及び振動障害防止 対策の実効性が確保されるよう見直しを検討し、必要な措置を講じる。 また、さく岩機、ピックハンマー等建設作業用の機器により騒音障害、振動障 害が多発している現状に鑑み、機器を使用する事業者が機器の購入に際し低騒 音・低振動のものを選択しやすくするため、騒音・振動発生機器について製造者 による騒音・振動レベルの表示の導入を図る。 さらに、機械の包括的な安全基準に基づく措置の一環として、騒音・振動発生 機器の製造事業者等に対して騒音、振動等の有害要因に係るリスク低減措置の実 施、情報の提供等の徹底を図る。 また、電離放射線障害の発生の防止を図るため、被ばくの低減化等電離放射線 障害防止対策の徹底を図る。 加えて、熱中症について、適切な予防対策の徹底を図る。