4.労働災害防止を推進する上での課題



  労働災害防止を推進する上での主要な課題は、次のとおりである。





 (4) 安全衛生管理をめぐる課題



  ア 新しい安全管理手法の普及の必要性



    長期的には労働災害が大幅に減少する等の成果が得られてきたが、依然とし

   て危険有害な職場環境の改善が進んでいない事業場も少なくなく、無災害を継

   続している事業場においてもリスクが存在していることからその低減化をさら

   に図っていく必要がある。また、事業場内の多様なリスクへの対応、就業形態

   の多様化等を踏まえた的確な安全衛生管理の推進も必要である。

    このため、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」及びこの指

   針を踏まえた業種別の「労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン」等

   に基づき、「計画−実施−評価−改善」のサイクルによるリスクの評価、安全

   衛生水準の確保・向上を進めるシステムの普及・定着を図る必要がある。





  イ 事業者及び労働者による自主的安全衛生活動の推進等の必要性



    労働災害防止対策を実効あるものにするためには、当事者である事業者及び

   労働者が積極的に職場の安全衛生管理に参画・協議し、安全衛生管理活動を推

   進することが肝要であり、そのような場として安全衛生委員会が設けられている。

    しかしながら、その活動は必ずしも活発でなく、また、労働安全衛生法令で

   期待されている機能が十分果たされているとは言い難い状況にある。

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