中央労働基準審議会建議「労働時間短縮のための対策について」(概要) (平成12年11月30日) 1 これまでの時短の取組による成果と今後の課題 ○「年間総実労働時間1800時間」の政府目標 ↓ 平成11年度は1848 時間 (1)年次有給休暇の取得促進、(2) 完全週休2日制の普及促進、(3) 所定外 労働の削減を柱として取組 → 法定労働時間が短縮されてきた中で、主として所定 労働時間の短縮に向けた取組による成果。 (1)(3)は十分な成果が見られず、政府目標も未達成。 ↓ 今後(1)(3)に重点を置き、「年間総実労働時間1800時間」 の政府目 標の実現に向け引き続き時短施策が必要。 2 時短促進法の廃止期限の延長 労働時間の現状や21世紀初頭までの10年間程度の指針である現行経済計画 ↓ 平成13年3月31日に廃止期限を迎える「労働時間の短縮の促進に関する臨時措 置法(以下「時短促進法」という。)」を5年程度延長することが必要。 3 今後の労働時間短縮施策の重点事項 今後の施策として行政が検討している次の取組は妥当。 (1)自律的、効率的に働くための弾力的な労働時間制度の導入等労働時間制度の 改善の支援 時短に向けて、フレックスタイム制等の弾力的な労働時間制度の導入に取り組む 事業主に対する支援。 (2)「長期休暇」や連続休暇の普及促進その他の年休の取得促進 年休と週休日等により2週間程度連続する「長期休暇(L休暇)」の早期導入や 年休の計画的付与の導入に取り組む事業主等に対する支援。 (3)効率的に働き労働時間短縮を図るための企業内の体制整備 事業主等に対し研修等の支援。 4 その他時短促進法に関連して検討が行われた事項 (1)時間外労働の限度基準の水準 当面現行基準を維持し、一定期間経過後見直しの必要性を検討。 (2)サービス残業の解消 現行法の履行確保の観点から所要の措置を実施することが適当。 使用者が始終業時刻を把握し、労働時間を管理するという労働基準法上の当然の 前提を改めて明確化 → 始終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を 明らかにした上で適切な指導。 (3)休日労働の削減 ガイドラインについて、専門家会議の議論を踏まえ、審議会において検討。 (4)時間外・休日労働及び深夜業の割増率の水準 当面現行水準を維持し、一定期間経過後見直しの必要性を検討。 なお、上記(1)及び(4)については、早急に見直すべきであるとの意見が労 働者側委員からあった。