(別添1) 平成12年度「外国人労働者問題啓発月間」実施要領 1 趣旨 経済社会の国際化の進展に伴い、現下の景気動向に左右されるとはいえ、就労を 目的として我が国に入国、在留する外国人は増加傾向にあり、我が国労働市場に及 ぼす影響は看過できないものとなっている。 こうした中で政府は、専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れをより積極的 に推進するが、いわゆる単純労働者の受入れについては、我が国の経済社会と国民 生活に多大な影響を及ぼすこと等から十分慎重に対応するとの方針を維持してきて いる(平成11年8月閣議決定「第9次雇用対策基本計画」等)。 この政府方針の下で、労働省では、「外国人雇用状況報告制度」による外国人の 雇用状況の把握、「外国人雇用サービスセンター」及び「外国人雇用サービスコー ナー」の運営による外国人求職者に対する職業紹介、「日系人雇用サービスセンタ ー」及び「日伯雇用サービスセンター」の運営による日系人の就労適正化対策、 「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に基づく事業主等への啓発・指導 等を行うとともに、事業場に対する的確な監督指導により、法定労働条件の履行確 保を図るほか、主要な都道府県労働局への「外国人労働者相談コーナー」の設置等 により、外国人労働者や外国人労働者を使用する事業主からの労働条件等に関する 相談に応じているところである。 また、法務省及び警察庁と合同で、中央において「不法就労外国人対策等関係局 長連絡会議」及び「不法就労外国人対策等協議会」を、各ブロックにおいて「不法 就労等外国人労働者問題地方協議会」を、それぞれ開催するなど、不法就労に対し て実効ある対処を行うための関係機関との連携の強化を図っているところである。 しかしながら、一般に外国人労働者は日本語や我が国の労働慣行に習熟していな いこと等から、就労に当たって各種のトラブル等が生じており、また、依然として 不法就労者数は高水準で推移している。 そこで、平成12年度においても、政府全体で取り組む「外国人労働者問題啓発月 間」(以下「月間」という。)において、労働省は、事業主、事業主団体等を始め、 広く国民一般を対象として、 @ 我が国政府の外国人労働者受入れに関する基本方針 A 外国人労働者の適正な雇用管理と労働条件及び安全衛生の確保対策 (「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」の周知を含む。) B 不法就労対策 C 外国人雇用状況報告制度 D 日系人の就労適正化対策 を中心に啓発・指導等を集中的に行うこととする。 なお、法務省等16省庁は、別途当該期間において各種行事を行う予定である。 2 実施期間 平成12年6月1日(木)から6月30日(金)までの1ヶ月とする。 3 主 唱 労働省 4 標 語 「外国人労働者の適正な雇用・労働条件の確保と不法就労の防止に理解と協力 を」 5 実施事項 (1) 中央で実施する事項 ア 広報活動の実施 月間における活動の趣旨について、記者発表を行うほか、労働省関係広報誌 を活用すること等により、国民一般に対する広報活動を行う。 イ ポスター・パンフレットの作成 月間のポスターを作成するとともに、我が国政府の外国人労働者受入れに関 する基本方針、外国人雇用に係る留意点についての事業主向けパンフレットを 作成する。 ウ 事業主団体等への協力要請 主要な事業主団体等を通じ、傘下団体・会員企業等に対して、外国人労働者 問題に関する積極的な周知・啓発への協力を求める。 特に、「外国人雇用状況報告制度」の一層の周知を図るため、主要な事業主 団体等に協力を要請する。 また、不法就労の防止に関しては、法務省及び警察庁と合同で、主要な事業 主団体等に対し、説明及び要請を行う。 エ 関係機関への協力要請 関係機関及びそれら機関を通じて関係団体等に対し、本月間中のポスターの 掲示、パンフレットの配布等、本月間実施に係る協力を要請する。 (2) 地方で実施する事項 ア 広報活動の実施 都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所は、適宜広報資料を作 成し地方公共団体等の広報誌の活用及び報道機関への協力依頼等による広報活 動を行う。 イ ポスターの掲示・パンフレットの配布 都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所は、施設内にポスター を掲示するとともに、事業主団体、関係機関等に対してその掲示の協力を求め る。また、パンフレットを施設内に配置する等により事業主を中心に配布する。 ウ 事業主団体等を通じた周知、啓発及び協力要請 都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所は、事業主団体等を通 じた積極的な周知、啓発及び協力要請を行う。 特に、「外国人雇用状況報告制度」について事業主への周知の徹底による報 告数の増加を図るため、事業主団体等に協力を要請する。 また、不法就労の防止に関しては、都道府県労働局、地方入国管理局及び都 道府県警察との連携を図りつつ、事業主団体等に対し説明及び協力要請を行う。 エ 個々の事業主に対する周知、啓発及び指導 都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所は、事業主等に対し、 あらゆる機会を利用して外国人の雇用・労働条件に係る取扱い等について適切 な情報提供や積極的な周知、啓発及び指導を行うとともに、「外国人雇用状況 報告制度」についての周知を行う。また、外国人労働者が多い都道府県におい ては、労働基準監督署及び公共職業安定所において、適正な労働条件及び安全 衛生の確保と雇用管理の改善等を目的として、事業所を訪問し、指導・監督を 行う。 また、厳しい雇用情勢の下で失業する外国人労働者の増加も懸念されること から、月間中の様々な機会をとらえて求人開拓等を実施する。 なお、事業所訪問の際に、不法就労に当たると思われる事案を承知した場合 には、事業主に対する注意喚起、指導を行うほか、必要に応じ、地方入国管理 局等への情報提供を行う。 オ 各種会合における事業主等に対する周知・啓発等の実施 都道府県労働局及び公共職業安定所は、その実情に応じ、本月間中に開催さ れる外国人雇用管理セミナーの他、学卒求人説明会等の事業主が集まる会合に おいて外国人雇用対策等に係る資料を配付する等、周知・啓発に努める。 また、都道府県労働局及び公共職業安定所においては、関係行政機関等と連 携しつつ、都道府県の実情に応じて、学識経験者、関係機関の協力を得ながら、 事業主等に対する講演会を開催し、外国人労働者問題全般にわたる正しい理解 と協力を求める。特に、「外国人雇用状況報告制度」や、日伯間の公的就労経 路の事業主等への周知の機会として積極的に活用する。 カ 「外国人雇用サービスコーナー」等の活用について 「外国人雇用サービスコーナー」を設置している都道府県労働局及び公共職 業安定所においては、その開設場所、業務内容等について積極的に広報活動を 行い、同コーナーについて広く周知するように努める。 また、「外国人労働者相談コーナー」を設置している都道府県労働局におい ては同コーナーを中心として、相談業務を行う。