(別紙) 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針の一 部を改正する案 第二の一を次のように改める。 一 短時間労働者の適正な労働条件の確保 (一) 労働条件の明示 イ 事業主は、短時間労働者に係る労働契約の締結に際し、当該短時間労働 者に対して、労働基準法の定めるところにより、次に掲げる労働条件に関 する事項を明らかにした文書を交付するものとする。 (イ) 労働契約の期間 (ロ) 就業の場所及び従事すべき業務 (ハ) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時 間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合に おける就業時転換 (ニ) 賃金(ロの(ロ)に定めるものを除く。以下このにおいて同じ。 )の決定、計算及び支払の方法並びに賃金の締切り及び支払の時期 (ホ) 退職 ロ 事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労 働者に対して、次に掲げる労働条件に関する事項その他の労働条件に関す る事項を明らかにした文書(雇入通知書)を交付するように努めるものと する。ただし、当該労働条件が、イにより交付する文書において、又は就 業規則を交付することにより明らかにされている場合は、この限りでない 。 (イ) 昇給 (ロ) 退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与、一箇月を超える期間の 出勤成績によって支給される精勤手当、一箇月を超える一定期間の 継続勤務に対して支給される勤続手当及び一箇月を超える期間にわ たる事由によって算定される奨励加給又は能率手当 (ハ) 所定労働日以外の日の労働の有無 (ニ) 所定労働時間を超えて、又は所定労働日以外の日に労働させる程 度 (ホ) 安全及び衛生 (ヘ) 教育訓練 (ト) 休職 (二) 就業規則の整備 イ 短時間労働者を含め常時十人以上の労働者を使用する事業主は、労働基 準法の定めるところにより、短時間労働者に適用される就業規則を作成す るものとする。 ロ 事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変 更しようとするときは、当該事業所に、短時間労働者の過半数で組織する 労働組合がある場合においてはその労働組合、短時間労働者の過半数で組 織する労働組合がない場合においては短時間労働者の過半数を代表する者 (ハ及びニにおいて「過半数代表者」という。)の意見を聴くように努め るものとする。 ハ 過半数代表者は、次のいずれにも該当する者とする。 (イ) 労働基準法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にあ る者でないこと。 (ロ) 就業規則の作成又は変更に係る意見を事業主から聴取される者を 選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による 手続により選出された者であること。 ニ 事業主は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者にな ろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由とし て不利益な取扱いをしないようにするものとする。 (三) 労働時間 イ 事業主は、短時間労働者の労働時間及び労働日を定め、又は変更するに 当たっては、当該短時間労働者の事情を十分考慮するように努めるものと する。 ロ 事業主は、短時間労働者について、できるだけ所定労働時間を超えて、 又は所定労働日以外の日に労働させないように努めるものとする。 (四) 年次有給休暇 事業主は、短時間労働者に対して、労働基準法の定めるところにより、 別表に定める日数の年次有給休暇を与えるものとする。 (五) 期間の定めのある労働契約 イ 事業主は、期間の定めのある労働契約の更新により一年を超えて引き続 き使用するに至った短時間労働者について、労働契約の期間を定める場合 には、当該期間をできるだけ長くするように努めるものとする。ただし、 当該期間は一年(満六十歳以上の短時間労働者との契約については三年) を超えないものとする。 ロ 事業主は、期間の定めのある労働契約の更新により一年を超えて引き続 き短時間労働者を使用するに至った場合であって当該労働契約を更新しな いときは、少なくとも三十日前に更新しない旨を予告するように努めるも のとする。 (六) 解雇の予告 イ 事業主は、短時間労働者を解雇しようとする場合においては、労働基準 法の定めるところにより、少なくとも三十日前にその予告をするものとす る。三十日前に予告をしない事業主は、三十日分以上の平均賃金を支払う ものとする。 ロ イの予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、 その日数を短縮することができるものとする。 (七) 退職時の証明 事業主は、短時間労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種 類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場 合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合におい ては、労働基準法の定めるところにより、遅滞なくこれを交付するものと する。 (八) 賃金、賞与及び退職金 事業主は、短時間労働者の賃金、賞与及び退職金については、その就業 の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとす る。 (九) 健康診断 事業主は、短時間労働者に対し、労働安全衛生法の定めるところにより 、次に掲げる健康診断を実施するものとする。 イ 常時使用する短時間労働者に対し、雇入れの際に行う健康診断及び一年 以内ごとに一回、定期に行う健康診断 ロ 深夜業を含む業務等に常時従事する短時間労働者に対し、当該業務への 配置替えの際に行う健康診断及び六月以内ごとに一回、定期に行う健康診 断 ハ 一定の有害な業務に常時従事する短時間労働者に対し、雇入れ又は当該 業務に配置替えの際及びその後定期に行う特別の項目についての健康診断 ニ その他必要な健康診断 (十) 妊娠中及び出産後における措置 事業主は、妊娠中及び出産後一年以内の短時間労働者に対し、労働基準 法及び雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法 律(昭和四十七年法律第百十三号)の定めるところにより、次に掲げる措 置を講ずるものとする。 イ 産前及び産後の休業の措置 ロ 健康診査等を受けるために必要な時間の確保及び健康診査等に基づく医 師等の指導事項を守ることができるようにするために必要な措置 ハ その他必要な措置 第二の二の(三)を次のように改める。 (三) 育児休業及び介護休業に関する制度等 事業主は、短時間労働者について、育児休業、介護休業等育児又は家族 介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の定め るところにより、次に掲げる措置を講ずるものとする。 イ 育児休業又は介護休業に関する制度(日々雇用される者及び期間を定め て雇用される者に対するものを除く。) ロ 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する者又は要介護状態にある 家族を介護する者に対する深夜業の制限の措置(日々雇用される者に対す るものを除く。) ハ 一歳に満たない子を養育する者又は要介護状態にある家族を介護する者 に対する勤務時間の短縮等の措置(日々雇用される者に対するものを除く 。) 第二の二の(六)を次のように改める。 (六) 通常の労働者への応募機会の付与等 事業主は、通常の労働者を募集しようとするときは、現に雇用する同種の 業務に従事する短時間労働者に対し、あらかじめ当該募集を行う旨及び当該 募集の内容を周知させるとともに、当該短時間労働者であって通常の労働者 として雇用されることを希望するものに対し、これに応募する機会を優先的 に与えるよう努めるものとする。 第二の三の次に次のように加える。 四 短時間雇用管理者の選任等 (一) 短時間雇用管理者の選任 事業主は、常時十人以上の短時間労働者を雇用する事業所ごとに、短時 間雇用管理者を選任し、次に掲げる業務を担当させるよう努めるものとす る。 イ 本指針に定める事項その他の短時間労働者の雇用管理の改善等に関す る事項について、事業主の指示に基づき必要な措置を検討し、実施する こと。 ロ 短時間労働者の労働条件等に関し、短時間労働者の相談に応ずること 。 (二) 短時間雇用管理者の氏名の周知 事業主は、短時間雇用管理者を選任したときは、当該短時間雇用管理者 の氏名を事業所の見やすい場所に掲示する等により、その雇用する短時間 労働者に周知させるよう努めるものとする。 別表(第二の一の(四)関係)