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平成11年度家内労働調査結果の概要





 この調査(家内労働概況調査、家内労働実態調査)は、概況調査においては、家内

労働者、委託者等の概数について、また、実態調査においては、委託者の意識、委託

理由、工賃の決定等について、実態を把握するために、平成11年10月に実施した

ものである。









1 家内労働概況調査の概要



  本調査は、都道府県労働局(調査当時:都道府県労働基準局)が把握している委

 託状況届等をもとに、委託者及び家内労働者等の概数について集計したものである。



  



 (1) 家内労働者数は36万5,147人で、引き続き減少





   @ 平成11年10月1日現在の家内労働者数は36万5,147人で、前年に比べ5万

    3,867人(12.9%)の減少となった。(第1表第2表)

     また、補助者数は1万7,300人で、家内労働者に補助者を加えた家内労働従

    事者数は38万2,447人となっている。

     家内労働者数の推移をみると、昭和45年から48年まではほぼ横ばいで180

    万人台であったが、昭和49年以後減少が続いている。(第1図)





   A 家内労働者を男女別にみると、男性が2万6,043人(家内労働者総数に占め

    る割合7.1%)、女性が33万9,104人(同92.9%)となっている。前年に比べると

    、男性は3,470人、女性は5万0,397人の減少となっている。(第2表)





   B 家内労働者を業種別にみると、「衣服・その他の繊維製品」が13万1,589

    人(家内労働者総数に占める割合36.0%)と最も多く、次いで「電気機械器具

    」が7万2,476人(同19.8%)、「その他(雑貨等)」が4万7,508人(同13.0%

    )、「繊維工業」が2万9,697人(同8.1%)となっており、これら4業種で全

    体の約8割を占めている。

     また、前年と比較すると、「衣服・その他の繊維製品」が2万5,314人、

    16.1%と最も減少しており、次いで「電気機械器具」が1万0,173人、12.3%の

    減と、従事者の多い業種で減少が多くなっている。(第3表第2図)





   C 家内労働者を類型別にみると、「専業的家内労働者」が2万1,058人(家内

    労働者総数に占める割合5.8%)、「内職的家内労働者」が34万0,507人(同

    93.3%)、「副業的家内労働者」が3,582人(同0.9%)となっている。これらの

    構成比は、前年とほぼ同じである。(第2表)





   D 家内労働者を都道府県別にみると、大阪府が3万4,365人(家内労働者総数

    に占める割合9.4%)と最も多く、次いで東京都が2万7,490人(同7.5%)、愛

    知県が2万0,898人(同5.7%)、岐阜県が1万5,396人(同4.2%)、神奈川県が

    1万4,506人(同4.0%)となっており、この5都府県で全体の3割強を占めて

    いる。





  

 (2) 委託者数は2万6,158人で、9割以上が製造・販売業者





     委託者数は2万6,158人で、製造・販売業者が2万4,735人(委託者総数に占

    める割合94.6%)、請負業者が1,423人(同5.4%)となっており、前年に比べ

    3,304人の減で、家内労働者同様年々減少している。

     業種別では、家内労働者の多い業種で委託者も多く、「衣服・その他の繊

    維製品」が1万1,401人(同43.6%)、次いで「電気機械器具」が3,546人(

    同13.6%)となっている。(第1表2 家内労働実態調査(委託者調査)結果の概要



  本調査は、委託者の中から一定の方法で抽出した委託者約2,000人を対象に、通

 信調査の方法で実施したものである。

  なお、実態調査については、家内労働者調査と委託者調査を毎年交互に実施して

 いる。



  



 (1) 委託者が家内労働者に仕事を委託する理由は、「手作業であるから」が約

    7割





     委託者が家内労働者に仕事を委託する理由(M.A.2つまで)は、「手作業

    であるから」が69.6%と最も多く、次いで「コストが安くてすむから」

    が44.3%、「仕事量が変動するから」が30.6%となっている。(

    第4表  



 (2) 委託する仕事量は過半数の委託者において減少





   @ 現在委託している仕事量を1年前の同時期と比べると、「減った」が56.

    4%と半数を超えており、その減少理由(M.A.2つまで)をきいてみると、

    「製品の需要減」が89.2%と最も多く、次いで、「工場内生産への切替

    え」が10.5%、「家内労働者の仕事量の不安定」が10.4%となって

    いる。(第3−1図第3−2図)

     前回調査(平成9年10月調査。以下同様)の結果と比較すると、「変わ

    らない」が減る一方で、「減った」が増えている。(第3−1図)





   A 今後1年間の仕事量については、「変わらない」が54.8%、「増やし

    たい」が14.1%となっており、「減らしたい」及び「委託を中止したい

    」の合計は14.6%である。

     前回調査の結果と比較すると、「増やしたい」とする者の割合は若干減少

    している。(第4図  



 (3) 委託契約の方法は「家内労働手帳」によるものが72.6%





     委託者が家内労働者に仕事を委託するときは、「家内労働手帳」によるも

    のが72.6%と最も多く、このうち「伝票式」54.1%、「手帳式」が

    18.5%となっている。次いで、「ノート類」が21.4%、「口約束」

    も6.0%ある。

     前回調査の結果と比較すると、「家内労働手帳」の割合がやや減少してい

    る。(第5図  



 (4) 不良品の取扱いをあらかじめ「取り決めている」委託者は54.1%





     不良品の取扱いをあらかじめ「取り決めている」委託者は54.1%であ

    る。

     また、実際に不良品が出たときの取扱いは、「再度やり直させる」が67.

    3%と最も多くなっているが、「問題にしない」も16.8%あり、「工賃

    を減額する」は4.3%とわずかである。(第5表  



 (5) 家内労働者を募集する方法は、「家内労働者を介する」が最も多い。





     新規に委託する家内労働者を募集する方法をみると、「家内労働者を介す

    る」が42.6%で最も多く、次いで「従業員を介する」が17.4%、「

    チラシ・貼紙」が15.1%となっている。(第6表  

 (6) 工賃決定の際に重視する事項は「工賃相場」が62.5%



 

   @ 現在の工賃を決定した時期をみると、調査時点の「1年以内」が41.2

    %と最も多い一方で、「3年以上前」とするものも28.3%となっている。

     前回調査の結果と比較すると、調査時点の1年以内の割合が減少し、1年

    以上前の割合が増加している。(第7表)





   A 工賃決定の際に重視される事項(M.A.2つまで)は、「工賃相場」が62.

    5%と最も多く、次いで、「納入価格や利益」が33.6%、「最低工賃」

    が17.6%、「パートタイマーの賃金」が14.7%となっている。(

    第6図  



 (7) 過去1年間に工賃以外の経済的援助を行った委託者は、全体の14.2%





     過去1年間に家内労働者に対して工賃以外の経済的援助を行った委託者は、

    全体の14.2%で、その内容をみると、「機械器具・補助材料購入費」が

    30.7%、次いで「一時金・ボーナス」が25.9%、「慰安旅行の費用

    」が15.4%の順になっている。(第8表)





 (8) 家内労働者1人当たりの年間援助額は「一時金・ボーナス」が最も高い。





     家内労働者1人当たりの年間援助額を内容別にみると、「一時金・ボーナ

    ス」が9,846円と最も高く、次いで「機械器具・補助材料購入費」が

    6,637円、「慰安旅行の費用」が5,040円となっている。



  



 (9) 危険を伴う業務を委託している委託者は全体の5.4%





   @ 家内労働者に対して危険を伴う業務を委託している委託者は全体の5.4

    %であり、その内訳を業種別にみると、皮革製品が30.1%と最も高く、

    次いで、金属製品が13.2%となっている。

     危険を伴う業務の具体的な内容をみると、「動力により運転する機械を取

    り扱う業務」が44.2%と最も高く、次いで「有機溶剤又は有機溶剤含有

    物を取り扱う業務」が30.9%、「鉛等を取り扱う業務」が16.8%と

    なっている。(第9表)





   A 危険を伴う業務を委託している委託者のうち、具体的な安全対策を実施し

    ている委託者は82.6%となっている。

     その具体的な安全対策をみると、「危険な回転軸等に覆いを付けさせてい

    る」が35.1%と最も多く、次いで「有害物の名称や取扱い上の注意事項

    を表示している」が27.2%となっている。(第10表

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