III 調査結果 1 生産・売上、所定外労働時間、雇用 (1) 生産・売上 イ 製造業の生産判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス4ポイントとマ イナス幅が縮小した。先行きは、11年7〜9月期実績見込マイナス4ポイン ト、11年10〜12月期見込マイナス2ポイントとなっている(第1図、 第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の売上判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス 15ポイントとマイナスに転じた。先行きは、11年7〜9月期見込マイナス 9ポイント、11年10〜12月期見込マイナス9ポイントとなっている (第1図、第1表)。 ハ サービス業の売上判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス13ポイン トと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年7〜9月期実績見込 マイナス1ポイント、11年10〜12月期見込みマイナス6ポイントとなっ ている(第1図、第1表)。 ニ 製造業について業種別にみると、11年4〜6月期実績は消費関連業種でマ イナス2ポイント、素材関連業種でマイナス10ポイント、機械関連業種でマ イナス1ポイントとなった。先行きは、消費関連業種で11年7〜9月期実績 見込マイナス8ポイント、11年10〜12月期見込マイナス3ポイント、素 材関連業種で11年7〜9月期実績見込マイナス4ポイント、11年10〜 12月期見込マイナス4ポイント、機械関連業種で11年7〜9月期実績見込 マイナス2ポイント、11年10〜12月期見込0ポイントとなっている (第1表)。 (2) 所定外労働時間 イ 製造業の所定外労働時間判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス2ポ イントとマイナス幅が縮小した。先行きは、11年7〜9月期実績見込マイナ ス7ポイント、11年10〜12月期見込マイナス7ポイントとなっている (第2図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の所定外労働時間判断D.I.は、11年4〜6月期実 績マイナス10ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11 年7〜9月期実績見込マイナス17ポイント、11年10〜12月期見込マイ ナス10ポイントとなっている(第2図、第1表)。 ハ サービス業の所定外労働時間判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス 8ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年7〜9月期 実績見込マイナス6ポイント、11年10〜12月期見込マイナス4ポイント となっている(第2図、第1表)。 (3) 雇 用 1) 常用雇用 イ 製造業の常用雇用判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス31ポイ ントと前期よりマイナス幅が拡大した。先行きは、11年7〜9月期実績見 込マイナス11ポイント、11年10〜12月期見込マイナス10ポイント となっている(第3図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店の常用雇用判断D.I.は、11年4〜6月期実績マ イナス26ポイントと前期よりマイナス幅が拡大した。先行きは、11年7 〜9月期実績見込マイナス14ポイント、11年10〜12月期見込マイナ ス6ポイントとなっている(第3図、第1表)。 ハ サービス業の常用雇用判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス17 ポイントと前期よりマイナス幅が拡大した。先行きは、11年7〜9月期実 績見込マイナス1ポイント、11年10〜12月期見込マイナス1ポイント となっている(第3図、第1表)。 2) パートタイム雇用 イ 製造業のパートタイム雇用判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイナス 7ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年7〜9月 期実績見込マイナス5ポイント、11年10〜12月期見込マイナス4ポイ ントとなっている(第4図、第1表)。 ロ 卸売・小売業,飲食店のパートタイム雇用判断D.I.は、11年4〜6月 期実績マイナス8ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、 11年7〜9月期実績見込マイナス10ポイント、11年10〜12月期見 込マイナス8ポイントとなっている(第4図、第1表)。 ハ サービス業のパートタイム雇用判断D.I.は、11年4〜6月期実績マイ ナス2ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、11年7〜 9月期実績見込プラス2ポイント、11年10〜12月期見込マイナス6ポ イントとなっている(第4図、第1表)。 2 労働者の過不足状況 (1) 過不足 イ 11年8月現在の労働者の過不足状況は、「常用労働者」を「不足」とする 事業所割合は、調査産業計では13%、建設業10%、製造業9%、運輸・通 信業20%、卸売・小売業,飲食店11%、金融・保険業28%、不動産業 17%、サービス業16%となっている。一方 、「過剰」とする事業所割合 は調査産業計では28%、建設業33%、製造業36%、運輸・通信業17% 、卸売・小売業,飲食店28%、金融・保険業19%、不動産業13%、サー ビス業18%となっている(第5図、第2−1表)。 この結果、常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス15 ポイント、建設業マイナス23ポイント、製造業マイナス27ポイント、運 輸・通信業プラス3ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス17ポイント、 金融・保険業プラス9ポイント、不動産業プラス4ポイント、サービス業マイ ナス2ポイントとなっている。これを前期と比べると調査産業計では5ポイン ト上昇、産業別には建設業で4ポイント上昇、製造業で6ポイント上昇、卸売 ・小売業,飲食店で2ポイント上昇、金融・保険業で4ポイント上昇、不動産 業で1ポイント上昇、サービス業で6ポイント上昇と運輸・通信業を除く各産 業で上昇し、雇用過剰感がやや弱まっている。また、比較可能な5産業計では 常用労働者過不足判断D.I.が上昇したのは、9年2月以来である(第5図、 第2−1表)。 ロ パートタイム労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではプラス1ポイント 、建設業マイナス5ポイント、製造業マイナス5ポイント、運輸・通信業プラ ス6ポイント、卸売・小売業,飲食店プラス5ポイント、金融・保険業プラス 9ポイント、不動産業プラス7ポイント、サービス業プラス6ポイントとなっ ている(第2−1表)。 ハ 職種別の労働者過不足判断D.I.は、調査産業計では、「専門・技術」プラ ス9ポイント、「販売」プラス4ポイント、「サービス」プラス2ポイントと 、これらの各職種では不足とする事業所割合が過剰とする事業所割合を上回っ ているのに対して、「管理」マイナス19ポイント、「事務」マイナス16ポ イント、「運輸・通信」マイナス2ポイント、「技能工」マイナス4ポイント 、「単純工」マイナス12ポイントと、多くの職種で過剰とする事業所割合が 不足とする事業所割合を上回っている。5産業計で職種別にみると、「専門・ 技術」、「販売」及び「サービス」でプラス、「管理」、「事務」「技能工」 及び「単純工」などではマイナスとなっている。これを前期と比べると「技能 工」が8ポイント、「単純工」が6ポイント上昇したが、他の職種は横ばいな いしわずかな上昇にとどまっている(第7図、第2−2表)。 ニ 製造業について企業規模別にみると、常用労働者過不足判断D.I.は、規模 1、000人以上事業所でマイナス32ポイント、規模300〜999人事業 所でマイナス27ポイント、規模100〜299人事業所でマイナス24ポイ ント、規模30〜99人事業所でマイナス20ポイントとなった(第6図)。 (2) 過不足の程度 11年8月現在において常用労働者が「不足」と回答した事業所の「不足の程 度」は、調査産業計では 、「やや不足」とする事業所の割合が全事業所の11 %、「おおいに不足」が1%となっている。一方、常用労働者が「過剰」と回答 した事業所の「過剰の程度」は 、調査産業計では、「やや過剰」が26%、「 おおいに過剰」が2%となっている。また、「適当」とする事業所の割合は59%と なっている(第3表)。 3 雇用調整 11年4〜6月期に何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は、調査産業計 では31%、建設業27%、製造業42%、運輸・通信業21%、卸売・小売業 ,飲食店26%、金融・保険業15%、不動産業22%、サービス業23%とな った。前期と比べると建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店及 び金融・保険業で低下し、調査産業計では3ポイントの低下となった。また比較 可能な5産業計では、雇用調整実施事業所割合が低下したのは9年5月以来であ る(第8図、第4表)。 製造業について企業規模別にみると、規模1,000人以上事業所で52%、 規模300〜999人事業所で44%、規模100〜299人事業所で35%、 規模30〜99人事業所で30%となった(第9図)。 雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計では、11年7〜9月期予定は 29%と11年4〜6月期実績と比べ2ポイント低下となり、11年10〜12 月期予定は27%となっている。また、産業別には、11年7〜9月期予定は 11年4〜6月期実績と比べ、建設業で5ポイント低下、不動産業で4ポイント 低下、製造業及びサービス業で2ポイント低下、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食店及び金融・保険業で1ポイント上昇となっている(第4表)。 11年4〜6月期実績における雇用調整の実施方法(複数回答)は、調査産業 計では 、「残業規制」の割合が18%と最も高く、次いで「配置転換」10%、 「中途採用の削減・停止」8%の割合が高くなっている(第10図、第4表)。 4 中途採用 中途採用「あり」とする事業所割合は、11年4〜6月期実績で、調査産業計 40%となった。産業別には、建設業33%、製造業32%、運輸・通信業45% 、卸売・小売業,飲食店45%、金融・保険業43%、不動産業51%、サービス 業54%となった。 今後中途採用を予定する事業所割合は、11年7〜9月期予定では、調査産業計 30%、建設業24%、製造業22%、運輸・通信業36%、卸売・小売業,飲食 店29%、金融・保険業40%、不動産業40%、サービス業45%となっている 。11年10〜12月期予定では、調査産業計19%、建設業13%、製造業11 %、運輸・通信業32%、卸売・小売業,飲食店20%、金融・保険業33%、不 動産業27%、サービス業30%となっている(第5−1表)。 第5−2表 中途採用「あり」の雇用形態、職種別事業所割合 5 労働者の変動状況 (1)1年前との変動状況 1年前の労働者数と現在の労働者数がどのように変わったかを事業所割合 でみると、常用労働者では調査産業計で、「増加した」とする事業所は14 %、「ほぼ同じ」とする事業所は45%、「減少した」とする事業所は41 %となっている。産業別には、建設業で「増加した」11%、「ほぼ同じ」 47%、「減少した」42%、製造業で「増加した」14%、「ほぼ同じ」 41%、「減少した」45%、運輸・通信業で「増加した」12%、「ほぼ 同じ」48%、「減少した」41%、卸売・小売業,飲食店で「増加した」 13%、「ほぼ同じ」50%、「減少した」38%、金融・保険業で「増加 した」9%、「ほぼ同じ」42%、「減少した」49%、不動産業で「増加 した」18%、「ほぼ同じ」50%、「減少した」31%、サービス業で「 増加した」20%、「ほぼ同じ」48%、「減少した」32%となっている。 1年前と現在受入れている派遣労働者数がどのように変わったかを事業所 割合でみると、調査産業計で、「増加した」とする事業所は11%、「ほぼ 同じ」とする事業所は25%、「減少した」とする事業所は17%、「1年 前もいない」とする事業所は48%となっている(第6表)。 (2)1年後の変動状況 現在の労働者数が1年後どのように変わるかを事業所割合でみると、常用 労働者では調査産業計で、「増加する」と見込む事業所は10%、「ほぼ同 じ」と見込む事業所は52%、「減少する」と見込む事業所は33%となっ ている。産業別には、建設業で「増加する」12%、「ほぼ同じ」51%、 「減少する」29%、製造業で、「増加する」8%、「ほぼ同じ」50%、 「減少する」37%、運輸・通信業で「増加する」8%、「ほぼ同じ」57 %、「減少する」29%、卸売・小売業,飲食店で「増加する」8%、「ほ ぼ同じ」54%、「減少する」34%、金融・保険業で「増加する」10% 、「ほぼ同じ」34%、「減少する」49%、不動産業で「増加する」16 %、「ほぼ同じ」59%、「減少する」18%、サービス業で「増加する」 18%、「ほぼ同じ」54%、「減少する」24%となっている。 現在受け入れている派遣労働者数が1年後どのように変わるかを事業所割 合でみると、調査産業計で、「増加する」と見込む事業所は7%、「ほぼ同 じ」と見込む事業所は27%、「減少する」と見込む事業所は12%、「1 年後もいない」と見込む事業所は39%となっている。(第7表)。