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平成12年度労働省重点施策

雇用不安を払拭し、一人一人の意欲と能力が活かされる社会の実現を目指して

(平成11年8月)

 目次
 
序 労働政策の課題と施策の方向

第1 新規雇用の創出と迅速な就職の促進

    1 新規雇用の創出

    2 雇用の安定及び迅速な就職の促進

    3 幅広い職業選択が可能となるような環境の整備

第2 一人一人がエンプロイアビリティーを高め、能力を発揮できる社
  会の実現

    1 21世紀人材立国計画の推進

    2 労働者の自発的な能力開発の推進

    3 事業主が行う能力開発の推進

    4 公共職業訓練の機能の充実

    5 民間教育訓練機関等を活用した能力開発の推進

    6 技能尊重社会の実現に向けた施策の展開

第3 意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくり

    1 主体的に働くための労働時間等労働条件の確保・改善等による労働
     環境の整備

    2 賃金対策の推進

    3 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等対策の推進

    4 労働災害防止対策の推進

    5 労働者の健康確保対策の推進

    6 労災補償対策の推進

    7 勤労者福祉対策の推進

    8 労使の合意形成の促進

第4 少子・高齢化が進展する中で、多様な働き方を可能とする施策の
  充実

    1 アクティブ・エージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な
     推進

    2 仕事と家庭との両立支援対策の充実

    3 高齢期の生活安定のための勤労者への支援

    4 パートタイム労働、テレワーク、在宅就労等多様な就業形態への対
     

    5 雇用管理の改善等による雇用環境の整備

第5 国際社会への積極的貢献

    1 国際機関等の活動への参加・協力及び先進諸国等との政策対話の推
     

    2 国際的な視野に立った国際協力等の推進

    3 外国人労働者問題への適切な対応

第6 行政改革に対応した労働行政体制の充実・整備等

    1 中央省庁再編への対応

    2 都道府県労働局の設置に伴う総合的な施策の展開

    3 独立行政法人化への対応

    4 経済社会の変化に対応した統計調査の実施

    5 労働問題に関する総合的な調査研究、情報収集・分析

    6 労働行政の情報化の推進

    7 労働保険の適用促進と労働保険料の適正徴収

    8 社会保険労務士制度の的確な運営
     

   

序 労働政策の課題と施策の方向

 我が国の現下の雇用情勢は、完全失業率が過去最高の水準で推移するなど、かつてないほど厳しい状況にある。政府は昨年4月以来3度にわたり総合的な雇用対策を取りまとめ、これに基づき、雇用の安定、再就職の促進に全力で取り組んでおり、特に、本年6月の緊急雇用対策には、民間企業による雇用の創出と迅速な再就職の促進、国及び地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出などの施策を盛り込み、従来からの施策と併せ、現在その効果的な推進に取り組んでいるところである。今後は、これまでの経済対策や産業競争力強化対策の効果もあって、経済の回復が期待されるところであるが、雇用情勢の回復は景気の回復に遅れる傾向があり、当面厳しい状況が続くことも懸念される。こうした中で、国民の雇用不安を払拭するため、引き続き雇用創出と迅速な就職の促進のための施策等を積極的に推進し、雇用情勢の改善を早期に実現することが喫緊の課題となっている。
 一方、中長期的にみると、我が国経済社会は、21世紀に向けて大きな転換期を迎えている。今後、経済のグローバル化、情報化やサービス経済化の一層の進展等により経済・産業構造は大きく転換するとともに、少子・高齢化が急速に進むことが見込まれる。
 こうした中で、勤労者の職業意識の変化や働き方の多様化などの変化もみられるところである。このような状況に対応するため、今般策定した第9次雇用対策基本計画では、今後21世紀初頭までの10年間程度を対象に労働政策の課題と政策の方向を明らかにしたところであり、労働行政としては、平成12年度を計画の実質初年度として、労働市場が直面する構造変化に的確に対応した施策の推進に取り組んでいくものである。
 このような観点からは、経済・産業構造の転換に的確に対応して、雇用の創出・安定を図ることがとりわけ必要である。このため、従来からの雇用の維持・安定のための施策に加え、新規・成長分野を中心とした雇用機会の創出や失業なき労働移動への支援等の施策を強化するなど、新たな視点から雇用政策を展開していくことにより、雇用の創出・安定を図っていくことが、将来に向けた雇用不安の払拭という観点からも、極めて重要な課題となっている。
 あわせて、産業構造の変化等に伴い、雇用のミスマッチの拡大が懸念されるとともに、高度で専門的な人材を育成していくことが重要になっている。このため、21世紀に必要とされる人材の育成システムの構築、労働者のエンプロイアビリティー(就業能力)の向上のための支援や職業能力の適正な評価の推進などにより、雇用の安定を図るとともに、一人一人が能力を十分に発揮できる社会を実現することが必要である。
 また、このような構造変化の中で、労働者が意欲を持って主体的・創造的に働ける環境づくりや健康で安心して働けるようにするための施策を推進していく必要がある。
 さらに、今後少子・高齢化が進展する中で、我が国経済社会の活力を維持していくためにも、人々が育児や介護を行いながら働き続けやすくするための環境整備や高齢者がいきいきと働けるようにするための施策を展開するとともに、労働者のニーズに応じ、多様な働き方を可能とするような施策を推進していくことが重要である。
 労働行政としては、このような認識の下で「雇用不安を払拭し、一人一人の意欲と能力が活かされる社会の実現を目指して」次のような施策を積極的に推進する。

 第一に、新規雇用の創出と迅速な就職の促進を図るため、新規・成長分野における雇用機会の創出、介護分野における雇用機会の創出や労働力確保対策の整備・充実等により新たな雇用機会の創出を図るとともに、民間企業による緊急の雇用創出や緊急地域雇用特別交付金の活用等による臨時応急の雇用・就業機会の創出など、引き続き緊急の雇用対策を積極的に実施する。さらに、雇用保険の改革、中高年労働者、若年者、障害者に対する雇用対策等により雇用の安定及び迅速な就職の促進を行うほか、幅広い職業選択が可能となるような環境の整備を行う。

 第二に、一人一人がエンプロイアビリティーを高め、能力を発揮できる社会の実現を図るため、情報化、高齢化、環境等21世紀に必要とされる人材の育成システムを産学官の連携により構築するとともに、労働者の自発的な能力開発や事業主が行う能力開発を推進するほか、公共職業訓練の機能の充実、民間教育訓練機関等を活用した能力開発の推進、技能尊重社会の実現に向けた施策の展開を行う。

 第三に、意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくりを図るため、労働者が自ら主体性を持って働くことができるように、労働時間等労働条件の確保・改善等による労働環境の整備を行うとともに、賃金対策、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等対策、労働災害防止対策、労働者の健康確保対策、労働者の健康確保に向けた労災保険制度の改善を始めとする労災補償対策、勤労者福祉対策を推進するほか、労使の合意形成の促進を行う。

 第四に、少子・高齢化が進展する中で、多様な働き方を可能とする施策の充実を図るため、アクティブ・エージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な推進、仕事と家庭との両立支援対策の充実、高齢期の生活安定のための勤労者への支援とともに、パートタイム労働、テレワーク、在宅就労等多様な就業形態への対応を行う。また、多様な雇用管理改善対策及び特別な配慮を必要とする人々への雇用対策等の推進を行う。

 第五に、国際社会への積極的貢献を図るため、国際機関等の活動への参加・協力及び先進諸国等との政策対話の推進、国際的な視野に立った国際協力等の推進、外国人労働者問題への適切な対応を行う。

 第六に、行政改革に対応した労働行政体制の充実・整備等を図るため、中央省庁再編への対応、都道府県労働局の設置に伴う総合的な施策の展開、独立行政法人化への対応、労働行政の情報化の推進等を行う。

 これらの施策の概要は次のとおりである。
   
   
   
  

第1 新規雇用の創出と迅速な就職の促進

    1 新規雇用の創出

      (1) 新規・成長分野雇用創出トータルプロジェクト(仮称)の実施

      ・ 新規・成長分野の雇用機会の創出及び円滑な労働移動を推
       進するための総合的な施策の実施

      イ 新規・成長分野雇用創出特別奨励金の積極的な活用促進等
       による雇用創出の推進

      ロ 新規・成長分野への円滑な労働移動のための対策の推進

       ・ 新規・成長分野についての情報の収集・提供、職業相談
        ・職業紹介等を専門的かつ集中的に実施する新規・成長分
        野人材サービスセンター(仮称)の設置等
       ・ 新規・成長分野におけるセミナー・面接会の積極的な開
        催
       ・ 新規・成長分野への就職を促進するための給付金の新設
       ・ 新規・成長分野の企業への移動を含む企業間の労働移動
        を円滑化させるための人材情報交流会の開催
       ・ 新規・成長分野における職業訓練の推進



    (2) 介護分野における雇用機会の創出、労働力確保対策の整備・充
     実

      イ 介護分野における新分野展開等雇用機会の創出に向けた支
       援の創設等

         ・ 介護分野における新分野展開に伴う人材確保、雇用管理
          改善、能力開発及び雇用環境整備に対する支援の創設

         ・ 介護労働者能力開発事業の充実

      ロ 介護分野における労働力需給調整機能の整備・充実

      ハ 介護分野で就労する労働者の雇用の安定及び福祉の増進


    (3) 中小企業における雇用機会の創出のための支援の積極的実施

        ・ 中小企業労働力確保法に基づく支援施策の活用促進

    (4) 地域における雇用・就業機会の創出

      イ 緊急地域雇用特別交付金による地方公共団体における臨時
       応急の雇用・就業機会の創出

      ロ 雇用機会が不足している地域等における雇用開発の促進

      ハ 沖縄雇用対策の推進

         ・ 沖縄若年者の雇用開発に対する支援施策の拡充

      ニ 農山村地域の特性に応じた雇用対策の推進

         ・ 農山村雇用開発推進事業の推進

      ホ 都道府県雇用創出・安定政労使会議及び地域雇用創出・安
       定政労使会議の開催

    (5) 緊急雇用創出特別基金の活用

      

    2 雇用の安定及び迅速な就職の促進

      (1) 失業なき労働移動の支援

        イ 人材移動特別助成金制度による労働移動支援の継続実施

        ロ 失業なき労働移動の円滑化のための支援体制の整備

         ・ 企業間の労働移動を円滑化させるための人材情報交流会
          の開催(再掲)

        ハ 業種雇用安定法に基づく諸対策の推進

        ニ 人材の地方移動の支援

         ・ ホワイトカラー地方人材移動支援事業の推進

         ・ 農業等就職促進支援事業の推進

      (2) 中高年労働者雇用対策

        ・ キャリア交流プラザの増設等による官民一体となった中高
         年ホワイトカラー求職者の再就職支援
         

      (3) 若年者雇用対策

        イ 新規学卒者に対する就職支援対策及び職業意識啓発の推進

         ・ 大学等新規学卒者に対する通年採用等に対応した就職面
          接会の積極的開催等

         ・ 高校新規学卒者に対する高校新卒者就職支援事業の実施
          等

        ロ 若年者に対する適職選択の支援

         ・ 未就職卒業者早期就職支援事業の実施

         ・ 学生職業相談室における職業相談機能の拡充による早期
          離転職者に対する就職支援

         ・ 勤労体験プラザ(仮称)の設置の推進
         

      (4) 障害者雇用対策

        イ 障害者を雇用する事業主に対する指導・援助

         ・ 障害者緊急雇用安定プロジェクト等雇用失業情勢に対応
          した対策の推進等

        ロ 障害者に対する職業リハビリテーションの実施

         ・ 職場適応援助者(ジョブコーチ)による就職後の職場適
          応の推進等

        ハ 精神障害者の雇用・就業対策の推進

        ニ 雇用と福祉等との新たな連携による総合的な障害者対策の
         推進

         ・ 就業支援と生活支援を一体的に提供する試行的事業の拡
          充

         ・ 情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援
          連携モデル事業
         

      (5) 雇用保険制度の改革

         ・ 安定的運営を確保しつつ、再就職の一層の促進に資する
          ための給付と負担の両面からの雇用保険制度のあり方の見
          直し
         
            

    3 幅広い職業選択が可能となるような環境の整備
       
      (1) 新しい挑戦が可能となる労働市場の実現に向けての調査研究の
       実施

       
      (2) 公共、民間の連携による円滑、的確な労働力需給調整の実現

        イ 公共職業安定機関と民間需給調整機関との連携協力体制の
         整備

        ロ 官民共通の標準職業名等の作成の検討

        ハ キャリア交流プラザの増設等による官民一体となった中高
         年ホワイトカラー求職者の再就職支援(再掲)

      (3) 民間労働力需給調整機関の機能の有効、適切な発揮

        イ 民間労働力需給調整機関の適切な運営の確保

        ロ 民間労働力需給調整機関に係る相談援助、苦情処理体制の
         拡充等
       

      (4) 公共職業安定機関による労働力需給調整機能等の強化

        イ インターネットによる雇用関連情報提供の全国ベースの拡
         大

        ロ 産業雇用情報ネットワークの活用

         ・ ハローワーク情報プラザを拠点とした地域の経済団体と
          連携した求人情報等の収集、提供

        ハ パートバンク、パートサテライトの増設
       
       
       
      

第2 一人一人がエンプロイアビリティーを高め、能力を発揮できる社
  会の実現

    1 21世紀人材立国計画の推進

      (1) 地域における産学官結集の場の設置

        ・ 産学官関係者による地域の産業特性等に応じた人材育成推
         進の場(地域人材育成総合センター(仮称))を設置
       
       

      (2) センターにおける事業展開

      イ 情報化、高齢化、環境等21世紀に必要とされる人材育成
      のためのツールの開発整備

         ・ 多様な職業経歴、教育訓練歴等に応じた最適な教育訓練
         機会の提供を可能とする高等教育機関や民間機関等を活用し
         た教育訓練機会の開発整備

      ロ 最適な教育訓練機会のあっせん

         ・ 最適な教育訓練機会の提供のための必要な情報提供やあ
         っせんを実施

      ハ 人材育成の取組に対する特別の支援

         ・ 中小企業発展基盤高度人材育成事業の実施

         ・ 高年齢者共同就業機会創出支援事業の実施
       

    (3) センターの事業の効果的な展開を図るための推進方策

        ・ 官民の協力の下に先導的な教育訓練コースの開発等を推進
              
       
        

    2 労働者の自発的な能力開発の推進

      (1) 自発的な能力開発に関する支援

      イ 労働者の自発的な職業能力開発に対する相談援助・情報提
       供等の体制の整備

         ・ 教育訓練コース等に関する情報提供システムの開発

      ロ 能力開発支援センター(仮称)の設置

         ・ 自発的能力開発のために民間教育訓練機関の教育訓練を
          受講できる場の確保や自発的能力開発に対する総合的支援
          を行うことを目的とする施設の整備

      ハ 教育訓練給付制度の効果的な推進

      ニ 自発的能力開発に関する税制上の特例措置の要望

      ホ 長期リフレッシュ休暇制度の導入促進等労働者が自由に能
       力開発に取り組むことができるための環境整備の検討
   

      (2) 職業能力評価制度の充実

        イ 民間における職業能力評価システムの整備の促進

        ロ 技能検定制度の改善
       
       
      

    3 事業主が行う能力開発の推進

      (1) 事業内における職業能力開発の推進

        イ 事業内職業能力開発体制の整備

         ・ 事業内職業能力開発計画について見直し、職業能力開発
          による到達目標等を明確にした方針の策定と労働者への周
          知の推進

        ロ 労働者の能力開発に対する支援体制の整備

         ・ 企業内において能力開発の相談支援を担当する者に対す
          る養成講習の実施

        ハ 事業内職業能力開発に係る管理システムの整備に関する調
         査研究
         

      (2) 事業主が行う能力開発に対する支援等の重点化

        ・ 能力開発の到達目標が明確なものを助成対象とするととも
         に、労働者の多様な能力開発機会の確保、中小企業労働者、
         中高年齢者等に重点化
           

              

    4 公共職業訓練の機能の充実

      (1) 離転職者等に対する能力開発の機動的かつ効果的な推進

        ・ 離転職者向けの高度訓練の実施
           

      (2) 公共職業訓練の高度化の推進

        ・ 職業能力開発短期大学校の職業能力開発大学校への計画的
         な転換
           

      (3) 高度職業能力開発促進センター等を活用した新規・成長分野を
       担う人材育成の推進
         

      (4) 職業能力開発大学校及び職業能力開発短期大学校における社会
       人向け職業訓練の推進
         

      (5) 生涯職業能力開発促進センターの機能の充実
         

      (6) 生涯職業能力開発促進センター方式の訓練の全国展開の推進
         

      (7) 障害者に対する多様な能力開発機会の提供
            
         

    5 民間教育訓練機関等を活用した能力開発の推進

      (1) 自主選択能力開発プラン(バージョンアップ・フレックス・プ
       ラン)の実施
         

      (2) 高等教育機関を活用した労働者の能力開発に関する検討
         
            

    6 技能尊重社会の実現に向けた施策の展開

      ・ 技能の大切さに関する社会的理解の促進
         
         
            
         

第3 意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくり

    1 主体的に働くための労働時間等労働条件の確保・改善等による労働
     環境の整備

      (1) 経済社会の変化等を踏まえた労働条件の確保等の対策の推進

      イ 経済や産業活動の変化が労働条件面へ及ぼす影響に的確に
       対応した労働条件の確保対策の推進

      ロ 労働時間管理の多様化とそれが企業活動や勤労者生活に与
       える効果に関する調査研究
   

      (2) 活力にあふれた働き方を実現するための労働条件の改善対策の
       推進

        イ 新裁量労働制の適正な実施の促進

         ・ 新たな裁量労働制の制度内容の周知を図り、ホワイトカ
          ラーの主体的・創造的な働き方を実現

        ロ 休日労働等の適正化に向けた取組の促進

        ハ 年次有給休暇の取得促進
       

      (3) 労働条件に関する紛争の未然防止と紛争解決援助制度の積極的
       な運用 

        ・ 増加、複雑化する労働条件に関する相談に対するより的確
         な対応を可能とするための体制の整備

        ・ 労働条件に関する紛争解決援助制度の積極的な運用
       

      (4) 業種・業態等の実情に応じた労働条件確保・改善対策の推進
       

      (5) 労働条件の整備の遅れている分野等における労働条件の整備の
       ための総合的・体系的な制度のあり方に関する検討
       
       
      

    2 賃金対策の推進

      (1) 最低賃金対策の推進

      (2) 賃金の支払確保対策の推進等

      (3) 賃金・退職金制度改善対策の推進

        ・ 賃金・退職金制度改善対策に向けた相談・援助の充実
         

            

    3 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等対策の推進

      (1) 雇用の分野における男女の均等取扱いの確保

        ・ 改正男女雇用機会均等法等に基づく企業の雇用管理の実態
           の把握

        ・ 男女の均等取扱いに関する個別紛争の適正かつ迅速な解決
         のための援助 の推進
           

      (2) 女性少年室へのカウンセラー増設等職場におけるセクシュアル
       ハラスメント防止対策の推進
         

      (3) 母性健康管理対策の推進
         

      (4) 女性労働者の能力発揮促進のための企業の積極的取組(ポジテ
       ィブ・アクシ ョン)の促進

        ・ 業種別のマニュアルに基づく業種別人事労務担当者セミナ
         ーの開催

        ・ 中小企業等における女性の管理職候補者等を対象とした研
         修の実施
           

      (5) 「女性と仕事の未来館」を通じた働く女性の能力発揮支援事業
       の展開
         
            

    4 労働災害防止対策の推進

      (1) 事業場における安全衛生管理水準の向上

        イ 労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進

         ・ 「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」の
          周知を図り、システムの導入を促進

        ロ 中小企業における自主的安全衛生管理活動の推進

         ・ 自主的に労働災害防止活動を行おうとする中小企業に対
          し支援を行う体制に関する試行的な整備

        ハ 小規模事業場等団体安全衛生活動援助事業の促進

         ・ 小規模事業場を団体としてとらえ、基本的安全衛生活動
          が積極的に行われるよう支援を実施
           

      (2) 建設業における労働災害防止対策の充実

        イ 中小総合工事業者、専門工事業者等による安全管理の充実
         等

        ロ 保守、点検、改修工事等における安全対策のあり方の検討
         

      (3) 包括的安全基準の検討を始めとする機械等の安全確保対策の推
       進
         

      (4) 安全衛生情報センターにおける情報提供等の推進
            
            

    5 労働者の健康確保対策の推進

      (1) 産業保健活動の推進等による健康の確保・増進

        イ 深夜業に従事する労働者の健康管理の充実

         ・ 改正労働安全衛生法の円滑な施行及び自発的健康診断受
          診支援事業(仮称)の円滑な実施

        ロ 中小規模事業場健康づくり事業(仮称)の創設

         ・ 中小規模事業場に対しTHPの積極的な普及

        ハ 小規模事業場における健康確保対策の充実

        ニ 職場環境の快適化の推進

        ホ 都道府県産業保健推進センターの整備

        ヘ 産業医、衛生管理者等の産業保健スタッフの資質の向上

      ト 労災病院におけるメンタルヘルス面を中心とした勤労者へ
       の支援及び地域医療機関等との連携強化
   

      (2) 職業性疾病の予防対策等の推進

        イ 粉じん障害防止対策の推進

        ロ 防じんマスク等の規格の見直し及び性能確保のための買い
         取り試験の実施
       

      (3) 化学物質による健康障害予防対策等の推進

        イ 化学物質管理の支援体制の整備

          人材の養成、相談窓口の設置、MSDSの品質管理等の支
         援及びそのための体制整備の実施

      ロ 清掃業等におけるダイオキシンに係るばく露防止対策の推
       進並びに作業環境及び健康状況の調査等

         ・ 呼吸用防護具の使用等のばく露防止対策の推進

         ・ 高濃度ばく露労働者の追跡調査及び類似施設における労
          働者の健康状況把握

      ハ 内分泌かく乱物質等新種有害物質問題に係る検討の推進

         ・ 実態調査の実施及びばく露防止対策の検討
       
          

    6 労災補償対策の推進

      (1) 労災保険制度の改善

        ・ 労働者の健康確保に向けた労災保険制度のあり方の見直し
           

      (2) 的確な労災補償の実施

        イ 労災保険給付の迅速・適正な処理

         ・ 精神障害等複雑・困難な事案の迅速・適正な処理

         ・ じん肺症患者に発生した肺がんの補償に関する検討

         ・ 第三者行為災害に係る迅速・適正な処理のための体制整
          備

        ロ 障害等級認定基準等の見直しに向けた検討

        ハ アフターケア制度の推進
         

      (3) 重度被災労働者に対する介護施策の実施

        ・ 在宅介護支援事業の推進

        ・ 労災特別介護施設の整備
           
              

    7 勤労者福祉対策の推進

      (1) 財形制度の活用による豊かな勤労者生活の実現

        ・ 財形貯蓄の預替え要件の緩和等
           

      (2) 勤労者のNPO活動、ボランティア活動等への参加促進

        ・ 勤労者のNPO活動、ボランティア活動等の社会活動への
          参加促進のための支援のあり方の検討
           

      (3) 中小企業勤労者福祉サービスセンター事業の推進
         

      (4) 中小企業退職金共済制度の普及及び制度の安定的運営
         

      (5) 勤労青少年相談指導事業の拡充等勤労青少年福祉対策の推進
            
         

    8 労使の合意形成の促進

      (1) 様々なレベルにおける労使の対話の促進
         

      (2) 経済社会情勢の変化等に対応した労使関係制度のあり方につい
       ての検討
         

      (3) 海外の企業及び在日の外資系企業に対する日本の労働事情に関
       する正確な情報の提供
         
            
         

第4 少子・高齢化が進展する中で、多様な働き方を可能とする施策の
  充実

    1 アクティブ・エージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な
     推進

       (1) 定年年齢の引き上げ等に向けた段階的な取組の推進

       イ 人事管理制度の見直しや能力開発を行いながら、段階的
        に定年年齢の引きげ等を行う事業主に対する指導・援助

       ロ 総合的雇用環境整備推進事業(ネクスト65推進事業)の
        拡充強化

         ・ 産業別高齢者雇用推進事業の拡充

         ・ 高年齢者新規事業分野開拓事業の拡充
       

      (2) 65歳までの雇用の確保

      イ 65歳までの雇用の確保(再雇用、他企業への再就職等)の
       ために、能力開発や求人開拓などを行う事業主に対する指導
       ・援助

         ・ 高年齢者雇用安定センターにおける再就職援助関連業務
          の実施

      ロ 地域の経済団体との連携による再就職支援の拡充

      ハ 再就職援助計画制度の充実
   

      (3) 就業意欲や体力の多様化に応じた雇用就業機会の確保

        イ 自営開業、短時間雇用の促進

         ・ 高年齢者共同就業機会創出支援事業の実施(再掲)

        ロ 技能講習等を行うシニアワークプログラム事業の拡充

        ハ シルバー人材センター事業の充実

        ニ シルバー就業機会開発プロジェクト事業の実施

      (4) 高齢期における様々な形態での社会参加の促進

        イ 企業退職者ボランティア推進事業の充実

        ロ 高齢期雇用就業支援事業の拡充
          
       

    2 仕事と家庭との両立支援対策の充実

      (1) 育児休業等育児・介護を行う労働者の雇用の継続を図るための
       制度の充実に向けた検討
         

      (2) 育児休業・介護休業を取得しやすく職場復帰しやすい環境の整
       備

        ・ 育児・介護休業者の休業後の円滑な職場復帰の促進を図る
         ための育児・ 介護休業者職場復帰プログラム実施奨励金の拡充
           

      (3) 育児・介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備

        ・ ファミリー・サポート・センターの介護分野への業務の拡
         大等

        ・ 国際シンポジウムの開催等によるファミリー・フレンドリ
         ー企業の普及促進
           

      (4) 育児・介護等のために退職した者に対する再就職支援

        ・ 再就職希望登録者支援事業の自己啓発教育訓練の受講援助
         等の拡充
              
           

    3 高齢期の生活安定のための勤労者への支援

      ・ 少子・高齢化の進展、労働移動の増加に対応して、老後におけ
       る所得の確保と年金のポータブル化を図るための確定拠出型年金
       制度の創設
         
            

  4 パートタイム労働、テレワーク、在宅就労等多様な就業形態への対
   

      (1) パートタイム労働者の雇用管理の改善等の推進

        ・ パートタイム労働者と通常の労働者との均衡を考慮した雇
         用管理の改善 等を推進するための情報提供の実施
         

      (2) 在宅就労対策等の推進

        ・ テレワーク普及事業の推進

        ・ 在宅就労の適正な実施の確保のためのガイドラインの策
         定、周知・啓発

        ・ 在宅就労者等に対する情報提供、相談体制の整備等による
         支援

        ・ 在宅勤務を中心とした新しい働き方に対応した労働者保護
         のあり方の検討
            
         

    5 雇用管理の改善等による雇用環境の整備

      (1) 多様な雇用管理改善対策の推進

        イ 建設労働対策の推進

        ロ 港湾労働対策の推進

         ・ 港湾企業常用労働者派遣制度(仮称)の導入の検討

        ハ 林業労働者対策の推進

        ニ 季節労働者対策の推進

        ホ 出稼労働者対策の推進
         

      (2) 特別な配慮を必要とする人々への雇用対策の推進

        イ 日雇労働者対策の推進

        ロ 駐留軍関係離職者対策の推進

        ハ 漁業離職者対策の推進

        ニ 失業対策諸事業の適正な運営

        ホ 炭鉱労働者対策の推進

        ヘ 地域改善対策等の推進

        ト 母子家庭の母等の雇用対策の推進

        チ 中国残留邦人等永住帰国者の雇用対策の推進

        リ インドシナ難民の雇用対策の推進

        ヌ 在日韓国・朝鮮人の就職の機会均等の確保対策の推進

        ル ホームレスの雇用対策の推進
            
         

         

第5 国際社会への積極的貢献

    1 国際機関等の活動への参加・協力及び先進諸国等との政策対話の推
     

      (1) ILO第138号条約批准に向けての検討
         

      (2) ILO等との連携によるアジア諸外国等への援助

        ・ アジア金融危機後の社会面での援助の実施

        ・ ILO等を通じた技術協力の見直し
           

      (3) 先進諸国等との労働分野における政策対話の推進
         

      (4) 海外労働情報の収集・分析・提供及び海外広報の実施
            
            

    2 国際的な視野に立った国際協力等の推進

      (1) 機械等の基準・認証制度の国際的な整合性確保とその体制の整
       備
         

      (2) 国際安全衛生センターにおける諸外国等の情報収集、提供及び
       技術協力の推進
         

      (3) 人材養成分野における技術協力等の推進
         

      (4) 技能実習制度等の効果的な推進
         

      (5) ワーキングホリデー制度対象国の拡大に伴う支援の拡充
            
         

    3 外国人労働者問題への適切な対応

      (1) 外国人求職者の職業紹介機能の強化

        イ 外国人雇用サービスコーナーの拡充

        ロ インターネットを利用した情報提供事業の充実

        ハ 留学生の日本国内での就職支援の強化
         

      (2) 国際化への対応

        ・ アジア地域における国際労働移動に関する情報収集の充実
         等
           
           
          

第6 行政改革に対応した労働行政体制の充実・整備等

    1 中央省庁再編への対応

      ・ 厚生労働省の創設に伴う行政体制の整備

      ・ 政策評価の適切な実施に向けた検討
            
         

    2 都道府県労働局の設置に伴う総合的な施策の展開

      ・ 総合的な労働相談を実施する体制の整備

      ・ 労働施策に関する都道府県との連携体制の整備
         
            

    3 独立行政法人化への対応

      ・ 産業安全研究所、産業医学総合研究所の独立行政法人への移行
       のための 準備、検討
            
         

    4 経済社会の変化に対応した統計調査の実施
       
          

    5 労働問題に関する総合的な調査研究、情報収集・分析
       
          

    6 労働行政の情報化の推進

    イ 「行政情報化推進計画」に基づく、制度の見直し及びシステム
     の段階的整備

       ・ 霞が関WAN・省内LANシステムの利用の高度化の推進

    ロ 次期総合的雇用情報システムの更改に向けた詳細設計等の実施

    ハ 労働省コンピュータ施設の整備に係る設計の実施
      
   

    7 労働保険の適用促進と労働保険料の適正徴収
       
          

    8 社会保険労務士制度の的確な運営
       


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