タイトル:平成10年秋の褒章について



発  表:平成10年11月2日

担  当:労働大臣官房秘書課

                 電 話 03-3593-1211(内線5031)

                     03-3502-6707(夜間直通)


 



1 平成10年秋の褒章受章者は、10月16日(金)の閣議で決定され、上奏裁可を仰

 いだ後、11月3日(火)付けで発令される。

  労働省関係の今回の受章者は、黄綬褒章43名、藍綬褒章4名の計47名である。





2 褒章は、民間の人を対象として、各都道府県知事等から推薦された方々の中か

 ら選ばれた人たちに授与されるものである。

  黄綬褒章は、多年同一職種に精勤し、技能の向上、後進の指導育成等に業績の

 あった方々に授与され、藍綬褒章は労働委員会等の委員等で永年労働者の福祉の

 増進並びに労働行政の発展に寄与された方々に授与される。





3 労働省では、来る11月12日(木)中央合同庁舎第五号館において褒章伝達式を

 催し、労働大臣からこれらの受章者に伝達する予定である。受章者は、伝達後皇

 居に赴き天皇陛下に拝謁する。





4 受章者の中には、次の方々が含まれている。

      こめだ  えつこ

(1) 米田 悦子 (日本料理人68歳 奈良県) 黄綬褒章


   昭和26年に調理専門学校で教壇に立つ傍らで、著名な料亭の料理長に師事し

  高級日本料理の調理技法を会得した。さらにこれらの技能を元に、生来の繊細

  な感受性と家庭人としての知恵を活かし、栄養バランスのとれた家庭料理や暖

  かみのある郷土料理を数多く創作してきた。特に、奈良県特産の大和粉末茶や

  吉野葛(くず)を用いた料理は和風料理だけでなく、洋菓子、洋風料理も考案

  し好評を博した。これらの成果は、新聞や料理専門誌等で幅広く紹介された。

   なお、平成7年11月9日付けで、卓越した技能者として労働大臣表彰を受賞

  している。

 

      ながえ  あきお

(2) 永江 明夫 (織布工83歳 宮崎県) 黄綬褒章



   大正4年、奄美大島で出生し島の特産品である大島紬の製造に携わる家庭に

  育ったが、家業に魅力を見いだせなかった氏は、一旦は建築を志し旧制工業高

  校建築科で学んだ後に大手建設会社に就職した。終戦後は宮崎県に移住し、人

  並みはずれた飽くなき探求心を活かして大島紬の伝統的技法を継承する一方、

  より品質の優れた新しい製品を生み出す努力を重ね、人工染料を使った「色大

  島」、自然の染料を使った「草木染大島・夏大島」、現代的幾何学模様の「モ

  ダンアート」など次々に生み出した。さらに衰退していた「薩摩絣」に独自の

  工夫を重ね、木綿の大島として賞賛された緻密で精巧な絣「現代薩摩絣」を生

  み出した。

   なお、昭和54年11月4日付けで卓越した技能者として労働大臣表彰を受賞し

  ている。

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