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第3 平成12年度地方労働行政の重点対策



1 労働基準行政の重点対策



(1)厳しい経済情勢下での労働条件の確保・改善



 イ 一般労働条件の確保・改善対策

   現下の厳しい経済情勢等により、労働環境にも大きな変化が見られ、労働者の

  労働条件に関しては、賃金・労働時間等に係る労働条件の引下げ、会社都合によ

  る退職や解雇等が増加している傾向にあるが、労働基準関係法令に基づく法定労

  働条件は、どのような経済状況下にあっても確保されなければならない事項であ

  る。

   こうした状況を踏まえると、すべての労働者が適法な労働条件の下で安心して

  働くことができるようにするためには、一般労働条件の確保・改善対策を、労働

  基準行政の重点対策の一つとして位置付け、積極的に推進していくことが重要で

  ある。

   具体的には、労働基準関係法令に基づく、@労働契約締結時の労働条件の書面

  交付による明示、A時間外労働・休日労働協定の適正な締結、B時間外労働等に

  係る割増賃金の適正な支払い等が実施されていないという問題も認められること

  から、労働条件の明確化等の基本的な労働条件の枠組みの確立や労働時間等に関

  する法定労働条件の遵守等労働時間管理の適正化等を図るため、管内の動向を注

  視しつつ、引き続き積極的に推進する。

   また、労働基準関係法令違反に対しては、厳正に対処する。



 ロ 解雇、賃金不払事案等に対する的確な対応

   経済、雇用情勢や企業の動向を注視し、企業倒産、事業場閉鎖、人員削減、労

  働条件の引下げ等に伴う法定労働条件の履行確保上の問題が懸念される事案に対

  しては、早期に情報を把握し、賃金債権の確保や社内預金の保全等について、早

  い段階から迅速かつ的確な対応を図る。

   また、労働基準関係法令上の問題が認められる賃金不払い等に係る申告・相談

  がなされた場合には、申告・相談者が置かれている状況に意を払い、その解決の

  ための迅速・的確な処理を行うとともに、労働基準関係法令上の問題が認められ

  ない場合であっても、その内容に応じ、申告・相談者に対しては、その自主的解

  決を図るため、関連する裁判例等の情報の提供や適切な相談先の教示等を行うな

  ど懇切丁寧な対応に努める。



 ハ 紛争解決援助制度の積極的な運用

   景気・雇用の動向を反映し、解雇、賃金、労働時間等の労働条件の引下げ、出

  向、配置転換、退職勧奨等労働条件に関する労使間の紛争に係る申告・相談事案

  が、今後とも増加するものと予想されることから、これらの事案に対しては、都

  道府県労働局と労働基準監督署との連携の下、労働基準法第105条の3に基づく

  紛争解決援助制度の積極的な運用を図り、労使の自主的な紛争解決を促進する。



 ニ 未払賃金立替払事業の迅速かつ適正な運営等

   厳しい経済情勢に対応し、企業倒産等により賃金の支払いが受けられない労働

  者に対する未払賃金立替払事業について、対象となる中小企業事業主の範囲の改

  正にも留意しつつ、その迅速かつ適正な事務処理に努める。

   また、企業倒産等の場合における労働債権の取扱いについては、関係省庁とも

  連携を図りつつ、労働者保護の観点から適切に対応する。



 ホ 最低賃金制度の適正な運営

   地域別最低賃金については、平成11年度より開催されている中央最低賃金審議

  会目安制度のあり方に関する全員協議会における検討結果を踏まえ、地域の実情

  に応じた適正な改正を行う。

   産業別最低賃金については、平成10年12月に取りまとめられた中央最低賃金審

  議会産業別最低賃金に関する全員協議会報告を踏まえ、各産業における企業経営

  や賃金の実態等に応じた円滑な改正等を行う。

   また、依然として厳しい経済情勢の下で、最低賃金法違反が増加することのな

  いよう、最低賃金制度のより一層の周知徹底に努めるとともに、問題のある地域、

  業種を的確に把握しつつ、その遵守の徹底を図る。



 ヘ 賃金・退職金制度改善の推進

   平成11年度より全都道府県で実施されている「中小企業賃金制度支援事業」を

  中心として、企業に対する的確な情報提供等を行うことにより、相談・援助の充

  実を図る。



 ト 特定の労働分野における労働条件確保対策

  (イ)外国人労働者、技能実習生の労働条件確保対策の推進

    外国人労働者にも労働基準関係法令が適用されることについて周知徹底を図

   るとともに、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に基づく啓発・

   指導等により、引き続き外国人労働者の適正な労働条件及び安全衛生の確保対

   策を推進する。

    また、技能実習生については、労働契約締結時の労働条件の書面による明示、

   賃金支払いの適正化等労働基準関係法令に基づく法定労働条件の履行確保を図

   る。

  (ロ)派遣労働者の労働条件確保対策の推進

    平成11年12月1日から改正労働者派遣法が施行され、労働者派遣事業の対象

   業務が大幅に拡大されていることから、派遣元及び派遣先の事業主双方に対し

   て労働基準関係法令の遵守の徹底を図る。

  (ハ)最低年齢に係る改正労働基準法の円滑な施行

    平成12年4月1日から施行される最低年齢に係る労働基準法の一部を改正す

   る法律及びその関係省令について、関係行政機関等に対する協力依頼、広報活

   動等を実施し、また、集団指導時、窓口での応対時等あらゆる機会をとらえて

   周知を行い、その円滑な施行を図る。

  (ニ)障害者である労働者の労働条件確保対策の推進

    障害者である労働者の労働環境の整備が強く求められる状況の中で、引き続

   きその法定労働条件の履行確保を図るため、関係機関との連携の下、これら労

   働者を使用する事業主に対する啓発・指導に努めるとともに、的確な情報の把

   握を行い、問題事案の発生の防止及び早期是正に努める。

  (ホ)短時間労働者の労働条件確保対策の推進

    短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律及び「事業主が講ずべき短時

   間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」の趣旨及び内容につ

   いての周知・啓発活動を重点とした対策を推進し、事業主による自主的な取組

   を促進する。

    また、「パートタイム労働者の労働災害防止事業」の円滑な推進を図る。

  (ヘ)出稼労働者の労働条件確保対策の推進

    「出稼労働者対策要綱」等に基づき、適正な賃金の支払の確保、有給休暇制

   度の普及促進、労働災害の防止、健康管理の充実等を重点として、引き続き出

   稼労働者の労働条件確保対策を推進する。



(2)労働時間対策の推進



 イ 労働時間に関する法定基準の遵守の徹底等

  (イ)法定労働時間の遵守の徹底等

   @ 週40時間労働制の遵守の徹底

     週40時間労働制については、今なお未実施で残っている事業場に対して監

    督指導、集団指導等を実施し、その遵守の徹底に努める。

   A 特例措置対象事業場の法定労働時間についての周知・指導等

     常時10人未満の労働者を使用する商業・サービス業の特例措置対象事業場

    の法定労働時間については、平成13年4月1日より週46時間労働制から週44

    時間労働制へ短縮することとされている。移行のために準備を尽くす期間が

    残り1年となったことを踏まえ、助成制度の周知を含め、週44時間労働制へ

    の円滑な移行のための指導・援助に努める。

   B 自動車運転者の労働時間等の改善

     「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の遵守の徹底により引

    き続き自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図る。

  (ロ)労働基準法に基づく「時間外労働の限度基準」等の遵守の徹底

    長時間の時間外労働の実効ある抑制を図るため、労働基準法第36条第2項に

   基づく「時間外労働の限度基準」等が労使当事者に遵守されるよう指導を行う。



 ロ 企画業務型裁量労働制の適正な実施の確保

   企画業務型裁量労働制が平成12年4月1日から施行されることから、関係省令

  及び指針を含めた制度全体について周知、啓発を推進し、導入予定事業場におけ

  る円滑な導入を促進するとともに、制度の適正な実施が確保されるよう導入事業

  場に対して必要な指導を行う。



 ハ 労使の自主的取組の促進、気運醸成等による労働時間短縮の促進等

  (イ)所定時間外・休日労働の適正化のための普及・啓発

    休日労働の適正化に向けた労使の取組に関するガイドラインを追加して示す

   との観点から「所定外労働削減要綱」を改正するとともに、改正された要綱の

   広報・啓発により所定時間外・休日労働の適正化に向けた労使の取組を促進す

   る。

  (ロ)深夜業に関する労使の自主的な取組の促進

    業種別の関係労使による自主的な取組により職種、勤務形態等に応じ深夜業

   に従事する労働者の就業環境等の整備が進むよう「労使による深夜業に関する

   自主的ガイドライン作成支援事業」を引き続き実施し、主要業種ごとの自主的

   ガイドラインの作成に向けた関係労使の話合いを促進する。

  (ハ)計画的付与制度の活用等による年次有給休暇の取得促進等

    「ゆとり休暇推進要綱」に基づき、年次有給休暇の取得促進のため、広報・

   啓発及び計画的付与制度の活用等の労使の自主的取組に対する指導・援助を行

   う。また、業種・地域別の事業主団体が業界、地域の特性に即した年次有給休

   暇の積極的かつ有効な活用を促進するための必要かつ効果的な条件、体制を検

   討し、その実現のための手法を開発する「活力とゆとりをめざす休暇推進モデ

   ル事業」を推進する。

    また、ゆとりある勤労者生活の実現、家族の団らんやきずなの回復、地域社

   会との連携の強化等により少子高齢化社会に適切に対応するため、長期休暇制

   度の早期実現に向けて、「長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議

   」の開催等を行う。

  (ニ)労働時間短縮支援センターの活用等による指導・援助等

    労働時間短縮支援センターの実施する「中小企業時短促進援助事業」等を活

   用し、完全週休二日制の普及促進、年次有給休暇の取得促進等に向けた中小企

   業の自主的な取組の促進を図るため、指導・援助を効果的に実施する。

    また、引き続き、「労働時間短縮実施計画」の承認制度を活用するとともに、

   平成13年4月からの特例措置対象事業場の週44時間労働制への円滑な移行が図

   られるよう、事業主及び事業主団体による助成制度の活用を促進する。

  (ホ)フレックスタイム制等の普及促進及び指導・援助

    労働者が職業生活と家庭生活との調和を図りながら、より自律的、創造的か

   つ効率的な働き方をすることを実現するため、フレックスタイム制等の弾力的

   労働時間制度の普及促進を図るとともに、これらの制度の適用を受ける労働者

   について適正な労働条件が確保されるよう事業主に対する指導・援助を行う。



(3)労働者の安全と健康確保対策



 イ 事業場における安全衛生水準の一層の向上を図るための施策の展開

  (イ)労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進

    「労働安全衛生マネジメントシステム普及促進事業」の充実を図るとともに、

   労働災害防止団体等とも連携し、製造業、建設業等に幅広く労働安全衛生マネ

   ジメントシステムの普及を図る。

  (ロ)自主的安全衛生管理活動の推進

    安全衛生管理活動を積極的に行おうとする中小企業に対して安全衛生相談等

   を実施するため、試行的に相談体制の整備等を図る。

    また、「小規模事業場等団体安全衛生活動援助事業」の実施により、引き続

   き小規模事業者団体及びその構成事業場の安全衛生活動の活性化を図る。

  (ハ)安全衛生意識の高揚等

    労働災害防止の鍵を握る職長クラスの安全管理に対する意欲を高めるため、

   安全優良職長に対する顕彰制度を引き続き実施するとともに、「安全優良職長

   ネットワーク事業」の円滑な実施等により、安全優良職長を核とした労働者の

   安全衛生意識の高揚を図る。

    技能講習修了後、一定期間経過した者に対する安全作業の徹底、作業の危険

   性の再認識等のため、車両系建設機械(掘削用)に係る再教育の普及促進を図

   る。

    また、安全衛生委員会の活性化を図る。

  (ニ)安全衛生情報提供機能の充実

    事業者が行う安全衛生教育の充実等に資するため、安全衛生情報センターに

   おいて、災害事例、化学物質情報等の安全衛生情報を提供するとともに、高度

   視聴覚媒体を活用した効果的な安全衛生教育を実施する。



 ロ 労働災害を大幅に減少させるための施策の展開

  (イ)建設業における労働災害防止対策の推進

    「建設業における総合的労働災害防止対策の推進について」に基づいた対策

   を引き続き的確に実施する。

    特に中小総合工事業者に対しては、「中小総合工事業者指導力向上事業」の

   円滑な実施等により、安全水準の向上を図る。また、平成12年度から新しいサ

   イクルに入る「専門工事業者安全管理活動等促進事業」の円滑な実施等により、

   専門工事業者の安全管理能力の向上を図るとともに、安全衛生責任者に対する

   安全衛生教育を推進する。

    木造家屋等低層住宅建築工事については、「足場先行工法に関するガイドラ

   イン」の周知徹底、「木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業」

   の円滑な実施等により足場先行工法の普及・定着を図り、墜落災害の防止を徹

   底する。

    また、保守・点検・改修工事等における工事施工業者及び設備所有者による

   安全管理のあり方について検討を行う。

    さらに、店社と現場とが一体となった管理が必要な建設業の特性を踏まえ、

   建設業における労働安全衛生マネジメントシステムの普及を図る。

  (ロ)交通労働災害防止対策の推進

    「交通労働災害防止対策のためのガイドライン」の周知・徹底を図るととも

   に、「交通労働災害防止対策推進事業」を推進する。

    また、交通労働災害防止担当管理者及び自動車運転業務従事者に対する教育

   を推進する。

    さらに、「交通労働災害防止関係機関連絡協議会」の開催等を通じて、警察、

   陸運支局等の関係行政機関及び関係団体との連携を強化する。

  (ハ)第三次産業における労働災害防止対策の推進

    第三次産業における労働災害防止対策を総合的に推進する。

    また、業種別の労働災害防止のためのガイドラインの周知・徹底を図る。

    さらに、新たに「成長産業における安全衛生活動基盤整備事業(仮称)」を

   実施する。

  (ニ)機械設備の労働災害防止対策の推進

    木材加工用機械、プレス機械による労働災害を防止するため、当該機械の一

   層の安全化、作業の安全化等を推進するとともに、クレーン等による災害の中

   で玉掛けに係る災害が占める割合が高いことから「玉掛けの安全作業に係るガ

   イドライン」の周知を図る。

    また、機械設備による災害を防止するため、すべての機械設備に包括的に適

   用される安全基準に係る指針等を策定し周知を図る。

    さらに、メーカーからユーザーに対する「危険情報の開示のガイドライン

   (仮称)」を策定し、その周知を図る。

  (ホ)爆発・火災災害防止対策の推進

    化学工業における爆発・火災災害の防止対策の徹底を図るとともに、「化学

   プラントにかかるセーフティ・アセスメントに関する指針」の周知を図る。

    また、廃棄物処理に伴う爆発・火災災害の防止を図る。

  (ヘ)高年齢労働者の労働災害防止対策の推進

    高齢化の進展により、今後高年齢労働者が一層増加していくことを踏まえ、

   人間工学等の観点から、高年齢労働者が働きやすい職場環境に関する調査研究

   等を実施する。



 ハ 労働者の健康を確保するための施策の展開

  (イ)深夜業に従事する労働者の健康管理の充実

    「自発的健康診断受診支援事業(仮称)」の利用の促進等により、深夜業に

   従事する労働者の自発的健康診断制度の円滑な施行を図る。

  (ロ)小規模事業場における健康確保対策の充実

    地域産業保健センター事業の活性化・サービスの充実、産業医の共同選任の

   促進、健康診断受診率の向上等を図る。

  (ハ)産業保健スタッフに対する支援策の充実

    産業保健スタッフに対する実務研修の実施体制の総合的検討及び都道府県産

   業保健推進センターの整備を図る。

  (ニ)中小規模事業場における健康保持増進対策の推進

    心身両面にわたる健康保持増進対策(THP)の一層の普及を図るため、新

   たに「中小規模事業場健康づくり事業」を実施する。

  (ホ)職場における精神的ストレス等への積極的対応

    「心の健康づくり指針(仮称)」を示し、職場における精神的ストレス対策

   に関する支援体制の整備等を図る。

  (ヘ)労災病院におけるメンタルヘルス面を中心とした勤労者への支援及び労災指

    定医療機関との連携強化

    労災病院にインターネットや電話によるメンタルヘルスの相談体制を整備す

   るとともに、労災病院が有しているメンタルヘルスに係る知見・ノウハウを労

   災指定医療機関、産業医、都道府県産業保健推進センター、地域産業保健セン

   ター等に広く提供する。また、労災病院を核としたメンタルヘルス面における

   病診(病)連携登録医制度の在り方について検討を行う。

  (ト)職業性疾病予防対策等の推進

    粉じん障害防止対策については、第5次粉じん障害防止総合対策の一層の推

   進及び「粉じん障害防止モデル事業」の円滑な実施を図るとともに、ずい道建

   設工事における粉じん対策を推進するため、「ずい道建設工事における粉じん

   対策に関するガイドライン(仮称)」の策定・周知及び改正される防じんマス

   ク等の構造規格の周知を図る。

    鉛中毒予防対策の推進については、鉛等の発散の防止の措置としてプッシュ

   プル型換気装置導入を図るため、鉛中毒予防規則等の改正及びプッシュプル型

   換気装置の定期自主検査指針を策定し、それらの周知を図る。

    また、近年のVDT作業を取り巻く状況の変化等を踏まえ、「VDT作業の

   ための労働衛生上の指針」の見直しを図る。

  (チ)原子力施設等における安全衛生管理対策の強化

    改正電離放射線障害防止規則等の円滑な施行による原子力施設における核燃

   料物質等の取扱い業務に係る被ばく管理対策等労働災害防止対策の徹底を図る。

    また、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告の取入れ等に伴う電離

   放射線障害防止規則等の見直しを図るとともに、平成13年4月1日からの円滑

   な施行に向けての周知・指導等を行う。

  (リ)化学物質に係る健康障害防止対策の推進

    化学物質による労働者の健康障害を防止するため、MSDSを活用した化学

   物質管理の推進を図る。

    また、ダイオキシン類による健康障害防止のための対策要綱の周知を図ると

   ともに、廃棄物焼却施設における労働者の健康状況等の調査を引き続き行う。



 ニ 職場環境の快適化の推進

   労働者の意見の把握等に基づく継続的かつ計画的な快適化の取組のための管理

  手法の策定・普及を図るとともに、職場における喫煙対策担当者に対する教育カ

  リキュラムの見直しを行い、職場における喫煙対策の一層の推進を図る。



 ホ 国際化に対応した安全衛生対策の推進

   ILO労働安全衛生マネジメントシステムのガイドライン策定に協力するとと

  もに、機械等の基準認証制度について相互承認等国際的な動きに対応する。

   また、国際安全衛生センターにおける海外安全衛生の情報提供事業等を推進す

  る。



 ヘ 規制緩和への対応

   「規制緩和3か年計画」(平成10年3月31日閣議決定)に規定された事項につ

  いて、適切な対応を図る。



 ト 安全衛生分野における科学技術研究等の推進

   産業安全研究所及び産業医学総合研究所においては、独立行政法人への移行に

  取り組むとともに、労働災害及び職業性疾病の減少等を図るための研究、技術革

  新の進展等に伴う安全衛生問題に関する研究等を総合的に推進する。



 チ 事故災害防止安全対策会議への対応

   最近の事故災害の多発にかんがみ、政府に「事故災害防止安全対策会議」が設

  置され、事故災害防止安全対策会議報告書が公表されたところであり、これに基

  づき、安全衛生意識の高揚、組織管理、教育訓練等についての適切な対応を図る。



(4)労災補償対策の推進



 イ 労働者の健康確保に向けた労災保険制度の改善

   平成12年1月の労働者災害補償保険審議会の建議を踏まえ、労働者災害補償保

  険法の改正を行うなど労災保険制度の改善を図るとともに、その施行に向けた準

  備を行う。



 ロ 労災保険給付の迅速・適正な処理

   労災保険給付の処理に当たっては、基本的業務の徹底を図ることはもとより、

  業務上疾病の複雑・困難事案等については、その事務処理に長期間を要している

  ものも見られることから、その解消を図るために的確な調査計画の策定、管理者

  等の適切な進行管理の徹底、地方労災医員等の効果的な活用等により、迅速・適

  正な事務処理を推進する。

   なお、近年、精神障害等に係る労災請求事案については増加傾向を示している

  ことから、昨年9月に策定された精神障害等の判断指針の的確な運用に努める。

   障害等級認定基準等については、最近の医学的知見の動向を踏まえ、引き続き、

  これらの見直しに向け検討を行う。

   労災診療費の審査については、(財)労災保険情報センターとの連携により的

  確な審査を行うとともに、特に、医療機関からの誤請求については、労災診療協

  議会の活用等による都道府県医師会等の協力の確保、誤請求の多い医療機関に対

  する指導の強化等により、その解消に努め、柔道整復師の施術料金についても的

  確な審査に努める。

   第三者行為災害については、適正な求償に努めるとともに、的確な納入督励や

  時効中断措置を講ずることにより適正な債権の管理を図る。



 ハ 重度被災労働者に対する介護施策の実施

   在宅での介護に関する専門的な相談援助を行う「労災ケアサポート事業」、在

  宅の重度被災労働者に対して介護サービスを提供する「労災ホームヘルプサービ

  ス事業」、必要な介護機器を提供する「介護機器レンタル事業」を推進するとと

  もに、労災特別介護施設(ケアプラザ)を活用した短期滞在介護サービス等を提

  供する。



 ニ 被災労働者の早期社会復帰対策の総合的推進

   長期療養者については、症状固定後の職場生活順応への危惧、健康維持への不

  安等が社会復帰の阻害要因となることが多いことから、各種援護金、アフターケ

  ア及び義肢等補装具支給制度の活用により、早期の社会復帰を促すとともに、併

  せて個々の症状に応じた適正給付対策を行うことにより、療養から社会復帰まで

  の一貫した総合的な対策を推進する。

   なお、近年増加している精神障害の事案についてもアフターケア制度の対象と

  して拡充を行う。



 ホ 行政争訟に対する迅速・的確な対応

   審査請求事案の処理については、3か月以内の迅速処理を図るため、管理者に

  よる的確な進行管理及び審査官に対する一層の支援体制の確立に努める。

   行政事件訴訟の追行に当たっては、関係機関との密接な連携の下に、早い段階

  で訴訟追行方針を策定し、十分な主張・立証を行えるよう医証等の確保に努める

  など、その的確な処理を図る。



(5)勤労者福祉対策の推進



   中小企業における勤労者財産形成促進制度の一層の普及促進を図るとともに、

  社外型で退職金が確実に保全される中小企業退職金共済制度の積極的な加入促進

  を行う。



(6)労働基準行政の効果的な展開のための各種手法の活用



 イ 計画的・効率的な労働基準行政の運営

   労働基準行政の運営に当たって、現下の厳しい経済情勢、管内の労働災害の発

  生状況等に的確に対応するため、管内事情に即した重点課題を自主的かつ的確に

  選定し、重点指向に徹した運営を図ることが求められる。

   その際、監督指導計画、安全衛生指導業務計画、労災補償業務計画等を局署間

  の調整結果を踏まえて作成し、これに基づき計画的な運営に努める。



 ロ 的確かつ厳正な監督指導の実施

   労働基準監督機関における監督指導は、法定労働条件の履行確保を図る上で、

  労働基準行政の中核をなすものであり、現下の厳しい経済情勢等の下において一

  層その重要性が高まっている状況にある。

   このような状況を踏まえ、労働基準監督機関としては、的確な監督指導を実施

  し、重大又は悪質な法違反の事案や同種の法違反を繰り返す事案に対しては司法

  処分に付するなど厳正に対処する。



 ハ 行政指導、相談援助等の効果的展開

   現下の厳しい経済情勢に対応し、また、産業・就業構造が変化する状況に対応

  した労働基準行政の積極的展開を図るため、労働条件の確保・改善を始め、労働

  時間の短縮、自主的な労働災害防止活動の促進、労働者の健康確保、労働福祉の

  増進等に関する指導援助等を積極的に実施する。

   また、労働者、事業主が利用しやすい相談窓口を設置する等相談援助体制の充

  実に引き続き配慮する。





2 職業安定行政の重点対策



(1)新規雇用の創出



 イ 新規・成長分野における雇用機会の創出の推進

  (イ)新規・成長分野雇用創出トータルプロジェクト(仮称)の実施

   @ 新規・成長分野人材サービスセンターの設置等

     新規・成長分野人材サービスセンターを全国6ヶ所に設置し、人材の確保、

    円滑な労働移動の促進、雇用管理の支援等新規・成長分野の事業所、求職者

    に対する総合的支援を行う。

   A 官民支援ネットワークの整備

     新規・成長分野企業等への支援を効果的に実施するため、中央レベル及び

    地方レベルにおいて、官民の各機関・団体による連携の場(ネットワーク)

    を整備する。

   B 新規・成長分野への就職を促進するための給付金の新設

     新たに労働者を雇い入れる新規・成長分野の事業主が、その労働者の就職

     に要した経費を負担した場合に、その経費の一部を助成する。

  (ロ)新規・成長分野雇用創出特別奨励金の積極的な活用促進

    新たな雇用機会の創出が期待できる新規・成長15分野を中心として、各分野

   の事業主が非自発的な理由で離職を余儀なくされた中高年齢者等について、前

   倒しして雇用する場合又は職場でのOJTを中心とした実践能力訓練を行う場

   合に、奨励金を支給し、非自発的離職者の雇用の創出を図る。



 ロ 介護分野における雇用機会の創出、労働力確保対策の整備・充実

  (イ)介護分野における新分野展開等雇用機会の創出に向けた支援の創設等

   @ 介護分野における新たなサービスの提供等に伴う人材確保、雇用管理改善、

    能力開発及び雇用環境整備に対する支援の創設

     介護分野における労働力の確保と良好な雇用機会の創出を支援するため、

    介護分野における新たなサービスの提供や事業の開始に伴い労働者を雇い入

    れる事業主に対し、介護労働安定センターにおいて雇入れに要する費用等の

    一部を助成する制度を創設する。

   A 介護労働者能力開発事業の充実

     介護分野における能力開発を推進するため、介護労働安定センターにおい

    てホームヘルパー養成研修を離転職者等を対象に実施するとともに、介護サ

    ービスの多様化・高度化に対応した教育訓練を実施する。

  (ロ)介護分野における労働力需給調整機能の整備・充実

   @ 福祉重点ハローワークを中心とした介護労働者等福祉人材に係る需給調整

    の推進

     介護・看護分野の労働力確保の拠点として各都道府県1カ所ずつ指定して

    いる福祉重点ハローワークを中心として、職業相談・職業紹介の実施、福祉

    関係合同選考会の開催、雇用管理改善等の施策を引き続き推進する。

     また、これらの福祉重点ハローワークと福祉人材センター・バンクとの協

    議会及び同ハローワークと都道府県ナースセンターとの協議会を開催し、連

    携の強化を図る。

   A 介護分野における雇用機会の創出に向けた支援と連携の強化

     介護分野における短時間労働者を含む労働力確保と良好な雇用機会の創出

    を支援するための各種の施策を行う介護労働安定センターと福祉重点ハロー

    ワークをはじめとした公共職業安定機関との一層の連携を図る。

  (ハ)介護分野で就労する労働者の雇用の安定及び福祉の増進

   @ 短時間就労の介護労働者の常用化の促進  短時間、短期の形態で就労する

    労働者が実質的に常用雇用となるよう、介護労働安定センターにおいて求人

    情報交換のシステム化、データベース化の推進を支援する措置を創設する。

   A 介護分野で就労する労働者の福祉対策の充実

     家政婦紹介所に登録されている家政婦を平成12年度中に労災保険の特別加

    入の対象とする。

   B 債務保証制度の充実

     雇用・能力開発機構に設置した介護福祉基金の運用益で実施している債務

    保証制度について、介護分野における良好な雇用機会の創出を支援していく

    観点からの充実を図る。



 ハ 中小企業における雇用機会の創出のための支援の積極的実施

   中小企業労働力確保法に基づき、創業・異業種進出を行う中小企業の人材の確

  保・育成、魅力ある職場づくりの活動を積極的に支援し、良好な雇用機会の創出

  を推進する。また、地域の発展に先導的な役割を担う中小企業の人材開発や雇用

  管理に係る取組みを支援するため、中小企業地域雇用創出特別奨励金を支給する。



 ニ 雇用機会が不足している地域等の情勢に的確に対応した雇用開発の促進

   地域の実情に応じた雇用機会の確保に向けた取組を検討するため、都道府県の

  政労使の代表者等からなる「都道府県雇用創出・安定政労使会議」等を開催する

  ほか、地域雇用開発等促進法に基づき緊急雇用安定地域等に機動的に指定する等

  により、所要の対策を講じる。



 ホ 大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用対策の推

  進

   企業のリストラに伴い下請企業や地域雇用への影響が懸念されるため、リスト

  ラ計画の状況の的確な把握に努めることとし、地域雇用への影響が大きい場合に

  は、雇用調整助成金や特定地域・下請企業離職者雇用創出奨励金の活用等により

  総合的な雇用対策を推進する。



 ヘ 人材の地方就職の促進

   都市生活者の地方生活への関心の高まり等に対応するため、地方就職支援セン

  ター等におけるきめ細やかな職業相談等を実施するとともに、地域産業の振興等

  地方の活性化を図る観点から行われている各道府県のUターン事業との有機的な

  連携を図る。



 ト 緊急地域雇用特別交付金による地方公共団体における臨時応急の雇用・就業機

  会の創出

   臨時応急の措置として平成11年度に創設した「緊急地域雇用特別交付金」によ

  り各都道府県に設置された基金を活用し、各地方公共団体の創意工夫に基づき緊

  急に対応すべき事業を引き続き実施することにより、雇用就業機会の創出を図る。



 チ 沖縄雇用対策の推進

   沖縄県の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあり、沖縄県の雇用失業情勢

  の改善を図る観点から、新たに「沖縄総合雇用対策プラン」を策定したところで

  あり、政府全体の沖縄振興策等と連携しつつ、総合的な対策を実施する。



 リ 農山村地域の特性に応じた雇用対策の推進

   農林業を巡る近年の環境の変化に的確に対応するため、農山村地域において地

  域資源を活用した雇用開発を支援する観点から「農山村雇用開発推進事業」を実

  施する。また、近年の農業生産法人の増加等に対応するため、東京、大阪、名古

  屋の拠点公共職業安定所に開設した「農業等就職相談コーナー」において、農業

  求職者等に対するきめ細やかな職業相談等を実施する。



 ヌ 緊急雇用創出特別奨励金の活用

   雇用情勢が悪化した場合において、雇用情勢の変化に臨機に対応して中高年の

  非自発的失業者に必要な雇用機会を提供するため、緊急雇用創出特別基金による

  緊急雇用創出特別奨励金の活用を図る。



(2)雇用の安定及び迅速な就職の促進



 イ 失業なき労働移動の支援等

  (イ)人材移動特別助成金制度による労働移動支援の継続実施

    景気変動、産業構造の変化その他経済上の理由により、生産高の減少を余儀

   なくされている事業主から、失業を経ることなく労働者を出向・再就職あっせ

   んにより受け入れた事業主等に対して助成することにより、労働者の失業なき

   労働移動に対する支援を強化する。

  (ロ)失業なき労働移動の円滑化のための支援体制の整備

    今後、更なる産業構造の変化が予想される中で、労働移動が活発化すること

   が見込まれることから、コンサルティング等を実施することにより、失業なき

   労働移動の円滑化のための支援体制の強化を図る。

  (ハ)業種雇用安定法に基づく諸対策の実施

    産業構造の転換が進む中で、事業規模の縮小等に伴い雇用調整を余儀なくさ

   れている特定雇用調整業種等に属する事業所から失業を経ることなく労働者を

   出向・再就職あっせんにより受け入れた事業主等に対して助成することなどに

   より、関係労働者の失業の予防、再就職の促進を図る。



 ロ 中高年労働者雇用対策

  (イ)キャリア交流プラザの増設等による官民一体となった中高年ホワイトカラー

   求職者の再就職支援

    失業が長期化する傾向にある中高年ホワイトカラー求職者が、就職への意欲

   を低下させることなく主体的に求職活動を展開できるようにするため設置して

   いる「キャリア交流プラザ」を増設し、再就職支援措置を講ずる。

  (ロ)離職予定在職者に対する早期再就職促進対策の実施

    公共職業安定所において、離職を余儀なくされる見込みの中高年齢層を中心

   とした在職者に対し、在職中からの就職活動を援助し、その早期再就職を図る。



 ハ 若年者雇用対策

  (イ)新規学卒者に対する就職支援対策及び職業意識啓発の推進

   @ 大学等新規学卒者に対する就職支援対策・職業意識啓発の推進

     新規学卒者の就職については通年採用を行う企業も現れ、また、採用活動

    が早期化・長期化する中、求人開拓に努めるとともに、年間を通じた就職面

    接会の一層積極的な開催により応募機会の確保を図る。一方、新卒者の就職

    環境がこれまでにない厳しい状況にあることから、学生が早くから働くこと

    について深く考え、将来のキャリア形成につながる適職選択ができるよう支

    援し、就職活動の円滑化を図るため、学生職業センターにおいて実施してい

    る「大学等と連携した職業意識啓発事業」の推進を図る。

     また、インターンシップについては、職業意識啓発の有効な手法として、

    平成10年度から「インターンシップ導入促進等支援事業」を実施しており、

    引き続き、その導入について関係省庁とも連携しながら総合的に推進してい

    く。

   A 高校新規学卒者に対する就職支援対策・職業意識啓発の推進

     職業意識の啓発を図るため、主要な公共職業安定所に高校就職支援指導員

    を配置し、学校に出向いて職業指導や産業雇用情報の提供等を行う。また、

    円滑な就職決定を促進するため、求人開拓に努めるとともに、主要な公共職

    業安定所に就職促進員を配置し、就職希望の内容を把握し、就職面接会等採

    用選考機会との有機的な連携を図る。さらに、高校1・2年生に対し、職場

    見学及び職業ガイダンスを実施するとともに、「ジュニア・インターンシッ

    プ」を効果的に実施する。

  (ロ)若年者に対する適職選択の支援

   @ 未就職卒業者に対する就職支援対策の推進

     大学等未就職卒業者については学生職業センター・学生職業相談室におい

    て、高校未就職卒業者については公共職業安定所において、それぞれ早期就

    職を希望する者の把握及び就職希望等の登録を行うとともに、登録者の就職

    希望を踏まえた求人開拓、採用関連情報の積極的提供及び短期間の職業講習

    を実施し、必要に応じて、雇用・能力開発機構が民間教育訓練機関等に委託

    して実施する職業訓練の受講をさせる。また、講習等の修了者を対象とした

    就職面接会等採用選考機会の積極的な提供を行う。

   A 早期離転職者に対する就職支援対策の推進

     卒業後間もない若年者に対し、適職選択のための支援を図るため、学生職

    業センターに設置している「若年早期離転職者相談コーナー」を早期離転職

    者等の多い学生職業相談室にも設置することとし、平成11年度(5ヶ所増設

    )に引き続き、平成12年度においても5ヶ所増設する。これにより、専門的

    な職業相談等を行うとともに、学生職業総合支援センター情報データベース

    を活用した求人情報や就職に役立つ情報の提供機能の強化を図る。

   B 若年者の雇用管理改善に係る周知・啓発

     平成11年度に実施した最近の事業主の若年労働者の雇用管理の実施等につ

    いての調査研究結果を広く周知し、雇用管理改善について意識啓発を行うと

    ともに、雇用管理改善のマニュアルを作成することとする。

   C 若年者の職業体験機会の拡大

     若年者等の的確な職業選択等を支援するため、職業に関する様々な体験機

    会や職業情報を提供する職業総合情報拠点として、勤労体験プラザ(仮称)

    の平成14年度開館を目指し、引き続いて建設を推進する。



 ニ 障害者雇用対策

  (イ)障害者を雇用する事業主に対する指導・援助

   @ 障害者をめぐる雇用失業情勢に対応した対策の推進

     障害者雇用のきっかけ作りとするための障害者緊急雇用安定プロジェクト

    を引き続き実施する。また、公共職業安定所に障害者求人開拓推進員を配置

    し求人開拓に努めるとともに、集団面接会の開催等により障害者の雇用の促

    進を図る。

   A 障害者雇用率制度の厳正な運営

     民間企業、国及び地方公共団体の機関に対する法定雇用率達成指導を強化

    し、各都道府県労働局及び公共職業安定所において、雇用率未達成の中堅・

    大手企業に対して集団指導、障害者雇用促進セミナー等を実施するとともに、

    必要に応じて特例子会社制度等の活用を推進する。

   B 障害者雇用に係る諸問題に対応できる体制の整備

     公共職業安定所において、事業所訪問等による職場適応指導や事業主に対

    する雇用管理指導を実施するとともに、障害者雇用連絡会議の開催等により、

    個別の問題について的確かつ迅速に対応できる体制の整備を図る。

  (ロ)障害者に対する職業リハビリテーションの実施

   @ 障害の種類及び程度に応じた職業リハビリテーションの実施

     公共職業安定所において、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな職業指

    導・職業紹介等を行うとともに、知的障害者等に対する就業体験支援事業を

    実施する。また、地域障害者職業センターにおいて、職域開発援助事業を拡

    充して実施する。さらに、障害者雇用支援センターの設置・育成を一層促進

    する。

   A 職場適応援助者(ジョブコーチ)による職場適応の推進

     地域障害者職業センターにおいて、障害者の就業先に職場適応援助者(ジ

    ョブコーチ)を派遣して行う支援の在り方について実践的かつ総合的に検討

    するためのパイロット事業を実施する。

  (ハ)精神障害者の雇用・就業対策の推進

   @ 精神障害者の雇用に関する実践的研究の実施

     精神障害者の雇用の促進等のための課題の解決を図り、効果的な雇用支援

    システムを構築するための研究を引き続き実施する。

   A 精神障害者に対する職業リハビリテーションの推進

     公共職業安定所における医療機関等と連携した精神障害者のジョブガイダ

    ンス事業、地域障害者職業センターにおける地域雇用支援ネットワークによ

    る精神障害者自立支援事業等を拡充して実施する。

  (ニ)雇用と福祉等との新たな連携による総合的な障害者対策の推進

   @ 就業支援と生活支援を一体的に提供する試行的事業の拡充

     労働省と厚生省の密接な連携の下に、社会福祉法人等において就業支援と

    生活支援とを一体的に提供する「障害者就業・生活支援の拠点づくり」の試

    行的事業を拡充、実施する。

   A 情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援連携モデル事業

     市町村のデイサービス事業等でパソコンの基礎的操作を習得した重度障害

    者に対し、パソコン技能及び職業意識向上のための遠隔教育や在宅就労を進

    めるための実践的指導を行うモデル事業を日本障害者雇用促進協会に委託し

    て実施する。

   B 都道府県等関係機関との連携協力体制の整備

     障害者雇用に関し、都道府県労働局が都道府県の関係部局との間で連携を

    図るとともに、必要に応じ、関係団体等と連絡・調整を行うための会議を開

    催する。



 ホ 雇用保険事業の適正かつ効果的な実施

  (イ)適正給付の推進

    雇用保険の適正給付を一層推進するため、事業所の設置、被保険者資格の得

   喪、失業の認定等の各段階における事実確認を徹底する。

  (ロ)改正雇用保険法等の円滑な施行

    改正雇用保険法等について、事業主及び労働者に対する広報啓発に努め、そ

   の円滑な施行を図る。特に、都道府県労働局の設置を踏まえ、労働基準行政や

   その他の関係行政機関、事業主団体等との連携の下に、企業規模や労働組合の

   有無等を考慮して、きめ細かな広報啓発活動を行い、効果的な周知徹底を図る。

  (ハ)雇用保険三事業の見直し

    三事業のより効果的かつ効率的な運営を図っていくため、各種給付金等の平

   成13年度からの整理合理化に向けて、抜本的な見直しを行う。



(3)幅広い職業選択が可能となるような環境の整備



 イ 新しい挑戦が可能となる労働市場の実現に向けての調査研究の実施

   新たな可能性への挑戦を望む若年者(新卒による就職後一定年数(8〜10年程

  度)の者)について、転職がマイナスとならない労働市場の構築について検討す

  るための準備として、調査研究を実施する。



 ロ 公共、民間の連携による円滑、的確な労働力需給調整の実現

  (イ)公共職業安定機関と民間需給調整機関との連携協力体制の整備

    労働市場全体の需給調整機能の強化を図るため、公共職業安定機関と民間の

   労働力需給調整機関との協議会を開催し、官民連携の在り方等について検討す

   る。

  (ロ)官民共通の標準職業名等の作成の検討

    労働市場の構造変化が進展する中で、公共職業安定機関と民間の労働力需給

   調整機関がその特性を活かして円滑な労働力需給の調整を図るために、利用者

   が官民が持つ情報を正確かつ効率的に利用できるよう、官民共通の標準職業名

   等の作成方法やその普及方法等について検討を進める。

  (ハ)キャリア交流プラザの増設等による官民一体となった中高年ホワイトカラー

   求職者の再就職支援(再掲)



 ハ 民間労働力需給調整機関の機能の有効、適切な発揮

  (イ)労働者派遣事業の適切な運営の確保

   @ 派遣元事業主に対する雇用管理研修の実施

     経営トップである派遣元事業主に対する研修を開催し、労働者派遣事業制

    度や関係法令に係る周知啓発を行うことで、労働者派遣事業に係るトラブル

    の防止、派遣労働者に対する雇用管理の改善等を促進する。

   A 派遣元責任者研修会の拡充

     労働者派遣法の改正により新たに追加された個人情報の適正管理に関する

    事項等を含め、派遣元責任者が行うべき職務を中心に、労働者派遣事業制度

    や関係法令について派遣元責任者により多くの情報、知識を付与するため、

    派遣元責任者研修会の内容を充実し、名称は派遣元責任者講習に改める。

   B 派遣先に対する派遣先の責務の周知・徹底

     派遣労働者等から苦情のあった派遣先の派遣先責任者を中心に研修を開催

    し、労働者派遣事業制度や関係法令に係る周知啓発を行うことで、労働者派

    遣事業に係るトラブルの防止、派遣労働者の就業環境の改善等を促進する。

   C 派遣労働者の労働・社会保険の適用の促進

     派遣元事業主に対しては労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者

    について加入させてから労働者派遣を行うこと、派遣先に対しては労働・社

    会保険に加入する必要がある派遣労働者について労働・社会保険に加入して

    いる者を受け入れるものであることを派遣元責任者講習や派遣先責任者を対

    象とする研修等各種の説明会等において徹底する。

  (ロ)民営職業紹介事業等の適切な運営の確保

   @ 職業紹介責任者講習の実施

     職業安定法の改正により、職業紹介責任者の選任が法律に明記されるとと

    もに、職業紹介責任者の実施業務として個人情報の管理に関する事項等が明

    らかにされ、その果たすべき役割がより一層重要となってきたことを踏まえ、

    職業紹介責任者の更なる資質の向上を図るため、職業紹介責任者及び新たに

    職業紹介責任者となろうとする者に対して、定期的に職業紹介責任者講習を

    実施する。

   A 民営職業紹介事業の適切な運営のための研修会の拡充

     改正職業安定法の下で民営職業紹介従事者の資質の向上を図るため、従来

    より行ってきた紹介所長研修会及び民営職業紹介従事者研修会について、拡

    充を図る。

   B 民営職業紹介事業の業務改善に係るモデル事業の実施

     職業紹介事業者がその業務を改善することにより求職者が安心して職業紹

    介を受けられるようにするため、職業分野別に中堅クラスの有料職業紹介事

    業所を選定しモデル事業を実施することにより、今後の有料職業紹介事業者

    の適切な業務運営を推進することとする。なお、平成12年度においては、当

    該業務改善に係る研究会を職業分野別に開催する。

   C 民間労働力需給調整機関の機能向上等に関する検討

     民間労働力需給調整機関がその機能を十分に発揮できるような体制の整備

    等について多角的な検討を行うため、「民間労働力需給調整機関の需給調整

    機能の向上等に関する研究会」を開催する。

  (ハ)民間労働力需給調整機関に係る相談援助、苦情処理体制の拡充等

   @ 労働者派遣事業アドバイザー、主任指導員の拡充

     派遣労働者及び求職者等からの苦情の処理についての派遣元、派遣先の事

    業所及び民営職業紹介事業所からの相談等に的確なアドバイスを行う労働者

    派遣事業アドバイザー(仮称)の設置及び主任指導員の増員を行う。

   A 派遣元責任者、職業紹介責任者のための苦情処理マニュアルの作成等

     派遣労働者及び求職者等からの相談や苦情に対して派遣元責任者、派遣先

    責任者及び職業紹介責任者が適切な対応が行えるようにするため、具体的な

    事例とその対処方法について解説した苦情処理マニュアルを作成する。

   B 公共職業安定所における苦情処理体制の整備

     派遣労働者や求職者等からの苦情や相談が申告された場合に迅速かつ適切

    に対応できるよう派遣労働者及び求職者等からの苦情や相談に対応する専門

    の苦情処理窓口を公共職業安定所に設置するとともに、労働者派遣事業制度

    及び民営職業紹介事業制度並びに苦情処理窓口について解説した派遣労働者

    用及び求職者用リーフレットを作成する。

  (ニ)民間の労働力需給調整機関及び公共職業安定機関の相互連携の推進等

    無料職業紹介事業所及び労働者供給事業所と公共職業安定所の交流会を開催

   するとともに、公共職業安定機関と民間の労働力需給調整機関の相互連携を推

   進する。

  (ホ)民間労働力需給調整に係るシステム化

    希望する人がいつでも閲覧できるよう情報を提供するため、また、職業安定

   行政が秩序ある労働力需給調整を保つための分析・検討の資料とするため、派

   遣元事業所及び民営職業紹介所のデータベースの作成に係る検討会を開催する。



 ニ 公共職業安定機関による労働力需給調整機能等の強化

  (イ)自己検索パソコンの導入・活用

    公共職業安定所の利用者が求人・求職情報等の閲覧をより効果的に行うこと

   により、求人・求職活動が円滑に行えるよう、自己検索パソコンの導入・活用

   を推進する。

  (ロ)インターネットによる雇用関連情報提供の全国ベースへの拡大

    公共職業安定所来所時に各種サービスを一層効果的に提供できるよう、イン

   ターネットにより求人情報及び各種の雇用関連情報を提供しているが、このう

   ち求人情報については情報提供する公共職業安定所を全国主要都市へ拡大する。

  (ハ)産業雇用情報ネットワークの活用

    労働力需給のミスマッチを解消し、雇用の安定を図るため、ハローワーク情

   報プラザを拠点とした地域の経済団体と連携した求人情報等の収集、提供を推

   進する。

  (ニ)パートタイム労働力等に係る労働力需給調整機能の強化

    パートタイム雇用のニーズが高い都市に、パートバンク及びパートサテライ

   トを増設し、パートタイム労働者に係る労働力需給調整機能の強化を図る。



(4)アクティブ・エージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な推進



 イ 定年の引上げ、継続雇用、雇用延長、再雇用等による65歳までの雇用の確保

  (イ)定年の引上げ及び継続雇用制度の導入等を行う事業主に対する指導・援助

    継続雇用定着促進助成金(高年齢者雇用安定センターにおいて支給)を拡充

   し、65歳以上までの継続雇用制度の導入に係る助成に加え、61歳以上の年齢へ

   の定年引上げ及びそれに伴う職業適応講習の実施に係る助成を行うこと等によ

   り、賃金・人事管理制度の見直しや職場適応能力の向上を図りながら段階的な

   定年の引上げ並びに継続雇用制度の導入及び定着の促進を図る。

  (ロ)総合的雇用環境整備推進事業(ネクスト65推進事業)の拡充強化

   @ 産業別高齢者雇用推進事業の拡充

     産業別団体と中央高年齢者雇用安定センターが共同で産業ごとの高年齢者

    雇用推進のための基本的方向をとりまとめ、それに基づき産業別団体自らが

    指針及び行動計画の策定等を行う事業の拡充を図る。

   A 高年齢者新規事業分野開拓事業の拡充

     高年齢労働者の持つ能力を積極的に活用して新たな事業を検討・実施しよ

    うとする企業に対して支援を行う事業を拡充する。(中央高年齢者雇用安定

    センターにおいて実施)



 ロ 中高年齢者の再就職の援助・促進

  (イ)中高年齢者の再就職の援助を行う事業主等に対する指導・援助

   @ 再就職援助計画制度の充実及び同制度の効果的な運営のための事業主支援

    の強化

     改正高年齢者雇用安定法に基づき、平成12年10月から、中高年齢者の再就

    職を促進するため、事業主は、定年、解雇等により離職する中高年齢者に対

    し、再就職の援助のための措置を講ずるように努めなければならないことと

    するとともに、公共職業安定所は必要があると認めるときは事業主に対し、

    再就職援助計画の作成を要請することができることとすることから、事業主

    に対する広報啓発に努め、その円滑な施行を図る。

   A 中高年齢者の再就職の援助を行う事業主等に対する助成

     定年・解雇等により離職する中高年齢者の早期再就職を促進するため、離

    職予定者について、一定の再就職の援助措置を講ずる事業主等に対して中高

    年齢在職者求職活動支援助成金(仮称)を本年10月より高年齢者雇用安定セ

    ンターにおいて支給する。

   B 高年齢者雇用安定センターにおける再就職援助関係業務の実施

     高年齢者雇用安定センターの事業主等に対する高年齢者雇用に関する相談、

    援助機能を強化し、中高年齢者が離職を余儀なくされる場合に再就職援助計

    画を作成して離職前から求職活動に対する支援を行う事業主に対する相談・

    援助を行うことにより、事業主による再就職援助の円滑な実施を促す。

  (ロ)地域の経済団体との連携による再就職支援強化

   @ 高年齢者マッチング支援事業の拡充

     公共職業安定所と地域の商工会議所その他の経済団体との連携の下、集団

    選考会等を実施し、雇用に関するミスマッチの解消を図る高年齢者マッチン

    グ支援事業を拡充する。

   A 地域ごとの産業特性等に配慮した高齢者の職域開発の推進

     地域ごとの産業特性等に配慮しつつ、地域の経済団体の協力を得て、高齢

    者の能力を有効に活用できる多様な職域開発を促進する事業を行う。



 ハ 就業意欲や体力の多様化に応じた雇用就業機会の確保

  (イ)自営開業の促進

    高齢者のための自営開業講座や実際に自営開業した高齢者との交流会を実施

   し、自営開業を希望する高齢者を支援する。また、60歳以上の高齢者が共同し

   て、継続的な就業の機会を創出する場合に、当該就業機会の創出に係る一定範

   囲の費用を助成する事業を(財)高年齢者雇用開発協会に委託して行う。

  (ロ)技能講習等を行うシニアワークプログラム事業の拡充

    シルバー人材センター連合において、公共職業安定機関との連携、事業主団

   体の参画の下、雇用を前提とした技能講習、合同面接会などを一体的に実施す

   るシニアワークプログラム事業を拡充する。

  (ハ)シルバー人材センター事業の強化

    シルバー人材センター事業について、従来の臨時的かつ短期的な就業機会の

   確保・提供を超えた短時間の就業機会の確保・提供機能を追加することにより、

   強化を図る。

  (ニ)シルバー就業機会開発プロジェクト事業の実施

    シルバー人材センターの就業形態の特性にあった就業機会の開拓を行い、60

   歳代前半層を中心とした高齢者の失業の減少を図るシルバー就業機会開発プロ

   ジェクト事業を引き続き全国のシルバー人材センター連合において実施する。



 ニ 高齢期における様々な形態での社会参加の促進

  (イ)企業退職者ボランティア推進事業の充実

    現在展開している勤労者ボランティアセンター事業を発展させ、都道府県・

   政令指定都市のボランティアセンターと連携をとりつつ、企業退職者のボラン

   ティアを推進する事業を行う。

  (ロ)高齢期雇用就業支援事業の実施

    在職中の中高年齢者等が、希望と能力に応じて多様な働き方を選択し働き続

   けることができるよう、職業生活の早い段階から必要なキャリア・技能の向上

   を図っていくことを支援するため、公共職業安定所の専門の窓口である高齢期

   雇用就業支援センター及びコーナーにおいて、必要な情報の提供、相談等援助

   を実施する。



 ホ 高齢者が年齢にかかわりなく働き続けることができる職場の創造に関する調査

  研究

   今後の新規・成長分野や高齢者の活用が期待される産業分野について、高齢者

  が年齢にかかわらず働き続けることができる職場の創造に向けた総合的で、かつ、

  実証性の高い調査研究を産学官の共同により2年間で実施する。



(5)安心して働くことができる雇用環境の整備



 イ 多様な雇用管理改善対策の推進

  (イ)港湾労働対策の推進

    港湾運送事業に係る規制改革の実施等港湾労働をめぐる環境の変化に対応し、

   港湾労働者の雇用の安定及び福祉の増進を図るため、港湾運送事業主間におけ

   る労働者派遣制度(港湾労働者派遣制度)を導入するとともに、港湾労働の安

   定化方策の拡充を図る。

  (ロ)建設労働対策の推進

    建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び第5次建設雇用改善計画に基づ

   く施策を推進するとともに、平成13年度を始期とする第6次建設雇用改善計画

   を策定する。

  (ハ)林業労働対策の推進

    我が国林業を取り巻く環境の変化に対応するため、林業労働力の確保の促進

   に関する法律に基づき、林野庁等と連携して、林業雇用改善促進事業を実施す

   る。また、林業振動障害軽快者の再就職促進対策として集団面接会等を実施す

   る。

  (ニ)季節労働者対策の推進

    季節労働者の雇用の安定を図るため、通年雇用安定給付金制度の活用により

   通年雇用の促進に努める。

  (ホ)出稼労働者対策の推進

    やむを得ず出稼に出る人々に対して、送出地と受入地の連携の下で、職業相

   談等を実施し、また、送出県が行う安全就労推進集会や出稼労働者相談員等に

   よるふるさと情報の提供等の事業との連携を図る。また、出稼労働者を雇い入

   れている事業主に対し、労働条件の明示、労働災害の防止等の指導を実施する。



 ロ 特別な配慮を必要とする人々への雇用対策等の推進

  (イ)日雇労働者対策の推進

    日雇労働者対策については、民間求人の開拓を積極的に行うとともに、公共

   事業の施行前把握の徹底による就業機会の確保に努める。

    また、職業安定機関の利用促進によって就労経路の正常化に努める。

    さらに、緊急日雇労働者多数雇用奨励金の支給等の活用により、緊急的に日

   雇労働者の雇用状況の改善を図る。

  (ロ)駐留軍関係離職者対策の推進

    駐留軍関係離職者について、駐留軍関係離職者等臨時措置法等に基づき、公

   共職業安定所における職業相談・就職指導の実施、職業訓練の推進と職業転換

   給付金の支給等により、離職を余儀なくされた者の早期再就職の促進を図る。

  (ハ)漁業離職者対策の推進

    国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づき、国際環境

   の変化に伴い発生する漁業離職者について、漁業離職者求職手帳の発給、必要

   な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等により、その求職者の生活の安定、

   再就職の促進を図る。

  (ニ)失業対策諸事業の適正な運営

   @ 失業対策事業の終息に伴う生活の激変緩和措置の終息

     失業対策事業の終息に伴って引退した者に対する暫定就労事業及び任意就

    労事業の実施、生活相談員の設置等の激変緩和措置を平成12年度末をもって

    終息させる。

   A 炭鉱離職者緊急就労対策事業(緊就事業)の終息に伴う生活の激変緩和措

    置の終息

     炭鉱離職者緊急就労対策事業の終息に伴って引退した者に対する暫定就労

    事業の実施による激変緩和措置を平成12年度末をもって終息させる。

   B 産炭地域開発就労事業(開就事業)の適正な運営

     産炭地域開発就労事業について、平成11年8月の石炭鉱業審議会答申を踏

    まえ平成13年度末をもって終了するとともに、激変緩和措置のために関係自

    治体が行う基金の造成に対し補助を行う。

   C 特定地域開発就労事業(特開事業)の適正な運営

     特定地域開発就労事業については、平成10年12月の「特定地域開発就労事

    業の在り方に関する調査研究報告」に基づき、事業規模の縮小を図る。

   D 炭鉱労働者対策の推進

     平成11年8月の石炭鉱業審議会答申において、国の石炭鉱業構造調整対策

    及び炭鉱労働者雇用対策については平成13年度をもって終了するのが適当で

    あるとされたことを受けて、通商産業省と共同で作成した同省所管の石炭関

    係諸法律の廃止等にあわせ、炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置

    法を廃止することを含む一括法が平成12年3月に成立したところである。

     このような状況を踏まえ、引き続き、炭鉱労働者については炭鉱労働者雇

    用安定助成金の活用等により雇用の安定を図るとともに、炭鉱離職者につい

    ては機動的な職業訓練の実施、きめ細かな職業指導及び職業転換給付金の活

    用等を行うことにより早期の再就職の促進を図る。

  (ホ)地域改善対策等の推進

   @ 同和関係住民の雇用対策の推進

     同和関係住民の雇用対策については、地域改善対策特定事業に係る国の財

    政上の特別措置に関する法律に基づき職業相談員による相談・指導、日雇等

    不安定な就労状態にある者に対する職業講習を実施する。また、一般対策に

    おいても同和関係住民に配慮して以下の事業を実施する。

    ・ 職業指導、職業紹介事業

      新規学校卒業者の就職促進のため、職場実地指導及び職場見学を実施す

     るほか、職業情報の提供、ケース会議の開催等きめ細かな指導・助言を行

     う。

      また、中高年齢層の雇用を促進するため、きめ細かな職業相談、職業指

     導、職業紹介に努めることとし、必要に応じ巡回職業相談を始め、地域に

     おける職業相談体制の充実を図ることにより、就職の促進に努める。

    ・ 雇用主に対する指導、啓発事業

      雇用主に対する指導、啓発事業については、「人権教育のための国連10

     年」との関連において、国内行動計画においても積極的に推進することと

     しているところであり、同和問題をはじめとする人権問題に対する正しい

     理解と認識に基づく公正な採用選考システムの確立を図るため、公正採用

     選考人権啓発推進員の設置事業所の拡大及び同推進員制度が効果的に機能

     するような制度・運用面での充実や、企業トップクラスに対する研修会の

     充実に努めるとともに、小規模事業所に対する啓発、指導を実施する。

      また、全国高等学校統一用紙等の適正な応募書類の周知徹底と公正な採

     用選考についての各種啓発資料の作成・配付等をすることにより、雇用主

     に対する啓発・指導を実施する。

   A ウタリ地区住民の雇用対策等の推進

     ウタリ地区住民については、各種就職援護措置の活用を図るとともに、職

    業相談員経験交流会を開催し、この成果を職業相談に役立て、きめ細かな職

    業指導、職業紹介を実施するとともに、事業主説明会を開催し、地域住民の

    雇用の安定を図る。

  (ヘ)母子家庭の母等の雇用対策の推進

    幼児・児童等をかかえた母子家庭の母等について、公共職業安定所への職業

   相談員(寡婦担当)の配置、家庭環境等に十分配慮した職業相談・就職指導の

   実施、訓練手当制度の積極的な活用等により、その早期就職の促進を図る。

  (ト)中国残留邦人等永住帰国者の雇用対策の推進

    中国残留邦人等永住帰国者について、公共職業安定所において、職業転換給

   付金等を活用して、その雇用の促進を図りつつ、職業相談・紹介を実施する。

    また、職業相談等の業務の一部については、(財)中国残留孤児援護基金に

   委託して実施する。

  (チ)インドシナ難民の雇用対策の推進

    インドシナ難民については、職業相談・紹介、職場適応訓練その他就職を容

   易にするための各種援護措置の実施に係る業務を(財)アジア福祉教育財団に

   委託して実施する。また、公共職業安定所においては、難民に係る求人の取次

   ぎ、求人開拓、職場定着指導等の業務について、同財団と綿密な連携をとりな

   がら全面的な協力を行う。

  (リ)在日韓国・朝鮮人の就職の機会均等の確保対策の推進

    在日韓国・朝鮮人については、就職の機会均等が確保されるよう事業主等啓

   発説明会、不適正事象に係る個別指導、広報活動等の実施を講じ、事業主等に

   対し積極的な指導・啓発を行う。

  (ヌ)本州四国連絡橋建設に伴う雇用対策の推進

    本州四国連絡橋の供用に伴って、事業規模が縮小されること等により離職を

   余儀なくされる労働者に対して、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航

   路事業等に関する特別措置法等に基づき、公共職業安定所における求職手帳の

   発給、職業相談・就職指導の実施、職業訓練の推進と職業転換給付金の支給等

   により、その早期再就職の促進を図る。

  (ル)ホームレスの雇用対策の推進

    関係省庁及び関係地方公共団体で構成する「ホームレス問題連絡会議」が平

   成11年5月に取りまとめた「ホームレス問題に対する当面の対応策」に基づき、

   関係自治体が行う自立支援事業との連携の下で、職業相談員の活用による職業

   相談の実施等ホームレスの就労による自立の促進を図る。



 ハ 外国人労働者問題への適切な対応

  (イ)外国人求職者の職業紹介機能の強化

   @ 外国人雇用サービスコーナーの拡充等

     外国人雇用サービスコーナーの増設により、外国人求職者等に対する職業

    相談・紹介の充実を図るほか、求職者向けパンフレットを6カ国語で作成・

    配布する。

   A 外国人雇用サービスセンターの適切な運営

     留学生及び専門的、技術的分野の外国人労働者について、外国人雇用サー

    ビスセンターにおいて職業相談・紹介を実施するとともに、求人、求職双方

    に係る情報提供の充実を図る。

   B 日系人就労適正化対策の推進

     日系人については、日系人雇用サービスセンターにおける職業相談・紹介、

    労働相談及び日伯雇用サービスセンターにおける情報提供、労働相談等によ

    り、日系人の就労適正化を図る。

   C インターネットを利用した情報提供事業の充実

     東京及び大阪外国人雇用サービスセンターが有する各種情報をインターネ

    ットを利用することによって総合的に情報を提供する事業の充実を図る。

   D 留学生の日本国内での就職支援の強化

     日本での就職を希望する留学生の円滑な就職と職場定着を支援するため、

    企業における適正な雇用管理や留学生の就職活動等に関する指導啓発を充実

    するなど外国人雇用サービス支援センター及び同コーナーを中心とした就職

    支援を強化する。

  (ロ)外国人労働者に係る雇用管理の改善

   @ 外国人雇用状況報告制度の適切な運営

     外国人雇用状況報告制度によって、外国人労働者の雇用状況を把握し、失

    業の予防や再就職の促進、雇用管理の改善を推進するための指導・援助を行

    う。

   A 事業主等に対する援助・指導の強化

     「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に基づく事業主への指導

    ・援助、外国人雇用管理アドバイザーによる援助、外国人雇用管理セミナー

    の開催及び外国人雇用管理ビデオの作成・配布により、外国人労働者の雇用

    管理の改善を図る。また、外国人労働者問題啓発月間を中心として、外国人

    労働者の適正な雇用及び労働条件の確保等に関する周知啓発に努める。

   B 日系人雇用管理改善事業の適切な運営

     日系人の雇用管理の改善を促進するため、日系人の職業生活全般にわたる

    相談や事業主への相談・援助及び職業生活に適応するための講習会を実施す

    る。

  (ハ)適正就労の推進

   @ 適正就労ルート確立プログラムの推進

     不法就労を防止し、適正な就労を促進するため、不法就労外国人の送出し

    の多い国において現地セミナーを開催し、我が国の外国人労働者受入れ方針

    ・制度、労働関係法令等に関する情報を提供する。

   A 関係行政機関との連携強化等不法就労対策の推進

     事業主等への啓発・指導による不法就労の防止並びに事業主への是正指導

    及び必要に応じた関係行政機関への情報提供による不法就労の解消に努める

    とともに、関係行政機関との連携を図り、実効ある不法就労対策を推進する。

  (ニ)国際化への対応

   @ 関係国際機関における対応

     秩序ある国際労働力移動を実現するため、APEC、OECD、WTO等

    関係国際機関における国際労働力移動に関する情報交換の促進、連携の強化

    等に努める。

   A アジア地域における国際労働力移動に関する情報収集の充実等

     アジア諸国の政策担当者及び専門家による会合の開催等により、アジア地

    域の労働市場及び国際労働力移動の動向等に関する情報収集、意見交換等を

    行う。





3 雇用均等行政の重点対策



(1)雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策の推進

 

   平成12年度は、改正された均等法が全面施行されて2年目に当たることから、

  さらなる均等法の定着を図るため、行政運営の最重点を均等法に係る個別紛争の

  解決の援助及び均等法遵守のための行政指導におく。また、ポジティブ・アクシ

  ョンについて企業の自主的な取組を促すための援助を行う。これらの具体的内容

  は以下のとおりである。



 イ 個別紛争の解決の援助及び適切な行政指導の実施

  (イ)個別紛争の解決の援助

    最近の厳しい雇用情勢の中で、増加傾向にある配置、昇進、解雇等における

   男女差別的取扱いに関する相談に対しては、適切かつていねいな対応を行い、

   個別紛争の迅速な解決が図られるよう援助する。

    個別紛争の解決の援助の端緒となる相談に対しては、相談内容を正確に把握

   し、紛争の当事者の申出に応じて、均等法第12条に基づく労働局長の助言、指

   導、勧告及び同法第13条に基づく機会均等調停委員会の調停についても積極的

   に活用することにより迅速な解決を図る。

    また、これらの措置が十分に活用されるよう、個別紛争の解決の援助に係る

   都道府県労働局や機会均等調停委員会の役割や機能について、女性労働者を始

   めとする労使関係者に対して、積極的に周知を図る。

  (ロ)均等取扱いのための行政指導の実施

    均等法第25条に基づく報告徴収は、管内の施行状況を勘案の上、実施するも

   のとする。このため、あらゆる機会をとらえて、管内企業の雇用管理制度とそ

   の運用実態等法の施行状況を把握する。

    均等法違反が明らかになった場合には、厳正に対処し、同法第25条に基づく

   助言、指導、勧告を行うことにより同法に沿った雇用管理の是正を図る。

  (ハ)女子学生の就職に関する均等な機会の確保

    女子学生からの相談、アンケートや大学等の就職担当者からの情報収集等に

   より企業の募集・採用状況及び女子学生の就職活動の状況を具体的に把握し、

   均等法上の問題のある企業に対しては、同法第25条に基づく報告徴収、指導等

   を実施し、女子学生の就職に関する均等な機会の確保を図る。



 ロ 均等法の周知徹底

  (イ)均等法等の周知

    均等法を一層定着させ、男女の均等取扱い等の確保を図るためには、社会一

   般の認識と理解を深めることが必要であり、労使を始め関係者に対して、説明

   会、事業所訪問等を含め、あらゆる機会をとらえて法の周知を図る。

    また、平成11年12月より施行された改正後の労働者派遣法により、均等法第

   3章の規定が派遣先事業主に対しても適用されることから、均等法と併せて派

   遣法の均等関連事項についても説明する。

  (ロ)第15回男女雇用機会均等月間(6月)

    第15回男女雇用機会均等月間は、均等法への理解を深める機会として、

   (財)21世紀職業財団(以下「財団」という。)等関係団体及び都道府県等と

   連携を図り、効果的な広報啓発活動を実施する。



 ハ 女性労働者が能力発揮しやすい環境整備の促進のための企業に対する援助

  (イ)企業に対する啓発指導

    女性労働者の能力発揮促進のための企業の積極的取組(ポジティブ・アクシ

   ョン)に係る企業の自主的取組を促進するため、引き続き機会均等推進責任者

   (以下「均等推進者」という。)の選任勧奨をすすめ、ポジティブ・アクショ

   ンの重要性と手法等について理解させ、取組を促すとともに、日頃の事業所訪

   問等で把握した好事例等に基づく具体的な情報提供を行う。

    また、事業所訪問、財団が実施するトップセミナー、業種別使用者会議及び

   女性活用コンサルタントによる中小企業女性の能力発揮診断事業等を活用して、

   ポジティブ・アクションを行う企業に対し、その実態に即した情報提供等を行

   う。

  (ロ)「均等推進企業」表彰

    女性労働者の能力発揮を促進し、その活用を図る積極的取組を推進している

   企業、又はその成果が上がっている企業に対し、その取組を讃えるとともに、

   これを広く国民に周知し女性労働者の活用と能力発揮促進に資するため、表彰

   を行う。



 ニ 能力発揮促進のための女性に対する援助

  (イ)「女性と仕事の未来館」を通じた能力発揮支援事業の展開

    女性が職場や社会において、その能力を十分発揮していくためには、働く上

   で男性に比べて困難な状況に直面することが少なくない女性の能力発揮を支援

   することが重要である。

    このため、平成12年度においては、引き続き「女性と仕事の未来館」におい

   て、女性の能力発揮のためのセミナーや相談、女性起業家支援、女子学生・女

   子生徒の適切な職業選択のための情報その他働く女性に関する情報の提供等各

   種支援事業を、(財)女性労働協会(以下「協会」という。)に委託して実施

   することとする。また、「女性と仕事の未来館」で行う事業についての女性労

   働者に対する周知・広報に努める。

  (ロ)女子学生等に対する意識啓発

    女子学生の就職難は、希望職種の偏りにも一因があることから、財団や大学

   等の就職担当者と連携し、的確な職業選択ができるよう、ガイドブック等の情

   報提供により女子学生に対する意識啓発を図る。

    女子生徒の的確な職業選択を援助するため、教育委員会等学校関係者の協力

   を得て女子生徒、学校の進路指導担当等を対象としたセミナーの開催、進路決

   定に必要な情報提供等を行い、女子生徒の意識啓発を図る。



 ホ 職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策の推進

  (イ)セクシュアルハラスメント防止のための行政指導の実施

    セクシュアルハラスメント防止のための措置が適切に講じられるよう、事業

   主のセクシュアルハラスメント防止対策について把握し、法違反に対しては速

   やかに是正指導を行う。

  (ロ)女性労働者からの相談対応の充実

    職場におけるセクシュアルハラスメントに関する女性労働者からの相談につ

   いては、相談者のプライバシーや心身の状況に配慮しながら、適切かつていね

   いに対応する。

    また、相談者が精神的ダメージを受けている場合については、セクシュアル

   ハラスメントカウンセラーを活用し、適切に対応する。

  (ハ)企業の具体的取組に対する援助

    事業主がセクシュアルハラスメント防止対策を効果的に講ずることができる

   よう、財団において実施する、具体的な取組のノウハウや事例を提供する実践

   講習や相談等の事業を活用し、企業に対する情報提供等の援助を行い、取組に

   遅れのみられる中小・零細企業についても防止対策が確実に講じられるよう徹

   底を図る。



 ヘ 母性健康管理対策の推進

  (イ)法令、指針の周知徹底

    労働基準法、均等法に基づく女性労働者の母性保護及び母性健康管理につい

   て、事業主、労働者、医療関係者に周知徹底を図る。

    「母性健康管理指導事項連絡カード」の周知及び活用の促進を図るため、特

   に、事業主への周知については、男女雇用機会均等月間や関係機関主催の会合

   等の利用、各機関の広報誌への掲載等の機会を通じて一層の普及に努める。

  (ロ)適切な行政指導の実施

    均等法の第22条及び第23条の母性健康管理の措置が適正かつ円滑に講じられ

   るよう一層指導を図る。

  (ハ)事業所における体制整備への支援

    事業所内の産業医等産業保健スタッフに対し、協会を通じて母性健康管理研

   修会を実施するとともに、小規模事業所の事業主及び女性労働者に対し、郡市

   区医師会を通じて相談事業を実施する。



(2)職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進

 

   平成12年度は、育児・介護休業法が全面施行されて2年目であるとともに、政

  府の少子化対策推進基本方針が策定された初年度であることから、職業生活と家

  庭生活との両立のための雇用環境の整備をより一層推進する必要がある。このた

  め、事業主による両立支援対策への積極的な取組の促進や、育児や家族の介護を

  行う労働者等に対する支援を行うとともに、ファミリー・フレンドリー企業の普

  及促進を行う。併せて、本省において、育児・介護休業制度、育児・介護に配慮

  した勤務時間に関する措置等育児・介護を行う労働者の雇用の継続を図るための

  制度の充実に向けての検討を行うこととする。これらの具体的内容は以下のとお

  りである。



 イ 事業主による両立支援対策への取組の促進

  (イ)育児・介護休業制度及び勤務時間短縮等の措置等の定着

   @ 育児・介護休業法の周知

     育児・介護休業制度及び育児・介護のための勤務時間短縮等の措置並びに

    育児・介護を行う労働者の深夜業を制限する制度の定着を図るため、「仕事

    と家庭を考える月間」(10月)を中心に、説明会、事業所訪問等を含め、あ

    らゆる機会をとらえて積極的な周知活動を引き続き行う。

   A 適切な行政指導の実施

     育児・介護休業法第48条に基づく報告徴収を、年間事業所訪問計画に基づ

    き、年度当初より計画的に実施するほか、育児・介護休業指導員による事業

    所訪問等あらゆる機会をとらえて、管内企業の育児・介護休業制度の整備状

    況等法の施行状況を確認するとともに、その結果に基づき、育児・介護休業

    法第48条に基づく指導を実施し、同法の適正な施行の確保を図る。

     また、特に労働者からの個別相談については、適切かつていねいに対応し、

    問題解決のための適切な助言に努めるとともに、事業主に対しては、適切な

    指導を行う。

  (ロ)助成金の支給等による事業主への支援

    「育児・介護休業者職場復帰プログラム実施奨励金(平成12年度から、支給

   対象となる職場復帰プログラムの内容の拡充等を行う。)」、「育児休業代替

   要員確保等助成金(仮称)(平成12年度から、育児休業期間中の代替要員を確

   保し、かつ、育児休業取得者を原職又は原職相当職に復帰させた事業主に支給

   する。)」、「事業所内託児施設助成金(平成12年度から、運営費について、

   定員等の施設規模に応じて段階的に助成限度額を引き上げる等の拡充を行う。

   )」等を活用し、育児・介護休業者の円滑な職場復帰や、育児や家族の介護を

   行う労働者が働き続けやすい雇用環境の整備を推進する。



 ロ 育児や家族の介護を行う労働者等に対する支援

  (イ)情報提供、相談、講習等による支援

    フレーフレー・テレフォン事業の実施箇所数を増やすこと等により、職業生

   活と家庭生活との両立に係る情報提供、相談、講習等による支援を行う。

  (ロ)ファミリー・サポート・センター事業の推進

    ファミリー・サポート・センターの設置促進を行う都道府県及びセンターを

   設置運営する市町村等に対し補助を行う。特に、本センターの設置促進につい

   ては、「少子化対策推進基本方針」に基づく重点施策の具体的実施計画を取り

   まとめた「新エンゼルプラン」の中で、平成16年度までの実施個所数が示され

   たところであり、都道府県に対し積極的な働きかけを行う。

    なお、本事業については、高齢者等援助を要する家族を抱えながら働く労働

   者の仕事と介護との両立を支援するため、新たに高齢者等に対する軽易な相互

   援助活動を行う。

  (ハ)育児、介護等のために退職した者に対する再就職支援対策の推進

    再就職希望登録者支援事業の箇所数を増やすとともに、自己啓発のための教

   育訓練の受講援助等の拡充を行うこと等により、再就職希望者に対する情報提

   供、講習、相談、自己啓発への支援を行う。

    また、好事例等企業向けの資料を活用すること等により、引き続き再雇用制

   度の普及促進を図る。



 ハ ファミリー・フレンドリー企業の普及促進

  (イ)「少子化時代の家族や企業の在り方を考える国際シンポジウム(仮称)」

    の開催

    本省においては、厚生省とも連携しつつ、少子化が進む中での新たな家族や

   企業の在り方をテーマとする国際シンポジウムを開催する。

  (ロ)「ファミリー・フレンドリー企業」表彰

    ファミリー・フレンドリー企業を目指して積極的取組を推進している企業、

   又はその成果が上がっている企業に対し、その取組を讃えるとともに、これを

   広く国民に周知し家族的責任を有する労働者がその能力や経験を活かすことの

   できる環境の整備に資するため、表彰を行う。

  (ハ)事業主団体を通じたファミリー・フレンドリー企業の普及促進

    「育児・介護雇用環境整備助成金」を活用し、事業主団体を通じたファミリ

   ー・フレンドリー企業の普及促進を行う。



(3)パートタイム労働対策の推進



   平成12年度は、改正パート指針の適用2年目に当たり、また、パートタイム労

  働者と通常の労働者との均衡考慮に向けた労使の取組への支援に関し「パートタ

  イム労働に係る雇用管理研究会」の報告が取りまとめられる予定であることを踏

  まえ、パートタイム労働を魅力ある良好な就業形態としていくための取組を一層

  推進する。その具体的内容は以下のとおりである。



 イ パート指針の一層の定着のための取組

   説明会等あらゆる機会を通じ、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法

  律」(以下「パート法」という。)に基づくパート指針の一層の定着を図る。



 ロ パートタイム労働者と通常の労働者との均衡考慮に係る労使の取組への支援

   平成10年12月より「パートタイム労働に係る雇用管理研究会」を開催し、パー

  トタイム労働者と通常の労働者との均衡の考慮に係る検討を行っているところで

  あるが、その成果を、事業主・事業主団体・労働組合等に対して情報提供し、取

  組を支援する。



 ハ 短時間雇用管理者の選任勧奨及び活動の促進

   短時間雇用管理者について、事業主等に対し、より積極的に選任勧奨を行うと

  ともに、選任・変更届の提出や、その業務の適切な運営及びパートタイム労働者

  に対するその氏名の周知を促す。また、選任された短時間雇用管理者等を対象に

  パート法、パート指針及び短時間雇用管理者の行う業務内容についての講習会を

  開催する等その活動の促進を図る。



 ニ パートタイム労働者の雇用管理改善等援助事業の実施

  (イ)雇用管理アドバイザーによる事業主等に対する相談・援助の積極的実施

    財団地方事務所に配置している雇用管理アドバイザーを活用し、事業主等に

   対する相談・援助を実施する。

  (ロ)短時間労働者雇用管理改善等助成金の活用

    短時間労働者雇用管理改善等助成金については、助成金制度の趣旨及びその

   積極的活用を促すよう制度の周知に努める。



(4)家内労働対策の推進



   最低工賃の新設・改正の計画的推進と周知の徹底、家内労働手帳の交付の徹底、

  安全衛生対策の推進、委託条件の明確化や委託状況届等の届出指導を行うととも

  に、いわゆる「インチキ内職」への的確な対応を図る。



(5)在宅ワーク対策の推進



   情報通信機器を活用して請負契約に基づきサービスの提供等を行う在宅ワーク

  は、仕事と家庭の両立が可能となる柔軟な就労形態として期待されているが、契

  約をめぐるトラブルの発生や仕事の確保に必要な情報の入手が困難な状況にある

  など問題点が指摘されている。このため、在宅ワークが健全に発展していくよう、

  以下の施策を推進する。



 イ ガイドラインの策定、周知・啓発

   在宅ワークに係る契約条件の文書明示や契約条件の適正化等を図るためのガイ

  ドラインを策定するとともに、関係当事者にガイドラインの周知・啓発を図る。



 ロ 在宅ワーカー等への支援対策

   在宅ワーカーに必要な情報を掲載したハンドブックを作成し、配布するととも

  に、当該情報を掲載したホームページを開設し、情報提供を行う。また、相談体

  制の整備、基礎的セミナーの実施等による支援を行う。



(6)女性の地位向上のための施策の推進



   真の男女平等を推進していくためには、意識面において今なお根強く残ってい

  る固定的な男女の役割分担意識等を是正することが必要である。

   このため、平成12年度においては、「女性週間」の実施等の啓発活動を通じて、

  あらゆる分野への女性の参画の促進に努める。

   なお、平成12年「女性週間」全国会議については、大阪府と共催で、大阪市に

  おいて開催する。



(7)国際協力の推進



   女性の地位向上の分野においても、国際社会の一員としての我が国の果たすべ

  き役割が一層増大していることから、「開発と女性」の視点を踏まえた開発途上

  国への援助、国際交流、国際会議への参加等国際協力を積極的に推進する。

   特に、平成12年6月に、ニューヨークで開催される国連「女性2000年会議」へ

  の参加をはじめ、国連、ILO、OECD等国際機関の諸行事に積極的に協力す

  る。

   また、平成12年のILO総会(第88回)においては、昨年度に続いて母性保護

  に関する条約(第 103号)等の改正が討議されることとなっており、これに適切

  に対応する。



(8)雇用均等行政の効果的な運営のための対応



 イ 総合的・計画的・効率的な行政指導の実施

   平成12年度における雇用均等行政の推進に当たっては、均等法に係る個別紛争

  の解決の援助及び均等法遵守のための行政指導を最重点としつつ、併せて育児・

  介護休業法に基づく行政指導等を強力に推進する必要がある。

   したがって、均等法第25条及び育児・介護休業法第48条に基づく事業所訪問に

  よる行政指導の実施について、年度当初に総合的な年間事業所訪問計画を作成し、

  計画的に実施することとする。

   訪問による報告徴収の実施に当たっては、効率的な行政運営の観点から、均等

  取扱い、セクシュアルハラスメント防止対策、母性健康管理規定の措置、育児・

  介護休業制度等全般にわたって把握するように努めることとする。



 ロ 調査の実施

   平成12年度の女性雇用管理基本調査は、改正後の均等法に係る企業の雇用管理

  の実情や女性の活用状況について、実態把握を行う。



 ハ その他

   雇用均等行政の課題について労使を始め各界の理解を深めるとともに、意見の

  把握を図るため、労使のトップ層及び学識経験者等の参集を求めて懇談等の機会

  を確保するほか、雇用均等行政協助員制度の円滑な運用等を図る。





4 労働保険適用徴収業務の重点対策



   労働保険適用徴収業務は、従来、都道府県労働基準局及び都道府県との間で連

  携を取って業務運営を進めてきたところであるが、都道府県労働局における労働

  保険徴収主務課(室)の設置により、従来に増して一体的な業務運営が可能な執

  行体制となることから、業務計画の作成を含め、より有機的かつ効率的な業務運

  営が図られるよう留意して、以下の対策を推進する。



(1)労働保険の適用促進

 

   労働保険の適用促進に当たっては、都道府県労働局、労働基準監督署及び公共

  職業安定所(以下「労働局等」という。)の連携を密にして創意工夫を凝らし、

  未手続事業の積極的かつ的確な把握に努めるとともに、中期的な展望に立った年

  次別の具体的な適用促進計画を策定し、計画的な適用促進を進める。

   また、社団法人全国労働保険事務組合連合会(以下「全国労保連」という。)

  に委託している労働保険の適用促進に係る業務については、労働局等との十分な

  連携の下での円滑な推進に留意するとともに、あらゆる機会をとらえ、労働保険

  制度についての効果的な広報活動の実施に努める。



(2)労働保険料の適正徴収



 イ 的確かつ円滑な年度更新の実施

  (イ)年度更新の実施に当たっては、事業主及び事務組合に対して、年度更新事務

   説明会の開催等あらゆる機会をとらえ、また、工夫を凝らしつつ、労働保険料

   の適正な申告・納付のために必要な知識を周知徹底する。

    また、例年、労働保険料の徴収過不足が少なからず発生しており、かつ、そ

   の多くが従来から会計検査院に指摘されてきた原因によるものである現状を十

   分踏まえ、年度更新を適正かつ円滑に実施する。

  (ロ)当該業務の実施に当たっては、実施計画の策定、事務説明会の開催等のため

   の実施体制の整備を労働局全体として図ること。



 ロ 効率的な労働保険料算定基礎調査の実施等

   労働保険料算定基礎調査(以下「算調」という。)は、労働保険料の適正徴収

  を確保し、費用負担の公平を期するための極めて重要な業務であり、各労働局の

  実情に応じて、算調への適正な業務量の投入を考慮しつつ、効率的な算調実施計

  画を策定したうえで、適正かつ実効ある実施に努める。

   また、改正労働者派遣法の施行に伴い、労働保険料の算定基礎となるべき派遣

  労働者への適切な適用が求められており、今後、算調を実施するに当たり留意す

  ること。



 ハ 実効ある滞納整理の実施

  (イ)労働保険料の滞納については、効果的な滞納整理実施計画を策定して計画的

   に取り組む。とりわけ、多額の滞納事業主及び多年度にわたり滞納を繰り返し

   ている事業主に対し、重点的に滞納整理を実施する。

  (ロ)滞納整理に当たっては、関係行政機関との連携に配慮し、参加差押え等の励

   行に努めるとともに、平素から滞納事業主の財産調査等にも努める。



(3)事務組合の育成・指導等



 イ 事務組合の育成・指導

   事務組合に対しては、その母体団体の性格、事務処理能力等を考慮し、委託事

  業数の増大を通じ事務組合の自立が図られるよう、その育成に努める。併せて、

  事務組合の体制の整備及び労働保険事務の円滑な実施のために必要な指導を行う。

   なお、育成・指導等に当たっては、全国労保連の都道府県会の協力を得る等適

  宜連携を図る。



 ロ 事務組合の監督・指導

   事務組合における事故の未然防止を図るため、事務組合の定期的な監督・指導

  に努める。

   なお、監督・指導を行う際には、必ず労働保険料の受領・納付状況の確認を行

  い、労働保険料の滞納がある場合には、その原因を確認した上で、速やかに時効

  中断措置をとるとともに、滞納整理を行う。

   また、認可基準が遵守されていないことが判明した事務組合に対しては、一定

  期限を定めて早期にその是正を図らせる。



(4)社会保険労務士の活用等

 

   社会保険労務士制度は、労働保険の適用徴収業務の面で重要な役割を担ってい

  るところであり、行政事務の効率化を図る観点からも、社会保険労務士の積極的

  な活用に努める。

   他方、労働保険の適用徴収に関連して、社会保険労務士が関与する不正事件を

  未然に防止するために、都道府県社会保険労務士会等を通じ、社会保険労務士が

  行う業務の適正な実施の指導についても留意する。





5 各行政間の連携の下に推進する重点対策



(1)雇用の安定を図るための総合的施策の実施



 イ 求人開拓等に当たっての公共職業安定所と労働基準監督署の連携

   昨年6月に策定された緊急雇用対策に盛り込まれた「公共職業安定所と労働基

  準監督署の連携による求人開拓、雇用創出への相談・支援の実施」について、引

  き続き、職業安定行政及び労働基準行政の連携の下、労働基準監督署が行う個別

  事業場に対する指導・調査などに際して把握した求人開拓に資する情報の公共職

  業安定所への提供、労働基準監督署が行う集団指導及び説明会等における公共職

  業安定所職員等による事業主への採用意向アンケートの実施等の施策を積極的に

  実施する。

 ロ 雇用調整の発生に際しての総合的対応

   解雇等の雇用調整が集中的に発生した場合、都道府県労働局並びに労働基準監

  督署及び公共職業安定所が連携し、離職を余儀なくされた労働者を対象に、賃金

  支払の履行確保、解雇についての男女差別、失業等給付の受給資格決定及び職業

  紹介等に係る相談援助や手続きを一括して処理する等の総合的対応を機動的に図

  る。



(2)男女雇用機会均等確保対策の総合的な推進



   男女雇用機会均等法及び同法に基づく指針の内容について、労働基準監督署に

  おける就業規則の受理時及び公共職業安定所における求人の受理時等に、それぞ

  れの窓口において、パンフレット等を活用して、必要に応じてその周知徹底を図

  る。

   都道府県労働局は、男女雇用機会均等法等に関する説明会を、引き続き必要に

  応じて、労働基準監督署又は公共職業安定所と合同で行う。

   なお、均等取扱いの個別紛争に関する相談が労働基準監督署又は公共職業安定

  所になされた場合や、署所で均等法違反事業所に係る情報を把握した場合には、

  都道府県労働局雇用均等室へ情報提供等を行い、労働基準監督署又は公共職業安

  定所との連携を図る。



(3)育児・介護休業法に基づく事業主指導に関する連携の強化



   育児・介護休業制度及び育児又は家族の介護を行う労働者の深夜業の制限など

  育児・介護休業法及び同法に基づく指針の内容の周知並びに育児・介護休業法に

  係る個別相談への対応について、都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業

  安定所の連携を密にして取り組む。

   また、育児・介護休業法に関して、労働基準監督署又は公共職業安定所におい

  て把握した法違反事業所等に係る情報の都道府県労働局雇用均等室への提供等の

  連携に努める。



(4)パートタイム労働対策の推進

 

   11月の「パートタイム労働旬間」を中心に、パートタイム労働指針に沿った適

  正な労働条件の確保及び雇用管理の改善がなされるよう、都道府県労働局、労働

  基準監督署及び公共職業安定所による連携を密にして、短時間労働者の雇用管理

  の改善等に関する法律、同法に基づく指針及び関連の助成制度等の周知を図る。

   また、同様の連携を密にして、パートタイム労働者及び事業主からの個別の相

  談に的確に対応する。



(5)派遣労働者の保護及び就業条件の確保等対策の推進

 

   平成11年12月の改正労働者派遣法の施行を受けて、職業安定行政及び労働基準

  行政の連絡・協力体制を一層強化するとともに、派遣元及び派遣先双方の事業主

  に対して法令の遵守の徹底を図るため、必要に応じ、職業安定行政において開催

  する労働者派遣法に係る各種の説明会等においては、都道府県労働局労働基準部

  又は労働基準監督署職員による説明の機会を確保するなど適切な連携を図る。

   また、同法の施行により、均等法第3章の規定が派遣先事業主に対しても適用

  されることとされたことから、雇用均等行政は職業安定行政の協力を得て、労働

  者派遣法に係る各種の説明会等において説明機会を確保する等、事業主への周知

  を図る。



(6)外国人労働者対策の推進

 

   労働基準行政及び職業安定行政において、6月の「外国人労働者問題啓発月間

  」を中心に「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」等に基づく事業主指

  導を必要に応じ連携して行うとともに、職業安定行政において同月間を中心に各

  地において開催する講習会等についても、必要に応じて労働基準行政との連携を

  図る。



(7)障害者の労働条件確保・雇用対策の推進

 

   障害者である労働者の法定労働条件の履行確保、雇用管理の改善等を図るため、

  障害者雇用連絡会議などの開催等を通じ、労働基準行政及び職業安定行政並びに

  福祉行政を始め関係行政等との連携の下、これら労働者を使用する事業主に対す

  る啓発・指導を推進するとともに、的確な情報の把握及び提供等を行い、問題事

  案の発生の防止及び早期是正に努める。



(8)出稼労働者対策の推進

 

   出稼労働者対策については、職業安定行政及び労働基準行政の連携の下に、

  「出稼労働者対策要綱」等に基づき、地元就労の促進対策、職業紹介の充実等安

  定した出稼就労を確保するための対策、労働条件の明示、賃金支払の確保等就労

  先における労働条件の確保対策等を重点に対策を引き続き推進する。



(9)総合的労働相談の実施

 

   労働行政機関に寄せられる相談事案のうち、労働基準、職業安定及び雇用均等

  の3行政のうち複数の分野にまたがる相談事案について、都道府県労働局総務部

  企画室に新たに設ける労働相談窓口において一元的に対応する。

   こうした窓口の機能が十分に機能するよう、都道府県労働局総務部企画室と、

  都道府県労働局各部、労働基準監督署及び公共職業安定所との連携を密にする。



(10)勤労青少年関係業務の推進

 

   我が国社会が将来に向かって活力を維持し、勤労者が職業生活を通じて安心し

  て働ける豊かな社会を実現していくためには、多種多様な可能性を持つ青少年の

  活力が大いに期待される。このため、勤労青少年福祉行政の推進に当たっては、

  都道府県労働局、労働基準監督署及び公共職業安定所並びに都道府県等の連携の

  下に、勤労青少年福祉法及び第6次勤労青少年福祉対策基本方針に基づき、勤労

  青少年が主体的かつ自律的に職業とのかかわりを持ち、一人一人がその柔軟な発

  想や企画力をいかせるように支援するとともに、職場以外でも、地域、国際社会

  等様々な分野で自主的に社会に参画し貢献できるよう本省及び地方を通じて支援

  する。


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