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序 都道府県労働局の設置に当たっての基本姿勢



 1.我が国においては、高い実質経済成長率を期待し難い環境の中で、産業構造の

  変化が急速に進展するとともに、労働者の就業意識が多様化する一方で企業にお

  ける人事労務管理の個別化も進んでおり、労働者の保護及び雇用の安定を実現す

  るための施策を機動的かつ的確に展開していく必要がある。

   また、女性の就業意欲が高まる中で、男女の均等な雇用機会を確保し、女性労

  働者が能力を十分に発揮できるようにしていくことが求められている。



 2.これらの労働行政をめぐる課題に的確に対応するためには、労働者や事業主を

  始めとする国民に対して広く行政サービスを提供する地方労働行政機関において、

  労働基準、職業安定及び雇用均等の3行政それぞれの専門性を一層発揮し、国民

  のニーズにかなったきめ細かい施策を実施していかなければならない。

   同時に、雇用調整や男女の均等な雇用機会の確保など近年重要性を増している

  課題は、既存の個々の行政分野の枠組みに収まらない性格を強めており、これら

  に的確に対応するためには、地方労働行政機関において3行政の連携を密にし、

  分野横断的な施策を企画立案するとともに、効果的に実施していかなければなら

  ない。



 3.また、これらの施策を実施するに当たって、地方労働行政機関は、地域の経済

  社会情勢や行政ニーズを逐次把握し、これらを的確に踏まえつつ、各般の施策に

  ついて一層の創意工夫を凝らしていく必要がある。

   こうした状況を踏まえ、総合的な地方労働行政を展開するため、本年4月、都

  道府県労働基準局、都道府県女性少年室及び都道府県職業安定主務課を統合し、

  単一の都道府県単位機関として都道府県労働局が新たに設置されたところであり、

  今後においては、今般の3機関統合による相乗効果を発揮し得るように努め、統

  合の実を上げていかなければならない。同時に、労働行政とつながりの深い労使

  団体等との連携にも十分意を払っていかなければならない。



 4.また、労働行政は、ナショナルミニマムの維持・達成のため全国的な規模や視

  点から実施されるものであると同時に、地域や住民の生活に密着した性格を有し

  ており、国が行う雇用施策を実効あるものとするためには、これが、都道府県等

  による雇用施策、商工施策、福祉施策、職業能力開発施策等との有機的な関連の

  下に実施される必要があることに留意し、都道府県労働局と都道府県等との緊密

  な連携を図っていかなければならない。



 5.以上から、平成12年度において、都道府県労働局は、地域の経済社会情勢を的

  確に踏まえ、都道府県等との有機的な連携を図りつつ、労働基準、職業安定及び

  雇用均等の3行政それぞれの専門性をより一層発揮するとともに分野横断的な施

  策を効果的に実施することによって、総合的な労働行政サービスを広く労働者や

  事業主を始めとする国民に提供することを基本とし、独自の創意工夫を凝らしな

  がら行政運営を図っていくこととする。


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