地域創生へのインターンシップ─コーディネーターの重要性

要約

今永 典秀(名古屋産業大学准教授)

地域創生に向けてインターンシップが地域や地域中小企業と若者との接点構築や協働・共創の役割を果たすことが期待される。地域や地域中小企業は,都会の大企業と異なり,広報のブランド力や受入余力に乏しいことが想定される。また,大学から離れた地域や地域中小企業との接点や信頼関係を構築することは一般的に困難である。そのような中,大学生や大学と地域中小企業双方に価値提供を実現するためにはコーディネーターの役割が重要視される。本稿では,地域の中小企業に対する地域創生インターンシップの特徴を明らかにするため,地域での実践事例調査とコーディネーターに対するインタビュー調査を実施した。コーディネーターを介した地域中小企業の企画策定,募集,実施サポートを通じて,風土改革や経営革新につながり,魅力的なプロジェクトが実施されることで,学生が集まり地域企業や地域との関係性が構築され,将来の地域への貢献が期待されることが確認できた。コーディネーターは,企業と学生双方に対する価値提供を実施するため,異なるノウハウ・経験を有する必要がある。また,コーディネーターの組織的な育成や,地域全体が発展するための産学連携や,地域での研究会・協議会の設立・運営など,組織の継続発展に向けた役割が求められる。インターンシップが地域創生の実現に向けて,多様な役割を果たすことができるコーディネーター人材の育成発展が重要であることが示された。


2021年8月号(No.733) 特集●日本におけるインターンシップの展開と現状

2021年7月26日 掲載