多様なインターンシップ経験と効果の一考察

要約

初見 康行(多摩大学准教授)

坂爪 洋美(法政大学教授)

梅崎 修(法政大学教授)

本稿の目的は,多様なインターンシップ経験がインターンシップの効果に及ぼす影響を明らかにすることである。本目的を達成するため,本稿では3つの分析を行った。第1に,インターンシップの参加有無がインターンシップの複数の効果に及ぼす影響である。第2に,社数・期間に代表されるインターンシップの「参加パターン」が,インターンシップの効果に及ぼす影響である。第3に,オンライン・対面というインターンシップの「参加形態」が,インターンシップの効果に及ぼす影響である。以上の分析から得られた知見・示唆は大きく3つある。第1に,インターンシップの参加は,文系学生の「キャリアの焦点化(自分の将来・キャリアがより明確になること)」を促進する効果があることが確認された。第2に,近年の大学生のインターンシップ参加パターンとして「短期間のインターンシップに少数参加」と「長期間を含むインターンシップに多数参加」が多く,両者で全体の6割以上を占めていた。また,文系学生の「キャリアの焦点化」を促進するためには,インターンシップの「期間」よりも「社数」の方が重要であることが示唆された。第3に,オンライン・対面というインターンシップの参加形態は,「キャリアの焦点化」に有意な影響を与えないことが確認された。本稿の結果から,対面形式でのインターンシップ率が上昇するほど,インターンシップの効果が高まるという関係は確認されなかった。逆に,理系では対面形式のインターンシップ率が50%を超えると,「キャリアの焦点化」が抑制される効果が確認された。


2021年8月号(No.733) 特集●日本におけるインターンシップの展開と現状

2021年7月26日 掲載