日本における大学生のインターンシップの歴史的背景や近年の変化とその課題─「教育目的」と「就職・採用目的」の視点で

要約

亀野 淳(北海道大学高等教育推進機構教授)

本稿においては,日本における大学生のインターンシップを「教育目的」か「就職・採用目的」かという視点を用いてこれまでの政策,現状,諸外国との比較,最近の特徴的な動きをみてみた。日本の大学におけるインターンシップの歴史を概観し,その上で,統計資料を用いて日本のインターンシップの特徴を明らかにした。その特徴とは,①インターンシップの参加者は増加傾向にあるものの,期間が短く,それがより短期化していること,②大学や行政は,インターンシップは教育目的であることを強調しているが,現実は就職・採用目的で実施されていることなどがあげられる。また,海外の動きをみると,米国のコーオプ教育や英国のサンドウィッチコースは教育目的としての産学連携教育として引き続き重要な役割を果たしているものの,これらとは別に就職・採用を意識したインターンシップが拡大していることなどを明らかにし,インターンシップなどの産学連携教育を国際比較の観点でみる場合に,労働市場の特徴との関連性に留意する必要があることなどを明らかにした。さらに,日本の特徴的な動きとして,①長期間,②低学年,③オンラインの3つの多様なインターンシップを取り上げるとともに,「教育目的」と「就職・採用目的」を併せ持つインターンシップについて,その内容を諸外国の取組とも比較しながら考察を行い,その課題や位置づけについて明らかにした。


2021年8月号(No.733) 特集●日本におけるインターンシップの展開と現状

2021年7月26日 掲載