世界の変容の中での日本の学び直しの課題

要約

本田 由紀(東京大学教授)

新型コロナウイルスの流行がもたらした世界の急激な変容の中で、日本社会が抱える様々な課題がいっそう顕在化した。学び直しはこれらの課題に対処するための方策として、今後さらに必要化すると考えられるが、学び直し自体が、強迫性、不平等、偏向という負の側面を伴う。日本の学び直しは他の先進諸国に比べて不足しており、国内では格差や様々な阻害要因が見いだされる。これらに対処するためには、初期教育としての初等中等教育、学び直しの場としての高等教育、そして雇用のあり方を、「水平的多様性」と「ジョブ型雇用」の方向に変革するとともに、個人の存在そのものを肯定し尊重する社会の形成のためのものとして学び直しを位置づけ直す必要がある。

2020年8月号(No.721) 特集●学び直し

2020年7月27日 掲載