チームの有効性とその規定要因──心理学のパースペクティブから

要約

山口 裕幸(九州大学教授)

本論文は、社会心理学、とくに集団力学や組織科学の視点から、これまでのチームワーク研究を振り返りながら、チーム有効性の概念をより明確に把握するとともに、それがチーム活動の中のいかなる変数によって影響を受け、規定されているのか検討したものである。チーム有効性は、チームが掲げる目標に対するチーム・パフォーマンスの達成度として捉えられることを明確にしたうえで、チーム・パフォーマンスは、チームが取り組む課題の性質によって、多種多様な指標で測定されうるものであり、創造的なアイディアの創発や問題解決、葛藤解決のような質的な成果が評価される場合の測定指標の開発に関しては、これからのチーム有効性研究にとっても重要課題であり続けることを指摘した。そして、先行研究によって提示されてきたIPOモデルおよびIMOモデルを参考にして、チーム有効性に影響を及ぼす諸変数を同定し、それらの相互作用ダイナミクスを包括的に描出することのできる仮説モデルを提示した。最後に、これからのチーム有効性研究を展望し、バーチャル・チームの時代を迎えている中で、メンバーの国籍や文化、宗教等の多様性がチーム有効性に及ぼす影響の検討や、チーム活動を通じたメンバーの変化や成長、チームレベルでの変革や発達をチーム有効性の指標として視野に入れて検討することを課題として指摘した。

2020年7月号(No.720) 特集●チームワーク

2020年6月25日 掲載